「フリーランス増えすぎ」は本当?差別化で成功するコツを紹介
今、フリーランス人口が増えている状況のなか、フリーランスを目指すかどうか考えている方もいることでしょう。一方で、フリーランス人口が増えることによって、案件が枯渇してしまうのではないかという懸念点も挙げられています。
今回はフリーランスが増えている理由を解説するとともに、他者と差別化をはかってフリーランスとして成功するための工夫を紹介します。
そもそもフリーランスとは?
フリーランスとは働き方のひとつで、会社に属さず、個人で案件を獲得する働き方のことをいいます。クライアント企業や個人、団体と直接契約して仕事と収入を得るのがフリーランスの一般的な働き方です。安定した収入が約束されているわけではなく、安定感を求めるには不向きな働き方といえます。
一方で、自分自身で働く場所や時間を自由に決められる、仕事を選べる、裁量を持って仕事を進められるなどのメリットがあります。自分で決断できて、仕事の成評価によって適正な収入を得たい人にとっては、満足度が高い働き方といえるでしょう。
フリーランスが増えているのは本当か?
今、フリーランスとして働く人が増えていると言われていますが、果たして本当なのでしょうか。さまざまな実態調査によると、フリーランスは増えているのです。ここでは増加傾向にあるフリーランスの実態と増加している理由を解説します。
フリーランスは増えすぎ?増加の要因とは
ランサーズ株式会社が調査および公開している『新・フリーランス実態調査 2021-2022年版』によると、2019年のフリーランス人口は1,118万人で、労働人口の16.7%を占めていましたが、2021年になると1,577万人に増え、労働人口の22.8%を占めるまでになりました。これまでのフリーランス人口は増加傾向にありましたが、特に2021年以降は大幅な増加を見せており、今後もフリーランスとして働く人が増え続けると予想できます。
また、同じくランサーズ株式会社の公開している『働き方調査2023』では、フリーランスの約3割が正社員として企業に所属しながら、副業でフリーランスの仕事を行っています。
このように、副業でフリーランスの活動を始めた人も、2020年のコロナ禍以降、増加しています。
以上の結果から、フリーランスの数は増えすぎというほどではありませんが、フリーランスとして活動する方の数は増加傾向にあります。
「フリーランス増えすぎ」と言われる背景
フリーランスは短期間で大幅に増加しており「増えすぎ」という声が上がるほど。では、なぜフリーランスとして働く人が増えているのでしょうか。さまざまな理由が考えられますが、国が進める働き方改革が大きく影響していると考えられます。ほかにも、新型コロナウイルスの影響やフリーランスとして仕事を得やすい環境が整ってきたことも要因です。ここではフリーランスが増えている4つの理由を紹介します。
働き方の多様化
政府は2024年現在でも働き方改革を推進しており、その取り組みとして柔軟性のある働き方を認める企業が増えています。これにより、正社員以外の働き方にメリットを感じる方が増えてきていることが、フリーランスが増える要因のひとつと考えられています。
また、新型コロナウイルスの影響から、リモートワークなど場所に捉われない働き方に注目が集まり、フリーランスという働き方への注目が集まったとも言えます。
副業を解禁する企業の増加
働き方改革の推進のほかに政府は、副業・兼業を推進しています。これにより、これまで副業を禁じていた企業も、副業を許可する流れが見られます。会社員が副業を行うことは、フリーランスとして働く有効なシミュレーションとなるため、ある程度副業が軌道に乗った時点で独立し、フリーランスとして働きはじめる方も少なくありません。
フリーランスを活用する企業が増えた
先に紹介したように、企業は働き方改革に対応するため、社員に対して柔軟な働き方ができるような環境の構築を進めています。また、こうした環境の整備は企業として、正規雇用という考え方を変えるきっかけにもなっています。正社員として雇用し働いてもらうのではなく、フリーランスの方と業務委託契約を結んだうえで、業務を進めるのです。
こうした時代背景もあり、企業からの業務委託案件は増えています。またIT人材が慢性的に不足していることもあり、フリーランスエンジニアの需要も増加しています。
エージェントなどサービスの充実(特にコロナ禍以降)
新型コロナウイルスの影響により、円滑に働くことが困難になったころから充実してきたのが、転職エージェントサービスです。この時期から企業からフリーランスエンジニアに対する需要が増えたこともあり、案件が増加しています。これに伴いエージェントサービスやフリーランス案件を扱うサイトが増えたという流れとなりました。多くの案件がフリーランス向けエージェントやサイトで紹介されることにより、フリーランスとしての働き方を選ぶ人が増えています。
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他のフリーランスと差別化するた4つのポイント
フリーランスが定期的に仕事を得るためには、他のフリーランスとの差別化をはかる必要があります。ここでは差別化のはかり方を3つ紹介します。
魅力的なポートフォリオで差別化する
過去に手掛けてきた仕事の実績をポートフォリオとして作成するのは、案件獲得で非常に大切。魅力的なポートフォリオを作成すれば他のフリーランスと差別化できるので、非常に重要です。ポートフォリオの差別化ポイントするなら、以下のポイントを押さえましょう。
デザイン性を高める
ポートフォリオのデザインは、スキルを視覚的に表現する重要なポイントです。画像や動画を効果的に使用し、見やすく洗練されたデザインにすることで、クライアントへプロフェッショナルな印象を与えられます。
実績を数値化する
Webデザインのフリーランスであればスキルに「デザイン制作」とだけ記載するのではなく、「〇〇件のデザイン制作で、平均クリック率を○○%向上させた」など、具体的な数値を示すことで、実績を可視化させられます。売上向上に貢献した実績やプロジェクトの成功事例があれば、積極的に記載しましょう。
フリーランスとしての強みを明確にする
他のフリーランスと差別化するために、自分の強みを具体的に示しましょう。
例えば、「UI/UXデザインに特化」「クラウドシステムの開発を得意」「大規模プロジェクトの経験豊富」など、自分のスキルや経験を差別化してアピールしてください。
ターゲットを絞る
全てのクライアントにアピールするのではなく、特定の業界や企業規模に特化したポートフォリオを作成することで、ターゲット層に響きやすい内容になります。
例えば、「スタートアップ企業向けのWebサイトデザイン」「大企業向けのデータ分析」など、具体的なターゲットを絞り込むことで、クライアントに直接響くポートフォリオに仕上げられます。
フリーランスの方の中には「フリーランスなのに履歴書が必要なの?」と思っていた方も多いかと思います。しかしフリーランスとして活動していくと、なにかと必要となることが多い履歴書。
今回の記事では、履歴書・職務経歴書のテンプレートと併せて、これからフリーランスになる方が知っておくべき「履歴書を必要とするシーン」から、既にフリーランスとして活躍されている方も活用できる「質の高い履歴書の書き方」についてご紹介します。
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情報発信・ブランディングで差別化する
自らスキルや携わった業務経験に関する情報発信をすることで、クライアントからのスカウトにつながる可能性があります。作成したポートフォリオをブログで公開すれば、仕事の依頼に繋がることがありますし、日頃からSNSで技術に関する情報を発信していれば企業の目に留まるかもしれません。
ただし、ブログやSNSといった第三者が閲覧できる場所にポートフォリオを公開する場合、機密保持の兼ね合いもあり、企業名やプロジェクト名など具体的な案件情報記載には注意が必要です。過去の実績について公開が可能かどうか事前に確認しておきましょう。
最新のスキル、市場価値の高いスキルの獲得を目指す
自分自身のスキルアップを行い、差別化をはかります。やみくもにスキルアップを行うのではなく、先に述べた通り、最新の動向をチェックし、必要なスキルから身につけていくと良いでしょう。
スキルアップや最新情報の獲得方法としては、エージェントから最新の案件トレンドについて聞き、トレンドの案件に参画する、セミナーや勉強会などで人脈を広げて、情報交換をするなどがあります。また、スキルアップの方法に困ったら、さまざまなスクールを活用するのも一つの手です。
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稼げるフリーランスになる4つのコツ
「フリーランス増えすぎ」という声が上がる中、安定した収入を得続けるのは簡単ではありません。フリーランスとして稼いでいくに、押さえておくべき4つのポイントを紹介します。
安い単価の案件を受けすぎない
安い単価の案件は単純なな仕事になりがちでスキルアップにつながらないことが多いです。収入をアップさせたいなら、安い案件ばかり受けずに少しずつでも高い単価の案件の受注を目指すことを心がけてください。
営業力を向上させる
フリーランスとしての市場価値をアピールする、単価交渉を行うなどの営業力を磨くことで、年収アップや好条件の案件獲得につながります。また、SNSなどで人脈を広げるのも、案件交渉以外でできる営業活動です。フリーランスとしての価値を適切にアピールできるように心がけましょう。
稼げるジャンルを選ぶ
業界のトレンドを押さえて、流行のジャンルを選択するのは、一つの有効な戦略です。需要が高いので単価も高い案件を獲得できる可能性が高まりますし、当面は継続的に仕事を得やすいというメリットがあります。
ただし、稼げるジャンルは競合も多くなるという側面があるので飽和状態になる可能性があること、自分の興味関心と合わない場合があるという点もあるので注意が必要です。
新しいスキルを習得し続ける
絶えず自己研鑽を行うことはフリーランスとして絶対に必要な要素です。業界のトレンドを把握し、最新技術を習得するなど日々の努力を続け、最新技術を必要とする案件の受注を目指しましょう。
フリーランスが案件を獲得する方法
フリーランスが案件を獲得するには、さまざまな方法があります。その中で、代表的なものとして、3つの方法を紹介します。
フリーランス向けエージェントへの登録を行う
エージェントを活用することで、案件探し、事務作業を代行してもらう、エージェントが提供している独自のサービスを受けられるなど本業に集中することができます。また、案件については一般公開されていない非公開案件があることも、エージェントを利用するメリットの一つです。
エージェントによって保有している案件、受けられるサービスが異なるため、自分に合うエージェントを選びましょう。
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人脈を活用する
仲間などの人脈から仕事を得ることも案件を獲得する方法のひとつです。過去のクライアント、友人、フリーランスになる前の会社の上司などに声をかけてみるのも有効です。
『フリーランス白書2023』の調査によると、知人の紹介を含む人脈によって仕事の獲得につながっているという回答が、クラウドソーシングなどのほかの方法よりも多いという調査結果となっています。
SNSや交流会などで知り合った方から仕事を得る
三つ目は、SNSやIT系の交流会に参加して仕事を獲得する方法です。こうしたSNSや交流会は同じ目的意識を持った人が集まる場合が多く、また仕事を発注したい人も参加していることがあるため、どちらにとっても有効な営業先といえます。
また、こういった交流会やセミナーなどで新しい人脈づくりをすることで、他のフリーランスでは獲得できない案件を得たり、フリーランス仲間を作れたりすることもあります。
フリーランスになるなら知っておこう!メリットと注意点
働きやすい状況になりつつあるフリーランスですが、実際にフリーランスになった場合、どのようなメリットがあり、どのようなデメリットがあるのでしょうか。ここでは会社員と比較した場合のフリーランスのメリット・デメリットを紹介します。
フリーランスになるメリット
自分の得意分野を選びやすい
フリーランスとして仕事をする場合、自ら仕事を受注します。会社員とは違い、条件が合わないなど、やりたくない仕事は断ることが可能です。
つまり、自分の得意分野を優先して選ぶこともできます。仕事内容のほかにも、苦手な人との仕事を断ることもでき、単価の安い仕事はやらないといった選択も可能です。
働く時間や場所が自由に決められる
会社員であれば、一般的に会社に出社して仕事を行います。また就業時間は定められており、仮にリモートワークだったとしても、時間に縛られがちです。
一方、フリーランスの場合、自分で働く場所や働く時間を自由に選べます。当然ですが、休日も自分の裁量で決められる場合が多いため、趣味の時間や旅行の予定を立てやすいというメリットがあります。
裁量権が全て自分にある
裁量権を持つことが多いのも、フリーランスの特徴です。このため何かを決断しなくてはならない場面でも、会社員のように上司へ相談したり、決裁を待ったりということはありません。新しいビジネスを思いつき、即実践することはもちろん、仕事に必要な機材の購入、客先や案件の選定など、全て自分で決断できるのも大きなメリットといえます。
収入をアップさせられる
会社員の場合、簡単に年収を上げることは難しい場合があります。フリーランスであれば、高いスキルと経験を有効活用することで、会社員よりも多くの収入を目指すことも可能です。
フリーランスになる際の注意点
フリーランスとして独立し、活躍することを目指しているのであれば、デメリットを気にする必要もあります。ここでは、メリットに続いてフリーランスになるデメリットを4つ紹介します。
安定して仕事や収入が得られない
会社員の場合、基本的に給与は保証されていますが、フリーランスは仕事がなければ収入もなくなってしまいます。このため、営業がうまくいかず仕事が続かなかったり、病気などで仕事ができなかったりした場合、収入が途絶えます。
事務処理を自分で行う必要がある
フリーランスとして仕事をする場合、事務処理も全て自分で行う必要があります。たとえば、見積書や受発注書、契約書などの書面を作成し、やり取りしなくてはなりません。これに加え、経理作業も必要です。収支をこまめに帳簿に記載することや、確定申告に向けた作業も必要で、仕事の合間を使って確実にこれらの処理をこなす必要があります。さらに法律の改正にもアンテナを立てなくてはなりません。電子帳簿保存法やインボイス制度といった、変化し続けている制度には特に注意が必要です。
人と出会いにくい
先述の通り、フリーランスという働き方は、自ら積極的に人に会おうとしない場合、孤独です。こうした状況は新たな人脈を作ることが難しくなるばかりか、業界の動向といった情報も得にくくなるので、積極的に新たな人脈作りを心がける必要があります。
社会的信用が低い
フリーランスは会社員と比べると、社会的信用が低い傾向にあります。このため、クレジットカードの作成を断られる場合やローンの審査が通りにくいといったデメリットがあります。これらの予定があるのであれば、フリーランスになる前、会社員であるうちに準備をしておくと良いでしょう。
まとめ
今、フリーランスとして働く人口は増加傾向にあります。この事実は、ひとつの案件に応募が殺到する可能性、案件を継続して得るためには他のフリーランスとの差別化が必須であることを示しています。
一方で、フリーランスが増えているという事実は、フリーランス向けの案件が多くなったという事実も示しています。すなわちチャンスが増えているということでもあります。
自己アピールをするためのポートフォリオ内容を充実させたり、スキルアップに注力したりするなど、他のフリーランスとの差別化をはかることが成功の鍵となります。
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