スキル・知識

ITエンジニアに英語は必要?海外案件の獲得方法&英語勉強法を紹介

更新日 2025/02/14

ITエンジニアはどの程度の英語力が必要なのでしょうか?本記事では、ITエンジニアが英語をどのように活用することができるか、仕事で役立つITエンジニアのための実践的な英語学習方法について詳しく解説します。さらに、頻出単語やケース別のIT英語例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

エンジニアに英語力が求められる理由

なぜITエンジニアに英語力が必要なのかを問う画像。

「どうして英語?」ITエンジニアの中にはこの問いに直面している方も多いでしょう。実は、プログラミングスキルと英語力は、現代のIT業界では切り離せない関係となっています。まず、全てのプログラミング言語が英語を基本として構成されており、英語を理解するとプログラミング言語の習得がしやすくなります。また、DX推進に伴い日本企業の取引先も急速にグローバル化していることから、ビジネスレベルの英語が必要になるケースが増加しています。さらに、AIなどの新IT技術は英語圏から導入されるため、スムーズなキャッチアップには英語での情報収集が必須となっています。このように、現代のITエンジニアは、技術力と英語力を両輪としてキャリアを築いていく必要があるのです。

プログラミング言語は英語で構成されている

プログラミング言語は基本的に英語で構成されているため、ITエンジニアに英語力があると、より深くコードの意味を理解できます。例えば、「if」「for」「while」といった制御構文や、「print」「return」「import」といった一般的な命令文など、ITエンジニアが使用するコマンドやシンタックスのほとんどが英単語で設計されています。

また、JavaScriptやPythonといった主要なプログラミング言語では、変数名やクラス名、関数名も英語で記述することが一般的です。エラーメッセージやデバッグ情報も英語で表示されるため、それらを正確に理解して対処するためにも英語力は欠かせません。つまり、プログラミングの習得と英語学習は、ITエンジニアにとって切っても切り離せない関係にあるのです。

取引先に外資系または海外企業が増加している

ITエンジニアの仕事で外資系企業や海外企業との取引は年々増加し、業界における外国人労働者の割合も増えています。最近の調査によると、情報通信業で働く海外人材は直近10年間で約3倍となっています。(※)そのため、ITエンジニアにとって英語力は、円滑なビジネスを進める上で必須のスキルと言えるでしょう。海外ベンダーとの直接取引が一般的となった現在、プロジェクトの成功とITエンジニア自身のキャリア発展のためにも、英語力向上は避けて通れない課題となっています。

※PR TIMES 

新しい技術は基本的に英語圏から導入される

最新IT技術のほとんどが、アメリカを中心とした英語圏から生まれています。最新のプログラミング言語やクラウドサービスは、まず英語で情報が公開されます。ソフトウェア開発に必須のGitHubやStack Overflowといったサイトも英語が基本となっているため、これらの情報が日本語に翻訳されるのを待っていると、最新の技術情報をスムーズに取得することが難しくなります。つまり、AIやブロックチェーンのような最先端のIT分野では、英語で情報をキャッチアップできるとエンジニアとして有利になります。ITエンジニアとしてスキルアップしていくためには、英語で最新の技術情報をスピーディーに取り入れる力が、非常に重要になっていきます。

オフショア開発が進んでいる

近年国内のIT人材不足を背景に、インドやベトナム、フィリピンをはじめとした、現地の外国人エンジニアに委託する「オフショア開発」が進んでいます。オフショア開発では、進捗報告、技術的な質問対応など、現地法人の開発チームとのビジネス英語レベルのコミュニケーションが必須となります。また、システム開発プロジェクトでは細かな認識のズレが大きなトラブルを招く可能性があるため、正確な英語コミュニケーション能力が求められます。海外のIT企業との取引が増加する中、ITエンジニアにはビジネスレベルの英語力が期待されているのです。

ITエンジニアが英語を学習するメリット

コンピューターで英語を勉強する人の画像。

ITエンジニアが英語力を身につけることで、エンジニアとしてのスキルアップが可能となり、キャリアの幅が広がることが期待できます。例えば、グローバル企業での正社員採用や、年収800万円以上の高待遇ポジションにアクセスできる可能性が高まります。また、フリーランスとして活動する場合でも、英語力があれば海外クライアントからの直接契約が可能となり、日本のIT人材の平均年収よりも高い収入が見込めます。このように、英語力の習得は、ITエンジニアのキャリアアップと収入アップを実現する重要な投資といえます。

コード入力時のミスが減らせる

英語力向上はプログラミング言語の理解を深め、結果的にコード入力のミスを減らすことに繋がります。プログラミング言語はアルファベットで設計されており、変数名や関数名、エラーメッセージなど、英語の単語やフレーズが頻繁に使用されます。英語力があるエンジニアなら、意味を正確に理解した上でコード入力できるので、入力ミス減少にもつながっていくのです。

待遇がよくなる

ITエンジニアにとって、英語力は年収アップに繋がりやすいスキルです。経済産業省の日本のIT人材の年収分布によると、ITエンジニアの年収の平均値は20代で413万円、40代で646万円程度(※1)ですが、外資IT企業である「日本マイクロソフト株式会社」や「グーグル合同会社」のエンジニアの平均年収は、1000万円を超えています。(※2)英語ができるITエンジニアは、外資系企業や海外展開している大手日本企業など、より高年収の企業に転職しやすくなります。また、現在勤務している企業にいても、英語力を活かして海外プロジェクトに参加したり、海外の顧客を担当することで、昇給やボーナスアップに繋がる可能性があります。

 

※1 経済産業省〈我が国におけるIT人材の動向〉 ※2 enエンゲージ〈グーグル合同会社〉 ※2 enエンゲージ〈日本マイクロソフト株式会社〉

外国人との仕事がスムーズに進む

国内における外国人労働者数は年々上昇傾向にあります。2024年秋時点の厚生労働省の調査結果によると、情報通信分野において、90,546名もの外国人労働者が働いています。(※1)つまり、IT産業の社内での英語コミュニケーションの機会は年々増加していくでしょう。

エンジニアの現場で英語が具体的に役立つ場面を考えてみましょう。エンジニアのチームプロジェクトはGitHubでのプルリクエストへのコメントやSlackでの簡単なやり取りから始まり、徐々にチームミーティングでの会話へと発展していくケースが一般的です。IT分野における頻出英単語の知識を身につけ、簡単な英会話ができるようになると、通訳に頼らずに仕事をすることができます。ITエンジニアマネージャーへの英語学習の実態調査結果によると、「今後ITエンジニアが英語を使う機会が増えると思うか」という質問に対して、89.8%が、非常にそう思う、ややそう思うと回答しています。(※2)英語でのコミュニケーションは、もはや外資系企業のエンジニアだけのものではなく、多くの日本企業で働くエンジニアでも必要とされているのです。

※1 厚生労働省〈「外国人雇用状況」の届出状況まとめ〉 ※2 PR TIMES

最新情報を早く入手できる

ITエンジニアに英語力が備わると、プログラミング言語やIT業界に関する最新情報に、素早くアクセスできます。実際、Log4jの重大な脆弱性が発見された際、英語が読めないエンジニアチームは対応が遅れ、システムが危険にさらされる事態となりました。ChatGPTのようなAIツールの新機能や、JavaScriptの最新フレームワークのリリース情報も、まず英語で発表され、日本語訳が出るまでに平均して2~3週間かかります。

言語の壁があると新フレームワークの採用が遅れ、競合他社と比較して開発効率が劣ってしまいます。つまり、ITエンジニアが英語を読めるようになれば、最新のIT技術や知識をより早くアップデートでき、ソフトウェア開発が有利になります。

転職に有利になる

ITエンジニアが英語を学習する最大のメリットの一つに、転職市場で圧倒的に有利になることが挙げられます。なぜなら、近年では海外との取引や海外展開を積極的に行っている企業が増加しているため、英語でのコミュニケーション能力を持つ人材を求めているためです。

ただでさえ需要が高いITエンジニアが英語力まで有していれば、特に希少な存在として企業から高く評価されるます。例えば、TOEICで700点以上を取得していると、「英語学習への意欲や英語力向上への努力を示すもの」として評価されるため、転職市場においても有利な立場に立てるでしょう。スキルアップを目指すITエンジニアにとって、英語学習は自己成長とキャリアアップの両面で大きなメリットをもたらす投資と言えるのです。

海外でも働ける

英語ができるITエンジニアなら、海外企業に転職するチャンスを得やすくなります。有名IT企業は世界中に拠点を持ち、優秀なエンジニアを求めています。例えば、アメリカのシリコンバレーを拠点とする、GAFAM(Google, Amazon, Facebook, Apple, Microsoft)といった大手IT企業や、国内市場を牽引し急成長を遂げている、中国のアリババやテンセント、ソフトウェア開発、AI、ビッグデータなど、多様な分野で高い技術力を持つ人材を輩出しているインドのスタートアップ企業などで就業する扉が開かれます。英語力の習得によって、これらの企業で最先端の技術に触れながら働くことが可能となり、ITエンジニアとしてキャリアアップすることにも繋がります。

日本にいながら海外案件を受けられる

日本経済新聞のドル円為替チャートでは、2021年1月の$1=¥104から2025年1月$1=¥155まで、右肩上がりに円安が進行しています。円安が進行する今、英語力を持つITエンジニアは、日本に居ながら海外案件を受注することで大きな収益を得られます。

経済産業省によるIT人材の各国比較調査によれば、米国のIT人材の平均年収は1250万円弱で、米国IT人材の給与・報酬に対する満足度は、日本よりも高くなっています。(※) ITエンジニアに英語力があれば、リモートワークを通じて世界各地のプロジェクトに参画できるため、生活基盤を変えることなく、海外案件に携わり高収入を得られる利点があります。このように、英語力を活かした海外案件の受注は、日本在住のエンジニアにとって大きなメリットとなっています。

※ 経済産業省〈IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果〉

ITエンジニアにはどのくらいの英語力が必要?

ビジネス英語力を測るTOEICの画像。

ITエンジニアとして活躍していくためには、具体的にどの程度の英語力が必要なのでしょうか?英語力は、ITエンジニアとしての市場価値を高める上で大きなアドバンテージとなります。最新の技術情報やソフトウェア開発に関する文献を英語で読解できるレベル、海外プロジェクトに参画できる英語レベルなど、具体的な英語能力の目安をご紹介します。ぜひ、ここで紹介する英語力の目安を基に、英語学習に積極的に取り組んでみてください。

TOEICであれば700点

ITエンジニアのみならず、ビジネス人材の英語力を測る指標の一つとして、「TOEIC」が挙げられます。英語力は、TOEICの点数で明確に測れるものではありませんが、TOEIC700点というスコアは英語力がある程度身についていることを示す一つの目安となり、転職時や社内での昇給・昇進の際に、有利に働く傾向にあります。

TOEIC700点は、英検でいう2級〜準1級に相当し、基本的な日常会話やビジネスシーンでのコミュニケーションがスムーズに行えるレベルと位置付けられているため、履歴書に書き加えられるでしょう。さらに、海外のエンジニアと英語でコミュニケーションを取ったり、英語のIT技術書を読めたりする能力を養うには、英会話スクールやIT人材向けの英語学習アプリを活用して、より実践的な英語力を身につけることが重要です。

最低英検3級+ビジネス英語

ITエンジニアに求められる最低限の英語力は、英検3級レベルの基礎英語にビジネス英語を組み合わせた水準と言えるでしょう。英検3級は中学校卒業レベルの文法や語彙を網羅しており、このレベルの基礎英語力があれば、技術文書の読解やコードのデバッグに必要な英語をある程度理解できます。

内閣府の外国人労働者数推移の表によれば、10年前の2015年時点で100万人程だった外国人労働者は、2023年に205万人に達しています。(※)ソフトウェア開発分野でも外国人エンジニアとの協働は例外ではなく、近年英語でのコミュニケーション需要が高まっています。そのため、この基礎レベルの英語スキルにビジネス英語を持ち合わせると、ITエンジニアとしてグローバルな開発チームでもスムーズに業務を進められます。ただし、これはあくまでも最低限の水準であり、キャリアの発展に応じてさらなる英語力の向上を目指すことをお勧めします。

※ 内閣府〈第2-3-1図 外国人労働者数の推移〉

ITエンジニアが押さえておきたい頻出単語とケース別の例文集

エラーが発生してそれを対処する人の画像。

近年ITエンジニアとして活躍する上で、英語力は欠かせない武器となります。特に、頻出する英単語や例文を知っていることは、日々のタスクを円滑に進める上でも非常に重要です。

そこで今回は、ITエンジニアが押さえておきたい頻出英単語と、「進捗報告」「ビジネスメール」「障害発生時」といったケース別の例文集をご紹介します。

【頻出IT英単語】

 

日本語 英語
要件定義 requirement definition
外部設計 external design
内部設計 internal design
開発 development
機能 function
進捗 progress
単体テスト unit test
総合テスト integration test
スクラム scrum

【ケース別の例文集】

・進捗報告の例

I am currently having a blocker handling some data on the browser, which is taking time. I will be talking to a colleague to unblock me today. I plan to deliver this in two days.

現在、ブラウザ上でのデータ処理に問題があり、時間が必要です。この問題を解決してくれるよう、今日中に同僚に相談します。2日後にはこれは完了している予定です。

 

・ビジネスメールの例

Dear Mr. Lee,

Thank you for sending over the analysis data. I reviewed those files, and I’d like to ask you some questions below.

・When is the deadline of Project X?

・Do you have the original data files used to build the Risk Analysis in File X?

・How is the unit test progressing?

Also, would you be available to discuss some new data online next week? Please let me know when you can by tomorrow evening.

Thanks,

Tanaka

000-0000-0000

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Leeさん

分析データの添付、誠にありがとうございます。それらのファイルを確認しました。以下にいくつかの点について質問させていただきます。

・プロジェクトXの締め切りはいつでしょうか?

・Xファイル上のリスク分析の作成に用いた、元のデータファイルはお持ちですか?

・単体テストの進捗はどうでしょうか?

また、来週オンラインで新たなデータのディスカッションをすることは可能でしょうか?明日の夜までに可能であるかお伝えいただきたいです。

よろしくお願いいたします。

田中

 

・障害発生時の例

  1. A failure has occurred in Application X. This system failure affects the user in ****. This obstacle has not yet been identified in Application Y. The cause is currently under investigation.
    アプリケーションXで障害が発生しました。このシステム障害は****上でユーザーに影響します。この障害はアプリケーションYではまだ確認されていません。現在原因の調査中です。
  2. In a recent incident, the prompt acknowledgment of the system interruptions and clear communication regarding the steps being taken to address the issue led to minimal outages in operations and a positive review from stakeholders.
    最近のインシデントにおいて、システムの中断を迅速に認識し、問題に対処するための措置について明確なコミュニケーションをとった結果、業務の中断は最小限にとどまり、ステークホルダーからの好意的な評価につながりました。

ITエンジニアのための効果的な3つの英語学習法

英語学習用の本の画像。

ITエンジニアにとって、英語力はキャリアアップのための重要な鍵です。しかし、効果的な学習方法を知らなければ、時間と労力が無駄になってしまいます。そこで今回は、実践性・効率性・継続性の側面から、ITエンジニアに効果的な英語学習を3つご紹介します。これらの学習方法を実践することで、ITエンジニアが仕事で実践できる英語力をより効率的に向上させ、活躍の場を広げることができるでしょう。

1.オンライン英会話

オンライン英会話スクールの中には、IT業界に特化したレッスンプランが用意されており、プログラミング言語特有の用語やソフトウェア開発に関する表現を、ネイティブ講師との会話を通じて自然に習得することも可能です。また、ビジネスにおける実際の業務を想定した環境で学べるため、GitHubでのコードレビューやクライアントとの技術ミーティングで必要な英語表現等を、最短で効率的に身につけることができます。

IT分野に特化したコースを選べる!ITエンジニアにおすすめのオンライン英会話スクール

2.英語の技術文献・メディア

英語の技術文献やメディアは、ITエンジニアの英語力と専門知識を同時にスキルアップさせるのに効果的な学習教材です。GitHubのREADMEファイルやStack Overflowの投稿、海外のAI技術ブログなど、実務に直接関わるサブジェクトを扱う文献を読み込むことで、自然とIT業界で使用される英語表現や専門用語の習得につながります。さらに、海外テックメディアを英語で読む習慣をつけることは、最新のプログラミング言語やフレームワークの動向をはじめとする、グローバルなIT業界のトレンドを知ることにもなります。これらの教材は無料で利用できるものが多くため、日々の業務の中で継続的に学習を進められる点も大きなポイントです。

ITエンジニアにおすすめの英語の技術文献&メディア

3.英語学習アプリ

英語学習アプリは隙間時間を活用して、英語初心者の英語彙力を向上させるのにぴったりのツールです。最新のアプリでは、AIを活用した発音チェック機能や、ゲーミフィケーションによる学習継続支援など、モチベーションを維持しながら学べる工夫が施されています。また、通勤時や休憩時間など、スマートフォンさえあれば学習を進められるため、手軽に英語学習を進めたいITエンジニアにおすすめの学習法です。多くのアプリが無料版を提供しているため、まずは試用して自分に合ったものを選ぶことをおすすめします。

ITエンジニア向けおすすめ英語学習アプリ

英語習得までの時間目安

カレンダーで予定を立てる人の画像。

ITエンジニアが業務で必要な英語力をTOEIC700点に設定した場合、ヨーロッパ共通言語参照枠「CEFR」の最下位レベルである「A1」保持者がこのレベルに到達するまで、平均して1年から1年半の期間が必要と予測されます。

TOEICの運営元であるIIBCや、英検の運営元である日本英語検定協会では、資格習得までにかかる具体的な時間の目安は開示していません。あくまで設定された期間は、毎日1〜2時間学習した場合の目安です。一方で、プログラミングの実務経験がある方は、すでに英語の技術用語に馴染みがあるため、学習効率が高まる傾向にあります。学習の初期段階では、基礎英文法とビジネス英単語の習得(約3~4ヵ月間)、その後は英語でのコミュニケーションスキルの向上(約6〜8ヵ月間)、最後に実践的なスキル強化(約2〜3ヵ月間)を要するロードマップがおすすめです。ただし、この期間は個人の学習環境や取り組み方によるため、やる気次第では、より短期間での英語力アップも期待できるでしょう。

おすすめ英語学習ロードマップ
1~4ヵ月目 5~12ヵ月目 13~15ヵ月目
基礎英文法+ビジネス英単語の習得 英語でのコミュニケーションスキルの向上 実践的なスキル強化

ITエンジニアの英語力活用方法

自由な働き方をしている人の画像。

前述したように、スキルアップを望んでいるITエンジニアにとって、英語は最大の武器になります。その理由の一つに、グローバルなプロジェクトに参加するチャンスを得られることが挙げられます。

例えば、フリーランスのITエンジニアになり、IT業界最大手のアメリカ企業のプロジェクトで経験を積むことも可能です。また、グローバルな案件では経験値を詰めるだけでなく、年収アップも期待できます。グローバルな案件を見つけるには、主に海外のフリーランス向けプラットフォームの活用が効果的です。upworkFreelancerLinkedInなどの大手プラットフォームでは、世界中の企業から多様な案件が日々投稿されており、日本からリモートワークでの参画も可能です。さらに、国内の大手IT企業でもグローバルプロジェクトを多く手がけており、フリーランスエンジニアの採用を積極的に行っています。海外案件に挑戦する際は、まず英語力と技術力を証明できるポートフォリオの準備から始めることが重要です。

Upwork

【基本サービス情報】

  • 料金:無料
  • レベル:フリーランス初心者~ベテランエキスパート
  • 必須要件:なし
  • その他の特徴:単発案件が多い/案件の応募~報酬の受け取りまで一貫したサービスを提供

「Upwork」は、企業規模に問わず、プロジェクトに必要なフリーランス人材を世界中からアサインするプラットホームです。

フリーランサーは、プロジェクトへの応募、クライアントとの面接、メッセージのやり取り、ビデオチャット、報酬の受け取りなど、全工程をUpwork内で完結できます。Upworkは、初めてフリーランスに挑戦する人から、フルタイムでキャリアを確立したベテランのエキスパートまで、様々な利用者に対応しています。週に数時間の副業で稼ぎたい人も、フルタイムのフリーランスに移行したい人も活用することが可能です。

 

【利用の流れ】

  1. プロフィール作成
  2. 「Conects」を稼ぐ
  3. 参画したいプロジェクトを探す
  4. クライアントがフリーランサーを選択
  5. フリーランサーがプロジェクトを納品
  6. クライアントが納品物をチェック
  7. 報酬を受け取る

まず初めに、あなたの職務経歴、スキル、資格を入れ込んだプロファイルを作成します。次に、「Connects」と呼ばれるポイントを稼ぎましょう。「Connects」とは、Upwork独自のポイントで、フリーランサーはこれを利用して、プロジェクトの応募や自分の提案を上位に表示させることが可能になります。その後、興味のあるプロジェクトを見つけたら、「提案書」を提出し、クライアントがあなたとの契約を承諾すれば、無事プロジェクト参画となります。

 

【こんな人におすすめ】

「Upwork」は1回限りで終わる単発の小さな案件からスタートできるのが特長です。隙間で取り組める案件を探している人や、フリーランサーとしてキャリアを始めたばかりの人に特におすすめのサービスです。また、プロフィールのレビュー欄が案件獲得に深く関わってくるため、高レビューをゲットすることが得意な人はタスクの獲得がしやすいともいえます。また、Upworkに登録している米国人フリーランサーの1/3以上は時給50ドル以上を稼いでいることから、高額案件に興味がある人にもおすすめです。

Freelancer

【基本サービス情報】

  • 料金:無料
  • レベル:フリーランス経験者~ベテランエキスパート
  • 必須要件:なし
  • その他の特徴:手数料が安価/ユーザー数・プロジェクト数が圧倒的に多い/39種類以上の通貨で支払いが可能

「Freelancer」は、ユーザー数とプロジェクト数共に世界最大規模の、オーストラリアに拠点を置くクラウドソーシングサイトです。2025年時点で、世界247ヵ国以上 / 7,900万人以上の登録者を保持しています。主に、ソフトウェア開発、ライティング、データ入力、デザインからエンジニアリング、科学、営業、マーケティング、会計、法律サービスの分野で仕事をするフリーランサーが活躍しています。

 

【利用の流れ】

  1. プロフィール作成
  2. 参画したいプロジェクトを探す
  3. クライアントへ提案書を提出
  4. 雇用される
  5. アワードを受けて収益を得る

Freelancerの利用手順はいたってシンプルです。公式HPには案件獲得のコツとして、自身のプロフィールにサンプルをアップロードする際に量ではなく質を重視すること、プロジェクト説明を熟読してクライアントが求めていることを深く理解した上で提案書を提出することを挙げています。

 

【こんな人におすすめ】

Freelancerはユーザー数が多いため、英語力とスキルのどちらも持ち合わせ、他のフリーランサーから案件を勝ち取れる自信がある人に適しています。例えば、「Preffered Freelancer」という必要なスキルと豊富な経験に富んだフリーランサーの上位3%に値するエキスパート専用のプログラムなどがあるため、経験値を持ったフリーランサーにおすすめのサービスです。Freelancerの特長として、時給制の場合10%、固定価格制の場合10%もしくは$5(どちらか数値の大きい方)()と他のフリーランサー向けサービスよりも手数料が安価な点が挙げられます。そのため、日常的にフリーランサーとして生計を立てたい方に特におすすめです。

※Freelancer 〈手数料とその他費用〉

LinkedIn

【基本サービス情報】

  • 料金:無料
  • レベル:フリーランス初心者~ベテランエキスパート
  • 必須要件:なし
  • その他の特徴:リクルーターから直接案件を紹介してもらえる/情報共有が活発/人脈づくりが可能

「LinkedIn」は2003年に設立された世界最大のプロフェッショナルネットワークプラットフォームで、世界200ヵ国以上に10億人を超える登録メンバーが仕事やキャリアに関する情報を交換しています。LinkedInの強みとして、業界ニュースや専門的な情報共有が活発な点や、フォロー機能によって、興味のあるグローバル企業の採用担当者と直接コネクションを構築できる点などがあります。

 

【利用の流れ】

  1. プロフィ-ル作成
  2. リクルーターからオファーメッセージを受信
  3. 契約
  4. Paypalなどの外部サービスから給与受け取り

前述したUpworkやFreelancerとLinkedInの大きな違いとして、LinkedInを通じて、海外企業のリクルーターがフリーランス案件を紹介する形態であることが挙げられます。そのため契約は基本的に、フリーランサーとプロジェクトを掲載した企業との間で結締されるケースが多いです。

 

【こんな人におすすめ】

LinkedInでは、過去に大手IT企業での就業経験や、オープンソースプロジェクトへの貢献実績があるなど、経験を積んだフリーランサーはリクルーターからのオファーを得やすいです。また、積極的に人脈を広げていきたい、リクルーターからオファーを受け取りたい、業界ニュースのinputやoutputをしたいフリーランサーなどにおすすめのサービスです。

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