【2025年1月更新】システムエンジニア(SE)の平均年収は?年代・企業規模別に相場を解説
IT技術を専門に扱うシステムエンジニアは高年収が期待できる職種です。しかし年代や企業規模、都道府県別でも、システムエンジニアの平均年収は大きな差があります。 この記事ではさまざまな角度から平均年収や年収相場を取り上げるとともに、年収アップのコツもご紹介します。 既にシステムエンジニアとして従事している方も、今後のキャリアを考えるにあたってぜひ参考にしてみてください。

システムエンジニアの平均年収
厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査(※)」によると、システムエンジニア(基盤システム)の平均年収は約684万円、のシステムエンジニア(業務用システム)の平均年収は約557万円でした。労働者全体の平均年収が約350万円であることを踏まえると、システムエンジニアの平均年収は高額と言えます。
平均年収が高い背景には、最新スキルの習得が求められることだけでなく、IT人材不足も一因と考えられます。経済産業省とみずほ情報総研は、令和元年(2019年)に、「2030年にはIT人材が最大で79万人不足する」という予測を立てており、この傾向は今後も続いていくと思われます。
※参考:令和5年賃金構造基本統計調査
「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 の
「きまって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与」にて算出
システムエンジニア(基盤システム)は「システムコンサルタント・設計者」より、システムエンジニア(業務用システム)は「ソフトウェア作成者 」より抽出。
SEの条件別年収【企業規模・年代・地域】
システムエンジニアの年収は、主に下記の要素で決まります。
- 経験年数(年代別)
- 企業規模
- 勤務地
年収年収水準と自分の年収を比較する際には、単純に数字だけ比べるのではなく、自分の現在の状況と比較しながら確認してみましょう。
システムエンジニアの年代別平均年収
次に年代別にシステムエンジニアの平均年収をまとめました。平均年収は各年代の前半と後半で、下記の通りです。
システムエンジニアは年収の上がり幅が比較的大きく、同じ20代の中でも20代前半と20代後半では平均年収額が140万円ほどの差があります。最も平均年収額が高い40代後半においては、平均年収額が最も低い20歳未満と比較して、約2.8倍の500万円ほど増加していることもわかります。
年代 | 平均年収 |
20歳未満 | 約271万円 |
20代前半 | 約376万円 |
20代後半 | 約514万円 |
30代前半 | 約647万円 |
30代後半 | 約730万円 |
40代前半 | 約738万円 |
40代後半 | 約760万円 |
50代前半 | 約735万円 |
50代後半 | 約691万円 |
システムエンジニアは勤続年数が長くなるに伴って、業務範囲が広がっていきます。クライアントニーズのヒアリング及び要件定義、運用・保守など、クライアントに近い上流業務が増えていきます。そのほかにも、専門技術を極めることでスペシャリストになったり、プログラミングチームの統括をするようになったりするケースも多いです。
また、長く勤続するなかで他業界のプロジェクトを経験することも多いため、製造業、サービス業といった様々な業種の知識を獲得できます。こうした知識を期待して年収が高くなることもあるでしょう。年齢・スキルを積み重ねるにしたがって年収がアップするのはどの業界も同じですが、システムエンジニアの場合はその傾向が平均年収額に顕著に表れています。
※参考:令和4年賃金構造基本統計調査
「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」システムコンサルタント・設計者 企業規模計(10人以上)より算出
システムエンジニアの企業規模別平均年収
企業規模別の平均年収を見てみます。「令和4年賃金構造基本統計調査」では、従業員の人数を元に統計が取られていて、企業規模が大きい(従業員の人数が多い)ほど平均年収も比較的高くなります。
企業規模 | 平均年収 |
従業員1000人以上 | 約748万円 |
従業員100~999人 | 約646万円 |
従業員10~99人 | 約678万円 |
企業にもよりますが、ITのプロジェクトは規模が大きい企業ほど、クライアントと直接やりとりをしてプロジェクトを進める傾向にあります。一方で規模の小さい企業は、クライアントと開発を行う企業の間に、さらに仲介する企業が入る場合があります。
つまり、開発を行う企業は、いわゆる「孫請け」という状態です。孫請けの場合には、全体の売上金額から仲介する企業にマージンが入るため、孫請けの会社の売上金額が減少します。この構造が、企業規模ごとのシステムエンジニアの平均年収調査にもあらわれていると見ることができます。
※参考:令和5年賃金構造基本統計調査
「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」システムコンサルタント・設計者 より算出
システムエンジニアの都道府県別平均年収
平均年収の高い上位10県は、下記の通りです。システムエンジニアは都市部だけではなく、地方でも求められていると言えます。
地域 | 平均年収 |
栃木県 | 約789万円 |
神奈川県 | 約755万円 |
兵庫県 | 約742万円 |
静岡県 | 約742万円 |
長野県 | 約740万円 |
鹿児島県 | 約737万円 |
宮城県 | 約688万円 |
千葉県 | 約687万円 |
東京都県 | 約673万円 |
香川県 | 約667万円 |
年収アップを狙って転職する場合は、地域によって平均年収額が大きく異なることを踏まえ、遠方への移住も含めて企業を検討すると良いでしょう。テレワークが普及している昨今においては、就労条件次第で地方在住でも都市部の案件を受注できます。住居費などのコストなどを抑えられるメリットもあるのでおすすめです。
フリーランスエンジニアの案件紹介サービスTECH STOCKには、テレワーク対応の案件が多数ございます。スキルや希望にマッチする案件をご紹介、即アサインも可能です。フリーランスになって働き方を変えるならTECH STOCKにお任せください。
※参考:令和5年賃金構造基本統計調査
「都道府県、職種(特掲)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)(役職者を除く)」
※システムコンサルタント・設計者の統計がない都道府県もあります。
システムエンジニアが年収を上げる方法
システムエンジニアとして年収上げるためには、自身の市場価値を上げていくことが不可欠です。プログラミングだけでなくネットワークやデータベースなどの高い知識・スキルを獲得することで、年収アップを見込めるでしょう。
一方で、IT業界という流行り廃りが早い業界において、知識・スキルをアップデートしていくことは「義務」と言っても過言ではないほど、当たり前に求められる姿勢でもあります。
ここでは以下の4つのキャリアを想定して、年収をどのようにあげていけばよいのかを解説していきます。
- 社内でキャリアアップしていく
- 別の職種にキャリアチェンジする
- 転職して職場環境を変える
- フリーランスという働き方を選択する
社内でキャリアアップしていく
システムエンジニアからさらに上流工程を狙っていくキャリアアップで、年収アップを狙えます。たとえばプロジェクトマネージャがそのひとつです。プロジェクトマネージャはクライアントとの交渉やプロジェクト実行計画の作成・予算・要員・進捗の管理などを担う、プロジェクトチームの責任者です。
管理職としてのスキルを求められる一方で、企画立案やシステム設計などシステムエンジニアで培った経験が活かせます。業務の幅が広がる分、年収のアップが見込めるでしょう。
ITエンジニアとしてキャリアアップしたくても、具体的にどのような行動をすれば実現するかわからないと悩む方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ITエンジニアがキャリアアップするための具体的な行動と事例について解説します。
TECH STOCKでは、フリーランスのセルフブランディングについて解説する資料を配布しています。他のエンジニアとの差別化やクライアントへのアピール力向上に不安を抱えている方はぜひご覧ください。
別の職種にキャリアチェンジする
キャリアチェンジとして、データベースやネットワークなど専門性を磨いていくのも年収アップの手です。専門的なスキルのある人材は不足傾向にあるため、雇用する側の企業によっては高額の年収が用意されています。
また近年で特に不足している職種といえば、データサイエンティストです。他にも情報セキュリティを担うセキュリティエンジニア、AIに関わるAIエンジニアなども求められています。人材不足となっている職種にチャレンジすると、豊富な求人から適したものを選べるでしょう。
職種 | 平均年収 | 案件 |
SE/プログラマ | 413万円 | 案件を見る |
スマホアプリ/ネイティブアプリ系エンジニア | 426万円 | 案件を見る |
制御系ソフトウェア開発 | 428万円 | 案件を見る |
プロジェクトマネジャー | 686万円 | 案件を見る |
ITコンサルタント | 590万円 | 案件を見る |
データサイエンティスト | 513万円 | 案件を見る |
サーバーエンジニア | 453万円 | 案件を見る |
ネットワークエンジニア | 436万円 | 案件を見る |
データベースエンジニア | 403万円 | 案件を見る |
運用/監視/保守 | 364万円 | 案件を見る |
Webデザイナー | 361万円 | 案件を見る |
※参考:日本のビジネスパーソンの平均年収は?平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】 |転職ならdoda(デューダ)
IoT/AI/Fintech等による技術革新は従来にないスピードで進行しており、これら技術革新は「第4次産業革命」とも表現されています。日本においても当該時技術革新を産業・生活に取り入れることで、「Society5.0」※を世界に先駆けて実現していくことを目指しています。 (※Society5.0:仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(内閣府HPより))
それでは、新たな技術革新により、従来のIT技術は淘汰されていくのでしょうか?いいえ、日本は技術ありきの経営よりも、お客様目線のサービスありきの経営が根強い傾向がありますし、ドラスティックな技術要素は企業としても設備投資が追いつかないため、新たな技術要素へはゆるやかな変遷となり、当面は従来型IT技術との融合型になると予想されます。
また、従来型のIT技術は既に重要な経営基盤ともなっていることから、従来型IT人材はまだまだ必要とされることでしょう。ここでは、従来型ITのキャリアパスを整理してみようと思います。
TECH STOCKでは、フリーランスのセルフブランディングについて解説する資料を配布しています。他のエンジニアとの差別化やクライアントへのアピール力向上に不安を抱えている方はぜひご覧ください。
転職して職場環境を変える
年収アップを第一目標とするなら、大企業や平均年収額の高い都道府県の企業を狙っていくのが効率的な戦略となります。転職にあたっては、「転職サイトで自ら探す」「知人に紹介してもらう」「転職エージェントに登録して企業を紹介してもらう」という手があります。転職エージェントの利用は、自分で探す場合には見つからない「非公開」の求人を取り扱っているため、さらに年収の高い企業を見つけられるでしょう。
フリーランスという働き方を選択する
フリーランスとして独立する方法もあります。事務作業や確定申告などシステム開発以外の業務が新たに加わるものの、自分のスキル次第で報酬を上げられるのがフリーランスのメリットです。年収アップのためにどの分野の案件を選ぶべきか、どの地域の企業がよいか、というように、会社員としては難しいであろう検討も、フリーランスとして独立していれば可能です。
フリーランスとして独立する場合、はじめはクラウドソーシングや知人からの紹介などで実績を作っていくことになるでしょう。その後の選択肢としては様々存在しますが、営業活動を自ら行うのであればSNSで発信を行ったりエンジニアの勉強会・イベントに参加したりと、人脈を広げることが求められます。もしも営業活動をするのが苦手なのであれば、案件紹介をしてくれるエージェントに登録することで案件を継続的に受注できる環境を整えることが可能です。
TECH STOCKはフリーランス・ITエンジニアの方に案件をご紹介して20年目、全登録者41,000名以上の案件紹介サービスです。スキルや希望にマッチする案件をご紹介するだけでなく、税理士や社労士の紹介、業界最速水準の翌月15日払い、アサイン後のフォローアップなど、案件紹介以外のフォローも充実しております。
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システムエンジニアとしての市場価値を高めるスキル
システムエンジニアの年収を上げていくためには、市場価値を高めることが必須です。ここでは、システムエンジニアとしての市場価値を高めるために、どのようなスキルを身につければ良いのかを解説します。
上流工程に関わるスキルを身に着ける
IT業界は多重下請け構造になっているため、上流工程になるほど給料は上がっていきます。そのため、システムエンジニアとしての市場価値を高めるには、上流工程にかかわるスキルを身につける必要があります。
システム開発は基本的に、6つほどの工程に分かれていますが、この前半部分を行うのが上流工程です。具体的には、要件定義や基本設計、外部設計のことを指します。これらの工程では、クライアントにヒアリングをし、どのようなシステムを作っていくのか決めていきます。
上流工程は製作作業というよりも、考える作業がメインになってきます。そのためシステム開発の知識だけでなく、コミュニケーション能力や技術者たちをまとめるマネジメント能力など、多岐にわたるスキルが求められます。
注目を集めるIT技術・スキルを身に着ける
システムエンジニアの中でも、複数スキルを身につけることで市場価値の向上につながります。プログラム言語だけでなく、サーバー・インフラ周り、データベースなど複数のスキルを一人でこなせれば、企業としては何人も雇う必要がありません。
とくに、需要が高いAI、VR、ブロックチェーン、クラウド、データサイエンスなどのスキルを身につければ、より市場価値は高まるでしょう。
大手企業のAmazonやMicrosoft、Googleなどがクラウドコンピューティングサービスを提供するなど、世界中でクラウドの活用が広がっています。このような背景に伴って、クラウドを活用できる技術者の需要も高まっているため、新たにクラウドを学びたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これからクラウドエンジニアとして活躍を目指すなら、資格試験を通してクラウドを勉強するのがおすすめです。この記事では、クラウドの基礎知識や代表的な技術やクラウドの学習におすすめの資格試験と勉強方法などをご紹介します。
これからクラウドについて学びたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
資格を取得する
キャリアアップ、転職、独立などいずれの場合でも、資格を保有しておくと採用や案件獲得に有利です。特に国の資格は広く知られているため、人材採用を行う人やクライアントの立場としては、そのシステムエンジニアの実力を測りやすくなります。
システムエンジニアがとっておきたい資格をご紹介します。いずれも経済産業省が所管となっている情報処理推進機構(IPA)が行っており、他の民間の資格よりも広く知られているものです。
基本情報技術者試験(上期・下期実施)
IT全般に関して基本的な知識や技能を持っていることを証明する資格です。システムエンジニアにとっては早い段階で取得しておきたい資格です。
※参考:基本情報技術者試験
応用情報技術者試験(春期・秋期実施)
基本情報処理技術者試験よりもさらに高度な資格で、高度IT人材となるために必要な応用的な知識・技能を持っていることを証明する資格です。
※参考:応用情報技術者試験
データベーススペシャリスト試験(秋期実施)
データベースに関する専門的な知識・技術を保有し、活用できることを証明します。高度IT人材が対象とされており、データベースに関する技術を持つシステムエンジニアも取得しておきたい資格です。
※参考:データベーススペシャリスト試験
システムアーキテクト試験(春期実施)
こちらも高度IT人材と見なされる資格です。組み込みシステムやIoTを利用したシステムに関する知識を有し、開発の主導となる人が対象。IoTやAIなどの最新技術を含めた、組み込みシステムに関する事項が私見の出題範囲となっています。
※参考:システムアーキテクト試験
プロジェクトマネージャ試験(秋期実施)
システム開発プロジェクトにおけるマネジメント業務を行えることを証明する資格です。ITの専門的な知識を持ちながらプロジェクトを推進する職種として、試験範囲も幅広いものとなります。
※参考:プロジェクトマネージャ試験
まとめ|システムエンジニアは年収を上げやすい職種
システムエンジニアは、企業規模やスキル次第で高年収を期待できる職種です。IT業界は当面人材不足が続く見込みで、システムエンジニアにとってはある程度求人を厳選できる、売り手市場の状況です。キャリアアップを考えている場合は、企業規模や地域を踏まえて、他企業の年収がどれくらいか調査してみるとよいのではないでしょうか。
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専門的知識が必要な分、高年収も期待できるシステムエンジニア。既にシステムエンジニアとしてキャリアを積んでいる方ならフリーランス転向で、さらなる年収アップを実現できる可能性もありますので、キャリアの選択肢の1つとしてご検討ください。