カスタマーエンジニア(CE)の仕事って?需要・年収を踏まえて徹底解説!
「IT業界で働きたい!」と思った人がすぐ思いつくのがSEと呼ばれる「システムエンジニア」という職種です。しかしITのエンジニアにも様々なジャンルがあることをご存知でしょうか?エンジニアはどれも専門性が高い仕事ですが、今回は「カスタマーエンジニア」の仕事について詳しくご紹介いたします。

カスタマーエンジニア(CE)とは
カスタマーエンジニア(CE)とは、ITインフラ、サービス、システムの保守・点検・修理を行うプロフェッショナルのことです。今は情報社会であり、どの会社や役所でもパソコンを使ってITインフラ、サービス、システムを利用するのが当たり前です。しかしこうしたシステムを安定的に稼働させるためには、専門知識を持った人材のサポートが必要です。
ユーザーの困り事の相談やシステムの使い方のサポート、またトラブルが生じた際の迅速な対応が主な業務になります。客先に常駐したり、顧客の依頼があった場合に対応するケースもあります。ハードウェアだけでなくソフトウェアのサポートをするカスタマーエンジニアもいる為、仕事内容は幅広く専門知識も必要になります。
カスタマーエンジニアの仕事内容
カスタマーエンジニアの仕事内容は、大きく4つあります。
設置する機器の選定
顧客がITサービスやシステムを新たに導入する為には、見合った機器を選定する必要があります。顧客が求める要望に対して最善の効果を発揮する事ができ、また不要な機能も極力ない方が良いです。費用や事業規模などあらゆる要素との兼ね合いも考えて、最も適した機器を提案する事が大切です。
機器の設置
機器が決まれば、客先へ設置をする必要があります。設置するハードウェアに対しての知識は当然ですが、ネットワークやサーバーなどITインフラに関する最低限の知識も持っている必要があります。 客先へ設置する場所も様々なので、よく顧客と打ち合わせをしてから決める事が重要です。
最近ではサーバーをデータセンターと呼ばれる施設に入れるケースも多い為、あらゆる条件や状況を想定しておかなければなりません。またこうしたIT機器は精密機械なので、なるべく関係者以外は立入り出来ない所に置くなどセキュリティに対しての配慮も必要でしょう。
導入サポート
新しいシステムなどをスタートさせる為には、導入に向けた準備が必要になります。また顧客は新しいサービスやアプリケーションが導入されたからといって、すぐに使いこなせる訳ではありません。
こうした準備や環境構築、データやアプリケーションの初期設定などをサポートするのもカスタマーエンジニアの役割です。システムがリリースされてからユーザーが困らないように、説明や教育も行います。
保守・点検
システムの運用が始まってからは、設置した機器に不具合が生じた場合や障害・バグが発生した際に修正などの対応を行います。ユーザーの元に常駐しながら保守するパターンや、必要に応じて伺うパターンがあります。他の機器との連携やバージョンアップなどが発生した際にも作業が発生する事があります。
カスタマーエンジニアの働き方
カスタマーエンジニアは、客先のハードウェアやシステムがきちんと動作しているかを確認するために、担当エリアを巡回訪問することが多いです。担当によっては出張や、客先へ常駐する場合もあります。
急なトラブル以外は、土日祝日休みがとれる安定したリズムで働けます。ただし顧客の要望によっては、休日の対応や夜勤などが求められる場合もあります。また、ある程度経験を重ねたカスタマーエンジニアの中には、フリーランスとして独立する方も一定数いらっしゃいます。
システムエンジニア(SE)との違い
システムエンジニアの仕事は、企業や団体が使用するシステムの要件定義・システム設計、場合によっては開発やテストなども行います。プログラミングは基本的にはプログラマーの仕事ですが、システムエンジニアが一貫して担当する事もあります。他にもユーザーとの打ち合わせを行いスケジュール管理やプロジェクトメンバーのサポートなど、業務は多岐に渡ります。
カスタマーエンジニアとシステムエンジニアの違いは、システムエンジニアはシステムを構築する事が主な業務です。インフラ関連を整備したり、アプリケーションを開発する作業が中心になります。一方でカスタマーエンジニアは出来上がったシステムを顧客が使えるように導入サポート、または保守する事が主な業務です。システムエンジニアがシステムを構築し、カスタマーエンジニアは構築されたシステムが搭載されたハードウェアなどを顧客に導入していきます。
カスタマーエンジニアの将来性
カスタマーエンジニアの仕事内容や求められるスキルなどをご紹介してきましたが、カスタマーエンジニアの実際の需要や年収はどのようになっているのでしょうか。またシステムエンジニアなどの職種と比べるとどのような違いがあるのかなどもご紹介いたします。
カスタマーエンジニアの業界動向
カスタマーエンジニアの主要な業務の中に、ハードウェアの保守点検があります。これまではハードウェアはオンプレミスが中心でしたが、近年はより運用コストが低いクラウド型へと移行しています。またAIの発達によって、今後カスタマーエンジニアが担う業務も自動化されるのではないかという意見もあります。
一方で、すべてのオンプレミスがすぐにクラウドへと入れ替わるわけではありません。またITの人材不足は未だ深刻な状態なため、当面のニーズはあると言えるでしょう。
カスタマーエンジニアの求人数
カスタマーエンジニアという仕事がどのくらい需要があるかを求人サイトindeedの求人数を参考に見てみたいと思います。 東京都のカスタマーエンジニアを条件に検索すると、求人は154件ありました。(2022年3月時点)同じく東京都のシステムエンジニアの検索数は25,851件、東京都のプログラマーの検索数は6,254件です。 (※1)
後者のシステムエンジニアやプログラマーは知名度の高い職種なので、比べるとカスタマーエンジニアの求人は少なく見えます。しかし前述の通り、IT人材はこれからも人材不足が続くのでカスタマーエンジニアの求人が今後増えていく可能性はあります。AIなどITの自動化が進むにつれ、顧客対応業務自体が減っていく懸念もありますが、当面のニーズは高いと考えられるでしょう。
カスタマーエンジニアの年収
画像引用:カスタマーエンジニアの仕事の平均年収は555万円/平均時給は1,603円!給料ナビで詳しく紹介|求人ボックス
カスタマーエンジニアの平均年収は2023年2月の求人ボックスの調査(※1)によると555万円という結果になっています。プロジェクトマネジメントやITアーキテクトなど、より専門的な能力や難しいIT資格が必要な職種に比べると、カスタマーサービスの年収はやや低くなっています。
しかし国税庁の調査(※2)で発表された日本の平均給与、443万円よりも高いです。また、カスタマーエンジニア全体の給与幅は348万円~1,012万円と広く、スキルや年齢、勤務地などで大きな差があることがわかります。
カスタマーエンジニアになるのに必要なスキル・資格
カスタマーエンジニアになる為には、システムエンジニアとは違ったスキルや資格が必要になります。ソフトウェア関連は必須な資格は特にありませんが、ハードウェアを扱う場合は特定の資格が必要になります。
カスタマーエンジニアに求められるスキル
コミュニケーションスキル
顧客と直接やり取りが発生する為コミュニケーション能力が求められます。顧客にITの知識がサッパリないというケースもある為、説明やドキュメントをわかりやすく伝えられる能力や要望にしっかりと応えられる能力が必要になります。
トラブルへの対応能力
カスタマーエンジニアは、導入したシステムやハードウェア、機器などにトラブルが発生した際に対応する業務もあります。そのため、突然のトラブルが発生した場合も冷静に対応できる能力が求められます。
トラブルは状況や機器、環境によって、トラブルの内容や原因はそれぞれ異なります。どんな状況でも臨機応変に対応できる力が必要になります。
製品知識
カスタマーエンジニアには対応する製品の知識が求められます。製品の使い方はもちろん、運用やトラブル発生の際の原因調査のための、深い知識が求められます。また、それぞれの顧客の規模や状況に最適な製品を選んで提案する必要があるため、複数の製品に精通している必要があります。
カスタマーエンジニアに求められる資格
カスタマーエンジニアに求められる資格は、次の2つです。
電気工事に関する資格
電源や通信設備にかかわる機器の導入、電気系統などを取り扱う場合には、「電気工事士」「認定電気工事従事者」「工事担当者」など電気工事に関する資格が求められます。
IT知識に関する資格
IT未経験の場合、一定のIT知識を保有していることをアピールできる資格を持っておくと良いでしょう。IT知識に関する資格は、「ITパスポート」「基本情報技術者試験」などがあります。
カスタマーエンジニアのキャリアパス
カスタマーエンジニアのキャリアパスは、カスタマーエンジニアとして経験と実績を積んでいく方法が一般的です。リーダーや管理職などにつけば年収アップやマネジメント経験を積むことができます。また、スキルを活かしてインフラエンジニアやセールスエンジニアにジョブチェンジをする選択肢もあるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?カスタマーエンジニアはシステムエンジニアと同じく幅広い知識や能力が必要になる為、やりがいのある仕事です。顧客とのコミュニケーション機会なども多い為、人と接する仕事が好きな人には向いているのではないでしょうか。今後カスタマーエンジニアを目指す人に少しでも参考になれば幸いです。
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