Webエンジニアにおすすめの資格20選!勉強方法&身につけるべきスキルも公開
Webエンジニアにとって転職やキャリアアップで重視されるポイントは、スキルや経験です。職務経歴書などで概要は伝えられますが、より詳しいスキルレベルを伝えるには資格の取得が有効な手段となります。もちろん、資格取得のための学習もスキル習得に有用です。
しかしながら、Webエンジニアの業務に関連する資格は非常に多く、どれを選ぶべきか迷うかもしれません。本記事では、Webエンジニアに関係する資格を整理して紹介します。担当分野別におすすめ資格をあげていますので、参考にして頂ければ幸いです。
Webエンジニアに資格は必須なのか?
Webエンジニアにとって資格は必須ではありません。一部の企業ではITエンジニア職種の就職時の条件に資格の保有を条件にしている場合があるものの、実業務は知識やスキルがあれば資格はなくても活躍できます。
本項では、Webエンジニアの仕事内容について再確認し、それでもエンジニアが資格を取得するべきといえる理由についても説明します。
Webエンジニアの仕事内容
Webエンジニアとは、Web技術を用いたシステムやアプリケーション、サービスの開発、運用などに携わるエンジニア職種です。
Webアプリケーションは、フロントエンドとサーバーサイドで構成されます。フロントエンド(クライアントサイド)とは、ユーザーに見えるブラウザ上の表示や動作を担当する部分です。サーバーサイド(バックエンド)は、フロントエンドと通信して検索やデータの登録などの要求に応える処理を担当する部分となります。
それぞれの領域を専門とするエンジニアは、フロントエンドエンジニア、サーバーサイドエンジニアと呼ばれます。両方を兼務する場合やWebデザインの領域も担当するエンジニアもいます。
Webエンジニアは、ユーザーやクライアントの求めるWebアプリケーションの設計、製造、テスト、リリース、運用保守などを行うことが主な仕事です。Webアプリケーションを継続的に改善しリリースを繰り返す場合もあります。
Webエンジニアに必要なスキル
Webエンジニアに必要なスキルは職種により異なる場合もありますが、共通して最低限身に付けて置くべきスキルも存在します。以下では、共通のスキル、サーバーサイド、クライアントサイドごとに必要なスキルを紹介します。
共通してWebエンジニアに必要なスキル
Webエンジニア全体に共通して必要なスキルとしては、プログラミングスキル、システムの開発手法や作業工程のITに関する幅広い見識などです。プログラミングスキルはサーバーサイド、クライアントサイドのどちらを担当するかで身に付けるべきスキルが異なります。
サーバーサイドエンジニアは、主にPHPやJava、Pythonなどの開発スキル、クライアントサイドのエンジニアは主にHTML、CSS、JavaScriptなどが身に付けるべきスキルとなります。
サーバーサイドのエンジニアに必要なスキル
実際の開発現場ではフレームワーク、ライブラリを用いることが多いため、これらのスキルも持っておくべきでしょう。サーバーサイドの扱う言語で用いられるフレームワーク、ライブラリの例としては、Laravel(PHP)、Django(Python)などが挙げられます。
その他にも、サーバーサイドではWebサーバーやクラウドサービスが基盤となるため、業務を進めやすくするためにこれらのインフラ領域の知識も必要です。
クライアントサイドのエンジニアに必要なスキル
サーバーサイド同様にフレームワーク、ライブラリのスキルは必要です。クライアントサイドで扱う言語で用いられるフレームワーク、ライブラリの例としては、React(JavaScript)、Vue.js(JavaScript)などがあります。
また、UI/UXなどの設計スキル、Webデザインに関するスキルも持っておく必要があるでしょう。
プログラマーとしてスキルを証明するためには、資格を取得しても損はないものです。資格取得はスキルアップやキャリアアップにつながるなどのメリットもあり、未経験からでも勉強すれば取得できる資格があります。今回はニーズに合わせたおすすめのプログラミング資格を9選ご紹介します。
エンジニアが資格を取得するべき理由とは
先述の通り、ITエンジニアには免許などはなく、資格も必須ではありません。転職においても推奨要件とされることもありますが、基本的にはスキルと経験や実績が重視される場合が一般的です。
資格取得の目的のひとつとして保有スキルを第三者に伝える要素があります。一度、試験に合格すれば、知識を身につけたことを認定され、どのような相手にも一定レベルのスキルを示すことができるのです。
また、エンジニアとしてのスキルを示すのであれば、ポートフォリオとなるWebサイトを作って提示する方法もあります。流行り廃りもあり、ポートフォリオを更新し続ける必要がありますが、基礎スキルはポートフォリオが古くなっても読み解くことができるでしょう。
さらに資格の取得として、スキルを示すだけでなく、他にも2つの有用な点があります。
まず、エンジニアとして技術的な学習をする際に資格の取得を目標とすることで、学習モチベーションが維持ができることです。目標のない学習を継続することは難しいですが、ターゲットを定めることで学習意欲を保ちやすくなります。
次に、資格取得の学びによって、知識の習得と整理の機会が得られることです。実務から離れて、知識を体系的に習得できることは大きなメリットといえるでしょう。
システムエンジニアとして働くために、必ず資格を取得しなければならないわけではありません。しかし、資格を取得しておくことによって、転職時のアピールポイントとして活用できたり、資格手当や一時金を受け取れる可能性があったりするため、ぜひ取得することをおすすめします。
本記事では、システムエンジニアの資格取得を推奨する理由やおすすめの国家資格・ベンダー資格、エンジニアとして活躍するために身につけておきたいスキルなどについて解説します。
【分野共通&担当領域ごと】Webエンジニアにおすすめの資格20選
Webエンジニアに向けておすすめの資格をより具体的に紹介します。資格にはフロントエンドやバックエンドなどの担当領域ごとに適したものと、全分野で有用な資格があるため、キャリアプランに合わせて取得を検討してみましょう。
フリーランスエンジニアの案件紹介サービスTECH STOCKでは、身に付けている現状のスキルと今後習得すべきスキルを目指したいキャリアに照らし合わせて、最適なキャリアカウンセリングを行います。キャリアのご相談もTECH STOCKにお任せください。
サーバーサイドエンジニアのスキルに関する資格
Webエンジニアのなかでもサーバーサイドエンジニアの場合には、サーバーサイドで利用するプログラミング言語に関する資格や、クラウドやDB、OSなどサーバーサイドの周辺技術に関する資格の取得がおすすめです。
サーバーサイド言語系
サーバーサイドの代表的なプログラミング言語には、Java、Python、PHP、Ruby、C#などがあげられます。それぞれの言語に関する資格試験を紹介します。
汎用的プログラミング言語Javaについての、現在の開発元Oracle社による認定資格試験です。準拠するJavaのLTS(Long Term Support)バージョン(SE8、SE11、SE17)とBronze、Silver、Goldの3つのグレードが設けられています。
本資格の取得により、Javaに関するオフィシャルなスキルと知識の取得、保有を示すことが可能です。
Javaはオブジェクト指向を採用したベーシックなプログラミング言語です。大規模なシステム開発で採用されることが多く、Webエンジニアにとっては活躍の場を広げられる資格となるでしょう。
Javaプログラミング能力認定試験は、株式会社サーティファイが主催しているJavaの基礎知識とプログラミングスキルを測る試験です。1~3級の3つのレベルがあり、オブジェクト指向の理解やプログラム作成能力が問われ、合格することでJavaプログラマーとしてのスキルを客観的に証明できます。
特に1級の試験では、オブジェクト指向に基づく分析・設計(UML)により業務システムの流れを把握していること、変更仕様に従ってプログラムの保守ができることを求められるので難易度が高いです。所持していれば実務能力の証明になるので、就職活動や転職活動で有利に働く可能性が高いでしょう。
Python 3 エンジニア認定基礎試験、実践試験
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会によって運営される、プログラミング言語Pythonに関する資格試験です。基礎レベルの基礎試験と上位の実践試験が提供されており、その他にもデータ分析などのカテゴリの試験があります。
PythonはWebのサーバーサイド言語としての活用に加え、データサイエンスやAI関連での利用の多い言語です。いずれも今後の躍進が期待される分野であり、Webと組み合わせた利用も活発に行われるでしょう。Webエンジニアとしてのスキルとともに、他の分野への足がかりとしても利用できる資格といえます。
PHP技術者認定試験
PHP技術者認定試験は、PHP技術者認定機構(一般社団法人BOSS-CON JAPAN内)により運営されるPHPに関する知識やスキルを認定する資格試験です。
ITSSのスキルレベル1~3に対応した初級、準上級、上級の試験が提供されていますW3Techsの「Usage statistics of server-side programming languages for websites」の調査によると、2024年1月30日時点でWebサイトのサーバーサイド言語としてのPHPのシェアは76.5%を占めています。これは、WordPressをはじめとした代表的なCMSがPHPによって作られていることが大きな理由とされており、今後もPHPがWebでは利用されることのひとつの根拠となります。
本資格の取得により、PHPに関する知識とスキルを示すことができ、PHPを使った案件への適用性の高さを示すことが可能です。
Ruby技術者認定試験
Ruby技術者認定試験は、Rubyの開発元である一般財団法人Rubyアソシエーションが運営する認定資格試験です。Rubyでの開発を行うエンジニア、システム提案を行うコンサルタント、Rubyの講師や学生などに向けた資格であり、技術者としての公平な評価によりシステム開発能力の認定を受けられます。SilverとGoldの2段階で試験を提供しています。
Webアプリケーション開発でもよく利用されるRubyに関する資格であり、Webエンジニアにとっては直接的にスキルを示すことにつながる資格です。Rubyエンジニアとしてのキャリアパスを高めたい場合に有効といえます。
Rails技術者認定試験
Rails技術者認定試験は、Rails技術者認定試験運営委員会(一般社団法人BOSS-CON JAPAN内)による、RubyのWebフレームワークRailsに関するスキルを認定する資格試験です。
RailsとはRuby on Railsを指しており、RubyでのWebアプリケーション開発の生産性を高めるフレームワークです。
Rubyを開発言語に選択する決め手となるほど、高い採用率を誇ります。TECH STOCKに掲載されている2024年1月30日時点でのRubyの案件は143件ですが、そのうち57件は案件情報にRailsというキーワードを含んでいるほどです。
Webエンジニアにとって、Rubyでの開発案件に関わりたい場合にはRuby on Railsの習得は必須レベルのスキルです。本資格の取得は、Rubyでの案件獲得に強い効果を望むことができます。
周辺技術に関する資格
サーバーサイドのアプリケーション開発と関連が深いのが、プラットフォームとしてのクラウドサービスやDBMS、サーバーOSといった技術分野です。以下に、サーバーサイドの周辺技術ともいえる資格試験を紹介します。
AWS認定は、Amazonの提供するクラウドサービスAWSに関する技術スキルと専門知識を認定する資格試験です。提供元による認定資格であり、2022年10月時点で世界中で100万以上のアクティブな認定が存在するメジャーな資格といえます。
資格体系は、FOUNDATIONAL、ASSOCIATE、PROFESSIONALの3つのレベルと、より専門的なSPECIALTYのカテゴリに分類されており、2024年1月30日時点では13種類の試験が提供されています。
Webエンジニアにとって、クラウドサービスは実行基盤として選ばれることが多く、利用機会も多い技術です。そのなかでも、最大手のAWSの資格を持つことで、多くの仕事で役立つことが期待できます。
マイクロソフト認定資格は、マイクロソフト製品に対する知識と技能をレベル別に認定する資格です。さまざまなマイクロソフト製品に関する資格が提供されていますが、Webエンジニアに最も関連深いのはクラウドサービスAzureに関する資格でしょう。
Azureはパブリッククラウド市場でAWSに対抗しうるシェアを持つクラウドサービスであり、他のマイクロソフト製品と合わせてクラウド環境を選択する顧客もいることでしょう。Azureを利用している顧客に対し、技術的な信頼感を得られる資格です。
Google Cloud認定資格は、Google社の提供するクラウドサービスGoogle Cloud Platfromに関する専門知識を実証できる資格試験です。基礎的な認定資格、アソシエイト認定資格、プロフェッショナル認定資格の3つのグレードがあり、段階的にスキルを示せる資格体系を持っています。
Google Cloud Platformは、ビックデータや機械学習に強みを持っています。また、Google社の強力なプラットフォームからリソースを割り当てるため、高負荷処理にも耐えうるサービスです。
WebエンジニアにとってGoogle Cloud Platform認定資格は、機械学習やデータサイエンス領域と接続するWebアプリケーションの開発やGoogle Cloud Platformを採用している顧客に向けて、スキルを示すことのできる資格試験です。キャリアパスに合わせて選択しましょう。
ORACLE MASTERは、商用データベースとしてNo.1のシェア(2024年1月30日時点の情報)を持つOracle Databaseに関するスキルを認定する資格試験です。Oracle社が試験を運営しており、新しいバージョンのOracle Databaseに対応した資格が順次提供されています。Bronze、Silver、Gold、Platinumの4つのグレードがあります。
WebエンジニアのなかでもサーバーサイドエンジニアはRDBMSを扱うこともあるので、その際に一定の知識と利用経験を示せる有意な資格といえます。Oracle Database以外のRDBMSについても、考え方は共通する部分があります。特に開発者向けのOracle Master Silver SQLを取得することで示せるSQLによるデータベース操作スキルは、幅広いWeb開発で通用するスキルです。
サーバーOSとして広く採用されているLinux。Linux Professional InstituteはLinuxをはじめとしたオープンソース開発者のキャリアをサポートするグローバルなNPO団体(特定非営利活動法人)です。
LPICはLinux Professional Instituteにより運営される、グローバル基準のLinux技術者向けのベンダーフリーな認定資格です。180か国以上で実施され、20万以上の認定保持者を持ちます。グレードはLPIC-1からLPIC-3までの3段階で、LPIC-3は専門分野ごとに複数の試験が用意されています。
WebエンジニアはサーバーとしてLinuxを利用する機会があり、その際の操作、利用スキルを示す上でLPICは有用です。アプリ構築だけでなく、サービスのパフォーマンスチューニングやWebサーバーのセットアップなどにも業務を広げたいエンジニアに特におすすめです。
LinuCは、Linuxに関するスキルを示す資格試験で、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンにより運営、認定されます。特色は日本市場でのLinux利用に合わせた試験内容となっていることで、日本国内で活躍するWebエンジニアにとって役立つ資格といえます。LinuCレベル1~3とLinuCシステムアーキテクトの4つのレベルで構成され、段階的なスキル取得に対応しています。
サーバーサイドのWebエンジニアが利用するサーバーOSとしてLinuxは一般的であり、サーバーでの各種操作や環境構築に向けてスキルを示せる資格となります。開発者だけではなく、サービスの管理者や運営者となる場合にも素養を示せる資格です。
大手企業のAmazonやMicrosoft、Googleなどがクラウドコンピューティングサービスを提供するなど、世界中でクラウドの活用が広がっています。このような背景に伴って、クラウドを活用できる技術者の需要も高まっているため、新たにクラウドを学びたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これからクラウドエンジニアとして活躍を目指すなら、資格試験を通してクラウドを勉強するのがおすすめです。この記事では、クラウドの基礎知識や代表的な技術やクラウドの学習におすすめの資格試験と勉強方法などをご紹介します。
これからクラウドについて学びたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
フロントエンドエンジニアのスキルに関する資格
フロントエンドエンジニアには、HTML/CSS/JavaScriptというWebの基礎的な技術に関する資格やWebデザインに関する資格がおすすめです。業務領域と関連深く、スキルレベルを示せる点が大きなメリットです。
Web技術に関する資格
HTML/CSS/JavaScript(およびTypeScript)に関する知識・スキルの保有を示せる資格を紹介します。
Certified Internet Web Professional JavaScript Specialist
CIW JavaScript Specialistは、ベンダーに中立的なIT、Webテクノロジーの教育・認定プログラムを提供する団体による、JavaScriptに関するスキルを認定する資格試験です。グローバルな資格なため、世界標準のJavaScriptスキルを持っていることを示せる資格といえます。
試験は英語で出題されているので、英語の読解力も必要となります。試験に向けた学習では、CIWの提供する学習コースを利用すると効率的です。
フロントエンドで必須のJavaScriptスキルを示せるため、転職やキャリアアップに役立つ資格となります。
HTML5プロフェッショナル認定試験は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが運営、認定する、マークアップに関する技術力と知識を評価する試験です。Level1とLevel2が存在しており、Level1はHTML5とCSS3による最新のマークアップでのWebコンテンツの制作を対象とします。また、Level2ではJavaScriptを用いた動的なコンテンツやWebアプリケーションを作るスキルが試されます。
フロントエンドエンジニアにとっては、直接的にHTML5/CSS3/JavaScriptに関するスキルを証明できる資格です。業務で利用する機会の多い技術ですので、転職やキャリア向上に役立てやすい資格といえます。これからWebエンジニアを目指す場合には、本資格の取得に向けた学習で基礎となる知識が得られます。
TypeScript Certificateは、学習サービスW3Schoolsが提供するTypeSciprtスキルの認定資格です。英語のサービスのため英語の読解力も必要となります。資格取得に向けた学習には、サービス内で学習コンテンツが提供されています。
TypeScriptはJavaScriptの拡張版のプログラミング言語で、大規模開発にも対応していることから、フロントエンドのプログラミング言語のなかでも人気が上昇している言語です。先進的なプロジェクトで採用されるケースが増えており、本資格の取得はWebエンジニアにとっては高度なプロジェクトに挑むための足がかりとなります。
デザイン系
フロントエンドの設計を行う際には、デザイン面も重視されます。Webデザインに関するスキルを示せる資格には、下記があげられます。
Webデザイン技能検定は、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が運営するWebデザインに関する知識と技能を評価する認定試験です。試験に合格することでウェブデザイン技能士の国家検定を受けることができます。
試験は3級から1級までの3つのグレードがあり、いずれのグレードでも筆記試験と実技試験の両方への合格が必要です。ユーザーにとって利用しやすく、デザイン性の高いWebサイトを実現するためのスキルを示せる資格として役立ちます。
Webクリエイター能力認定試験は、W3Cに準拠したマークアップスキルを認定する資格であり、株式会社サーティファイが主催しています。
スタンダードとエキスパートの2つのレベルがあり、エキスパートではレイアウトや色彩設計を用いて、ユーザビリティやアクセシビリティを考慮したWebデザインができることが試されます。
フロントエンドエンジニアにとって基礎ともいえるHTML/CSSおよびJavaScipt(エキスパートのみ)についてのスキルが問われる内容であり、業務において一定レベルのアウトプットができることを証明できる資格です。
ITエンジニア全般に共通するスキルに関する資格
サーバーサイド、フロントエンドという領域やWebエンジニアに限らず、ITエンジニア全般がスキルや知識を示せる資格も存在します。
情報処理技術者試験
情報処理技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営し、経済産業省の認定するITエンジニア向けの国家資格試験です。本項では、基礎から応用までの資格を紹介します。さらに上位の資格も存在しているため、詳しくはIPAのWebサイトを参照ください。
ITパスポートは、ITを業務に利用するすべてのビジネスパーソンに向けたITリテラシーを問う資格試験です。情報処理技術者試験のなかでは、最も難易度が低い試験にあたります。
Webエンジニアにとっては、実務のレベルを示すことのできる資格ではなく、広くIT全般についての知識と素養を持つことを示せる資格です。ITに関する知識をこれから習得したい場合には、第一歩として利用できる資格試験といえます。
基本情報技術者試験は、ITエンジニアのエントリレベルを対象とした国家資格試験です。ITに関する基礎的な知識が広く試験対象に含まれます。
基礎的とはいっても、ハードウェア、ソフトウェア、OS、システム開発、プロジェクトマネジメント、企業のIT戦略など幅広い知識が必要となるため、試験対策が必要となるレベルです。試験範囲にはプログラミングも含まれ、プログラミングスキルも必要とされます。
国内のIT関連資格では非常に知名度が高く、IT系企業では昇給や就職時の条件とされる場合も少なくありません。
Webエンジニアにとっても、ITエンジニアとしてのベースのスキルを示せる資格です。資格取得に向けた学習では、体系的、網羅的にITの知識を学べるためおすすめの資格となります。
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の1ステップ上にあたる資格試験です。名前の通り、技術者として応用レベルの知識とスキルが問われます。
技術から管理、経営まで広範な知識を身につけることができる資格です。基本情報技術者試験を取得したのちに、次のステップとして受験をおすすめする資格です。
資格が役立つシーン
Webエンジニアにとって資格が役立つシーンは、主に次の通りです。
- 就職、転職活動、アサイン時の判断材料
就職や転職、プロジェクトへのアサイン時には、保有スキルを示す必要があります。資格の保有により一定レベルのスキルを示すことが可能です。 - 体系的な知識の習得
Webエンジニアは、技術的な知識の習得を継続的に行う必要があります。資格取得に向けた学習を行うことで、体系的に知識を身につけることが可能です。 - チーム内やクライアントにスキルを示して信頼を得る
開発プロジェクトにおいて、同じチーム内のメンバーやクライアントにスキルを伝える際に、資格保有はわかりやすい基準となります。スキルの保有が伝わることは、業務上の信頼につながるでしょう。
資格を効率よく取得するための学習方法
資格を取得するための学習範囲は、試験ごとにそれぞれ異なりますが、対象範囲が非常に幅広いことも珍しくはありません。限られた時間のなかで、試験への合格に向けて学習するには効率的に学習することが重要です。
効率的に学習する方法として、下記があげられます。
テキスト
試験によっては公式のテキストが指定されている場合があります。この場合は公式テキストに沿った学習が効率的です。
公式サイトの提供するハンズオン、学習コンテンツ
ベンダー試験などでは、試験とハンズオンのコースや学習コンテンツが提供されているケースがあります。これらは効率的に学習しスキルを習得するために用意されているため、積極的に活用してみましょう。
学習サイト、動画
プログラミング言語に関しては、学習サービスや動画による学習も効率的です。ポイントを押さえた資料により、学習をスムーズに進めることができます。
言語や技術に関する資格では、実際に構築、操作することで理解を深める
プログラミング言語や特定技術に関する資格試験に向けた学習では、実際に環境を構築し、構築・操作することで理解が深まります。サンプルコードなどを活用して、手を動かした学習がおすすめです。
資格取得以外でWebエンジニアが向上させたいスキルとは
資格の取得およびそのための学習はスキル向上に役立ちますが、Webエンジニアに求められるすべてのスキルが身につくわけではありません。Webエンジニアが資格取得以外でも向上させておきたいスキルについて紹介します。
コミュニケーションスキル
Webエンジニアに限らず、ITエンジニア全般で重要なのがコミュニケーションスキルです。
Webの開発ではフロントエンドやサーバーサイドと開発領域が分かれており、チームで業務にあたります。そのため、意思の疎通がうまくいかず、アプリケーションの不具合となることもあります。
また、顧客やユーザーという存在ともコミュニケーションを取り合意を積み重ねることが必要です。
プロジェクトマネジメントスキル
ITエンジニアとしてより多くの成果を出すために重要なのがマネジメント業務です。一人の開発者が実施できる作業には限りがあり、より大きな範囲に責任を持つ立場となるには、複数人の業務のマネジメントを行うこととなるためです。
プロジェクトマネジメントに関するスキルや知識は座学だけで身につけるのは難しいため、業務のなかで積極的に取り組み習得することがおすすめです。進捗やインシデントの管理など現状の業務と関連するところから取り組むと良いでしょう。
サーバーレス、API
Webアプリケーション開発で新たに登場し、普及が進む技術としてサーバーレスやWebAPIと呼ばれるものがあります。
WebAPIは、従来Webアプリケーションの一部として用意していた処理を小さく切り出し、Web上のURLへのアクセスを窓口として提供する方法です。また、サーバーレスはクラウドサービス上にWebAPIを用意し、別途Webサーバーを用意せずに利用できるサービスを意味しています。
特にサーバーサイドエンジニアにとっては、利用の機会が増えることが想定される技術です。
Webでのセキュリティに関する知識・スキル
Webは常に外部からのアクセスを受け入れる仕組みのため、サイバー攻撃の危険にさらされています。Webアプリケーションに脆弱性が存在する場合には、情報漏洩やデータの改ざんなどの被害も起きるため、セキュリティ対策も重要な機能です。
Webアプリへのセキュリティ対策には、Web Application Firewall(WAF)などを用いた外部での対策とアプリケーション内の脆弱性を無くすためのセキュアプログラミングなどがあります。これらのセキュリティに関する知識とスキルを持つことで、プロジェクトに大きな貢献をすることが可能です。
まとめ
Webエンジニアにとって資格は必須ではありませんが、継続的な知識習得のためのモチベーションとできることや体系的な知識の習得に向けておすすめの学習方法です。
フロントエンド、サーバーサイドの違いや、主に利用する言語や技術によって適する資格は異なります。自分のキャリアに合致した資格を選択して取得を目指しましょう。