Swiftエンジニアにおすすめの資格とは?資格取得のメリットも
エンジニアの市場価値は、主にスキルや経験によって評価されます。しかし、経験は職務履歴書である程度は伝えられますが、スキルを明確に示すのは簡単ではありません。なぜなら、資料や面接での口頭試問だけでは、自身のスキルを面接官に分かりやすく伝えることが難しいためです。
そのような際に、第三者を通してスキルを証明できる方法として資格の取得があります。特にSwiftエンジニアの場合、Apple社の認定資格App Development with Swiftがスキルを示す資格として有効です。この記事では、Swiftエンジニアに向けて資格取得のメリット、取得のための学習方法などを中心に紹介します。
この記事の監修者
INTLOOP株式会社
TECH STOCK MAGAZINEサイト 監修部
TECH STOCKの運営会社であるINTLOOPで活躍している現役エンジニアで構成された監修部です。各領域の言語・スキルの知見を持ったメンバーが、現場の知見も含めて記事のチェック・監修を行っています。
そもそもSwiftとは
Swiftは、Apple社によって開発されたプログラミング言語の一つです。Swiftエンジニアは、主にこのSwiftを用いたアプリケーションの開発を行います。本章では、Swiftの概要やSwiftエンジニアの仕事内容について解説します。
Swift概要
Swiftは2014年にApple社によって発表されたオープンソースのプログラミング言語です。初心者でも記述しやすいこと、Apple社による学習情報の発信がされているなど、初心者でも始めやすい言語です。
Apple社製品向けのアプリケーションやWebのサーバーサイド処理、SwiftWebUIによるWebのクライアントサイドなどが作成可能です。その中でも、Apple社のデバイス向けのネイティブアプリの作成がメインとなっています。
Swiftエンジニアの仕事内容
Swiftエンジニアの仕事内容は、Swiftを用いたアプリケーションの開発および運用保守です。アプリ開発は要件定義や設計、プログラミング、テストなどの作業工程に分かれており、どの工程を担当するかはプロジェクトによって異なります。
Swiftで作成したアプリが各種のITサービスなどの一環として利用されている場合は、アプリの機能追加や修正、サーバーのメンテナンス、モジュールのリリースなどにも携わります。
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エンジニアが資格の勉強をする一般的なメリット
「学習設定とモチベーションの維持」「体系的な知識の習得」「転職・案件アサイン時などの判断材料になる」と、エンジニアが資格を勉強するメリットには以上のようなものがあります。
エンジニアの評価は経験で決まることが多いため、資格の取得について不安や疑問を感じている方もいるでしょう。そこで、まずはエンジニアが資格を勉強することで得られる上記のメリットについて紹介します。
学習目標の設定とモチベーション維持
プログラミング言語について学習をする際、学習を始めたばかりの時は何を学習すればいいのか、どう学習を進めればよいか分からないことがあると思います。このような場合に資格の取得を目標とすることで、具体的なゴールを定めることが可能になり、学習モチベーションの維持もしやすくなります。
体系的な知識の習得
資格取得のための学習は、参考テキストなどに沿って知識の取得と整理を行うことができるため、知識を体系立てて習得できます。開発で得る知識や経験は実践的かつ有用的ですが、取り扱う範囲に偏りが出てしまう、他の選択肢を知る機会を持てないなどの問題があります。
開発での知識習得と並行して資格の取得のための学習を行うことで、得た知識がどのようなシーンで役立つかを考えられるようになります。
転職・案件アサイン時などの判断材料になる
エンジニアの採用に関しては、基本的にはそれまでどのような案件に携わってきたかや持っているスキルなどを重視する傾向にあり、資格はそれほど重要視されません。
しかし、未経験から転職をする場合、経験でアピールできるポイントがないため、資格を持っていることで意欲のアピールとなる可能性があります。
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Swiftエンジニアにおすすめの資格
Swiftエンジニアが、Swiftやアプリ開発に関するスキルの習得と、スキルを示す際に役立つ資格を紹介します。
App Development with Swift
App Development with Swiftは、2024年12月時点で日本国内でApple社が認定する唯一のSwift、Xcode、App開発ツールに関する資格試験です。株式会社オデッセイコミュニケーションズが日本国内の試験を運営しています。
試験のレベルはCertified UserとAssosiateの2つが提供されており、保有スキルに合わせて受験することが可能です。CBT方式のため、さまざまな試験会場、試験日で受験できます。注意点として、提供されている試験は英語版のみで、日本語版の試験実施は未定です。
UI・UXに関する資格
Swiftでのネイティブアプリ開発において、UIやUXに関する知識・スキルも関連性が高い分野です。関連する資格を保有することで、設計や開発に役立つUI・UXのスキルを示せます。
UX・UIに関わる資格試験のうち、Swiftエンジニアの業務と関連する資格にはUX検定があげられます。UX検定はUXインテリジェンス協会が認定する資格です。UXインテリジェンス協会には日本国内のUX事例を持つ企業が多数会員として参加しており、本資格の有用性の裏付けとなっています。
このほかにも、Webデザイン関連の資格も有用なケースがあります。
情報処理技術者試験
情報処理技術者試験は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営し、経済産業省が認定する国家資格試験です。資格を取得することで、ITエンジニアとしての一般的なスキル保有を示すことができます。技術分野やレベルによりさまざまな試験があり、Swiftエンジニアにおすすめの試験は下記の通りです。
試験区分 | 対象者 |
基本情報技術者試験 | エントリレベルのITエンジニア |
応用情報技術者試験 | 応用レベルのITエンジニア |
システムアーキテクト試験 | 上流工程を担当するITエンジニア |
ITサービスマネージャ試験 | ITサービスの運営者 |
App Development with Swiftとは
Swiftエンジニアにとって直接的にSwift関連のスキルが示せる資格が、Apple社の認定資格App Development with Swiftです。本章ではApp Development with Swiftの概要や勉強方法について、より詳細に紹介します。
試験概要
まずは、下記公式サイトをもとに試験概要を表にまとめました。
参考:App Development with Swift公式サイト
試験実施方式 | CBT試験 |
出題範囲 | 以下のURLを参照 App Development with Swift Certified User(PDF、※ダウンロード設定) App Development with Swift Associate(PDF、※ダウンロード設定) |
合格条件、合格率 | 非公表 |
対象のレベル | App Development with Swift Certified User→基礎レベル App Development with Swift Associate→中級 |
受験までの流れ | 01 試験のお申込み から試験会場、試験日を指定して申し込みます。 02 受験者IDの登録 試験日までに受験者IDの登録を行います。 03 試験当日 指定日時に試験会場で受験します。 下記、3点を持参ください。 ・受験者IDとパスワード ・写真付きの身分証明書 ・受験票 |
合格するための学習方法
続いて、App Development with Swiftに合格するための学習方法を紹介します。試験合格を目標に学習する場合には、公式テキストによる学習がメインではありますが、その他にもSwiftについての理解を深める方法があります。
ここでは、いくつかの代表的な学習方法について紹介します。
公式テキスト
App Development with Swiftの最も基本的な学習方法は、公式のテキストを利用することです。Apple Booksを利用して、下記のテキストに沿って学習します。
- App Development with Swift Certified User
- App Development with Swift Associate
- App Development with Swift Associate(Xcode 13版/日本語)
動作環境については、App Development with Swiftの公式サイトに記載されています。テキストを読むだけでなく、実際にSwiftの動作環境を構築してコードを作成、実行して理解を深めることが必要です。
Swift Playgrounds
Swiftの学習を始める場合には、Swift Playgroundsを利用することでスムーズに取り掛かれます。Swift PlaygroundsはApple社が提供するSwiftを楽しく学べるツールです。Mac、iPad向けが提供されています。
参考:Swift Playgrounds ‐ Apple(日本)
書籍や学習コンテンツの利用
Swiftに関する学習コンテンツにはプログラミング学習を提供するWebサイト、一般書籍や学習コンテンツを利用して学習することも一つの手段でテキストの解説、動画コンテンツなどがあります。こちらも動作環境を用意し、コードの作成と実行を繰り返しながら学習することで理解度を深めることができます。
スクールなどの利用
より効率的に学習したい場合や周囲のサポートを受けて学習したい場合には、スクールを利用することも手段の一つです。コストはかかりますが、実績のあるカリキュラム、講師からサポートを受けることができるなどのメリットがあります。
その他にSwiftエンジニアがプログラミングを学習する方法
エンジニアが資格を取得する利点として、体系的な知識の習得が可能であるということを紹介させていただきました。しかし、エンジニアが言語のスキルを獲得する方法は、その他にも多く存在します。この章では、エンジニアがプログラミング言語のスキルを習得する方法として、以下の3つを紹介します。
- 実践的なアプリケーション開発を行う
- 学習サイトを利用する
- 書籍を利用する
実践的なアプリケーション開発を行う
実際にアプリケーションを開発することで、プログラミングのスキルを習得することができます。以下は、Swiftを例にした簡単な開発のステップです。
プログラミング言語Swiftの習得と統合開発環境Xcodeを利用して、SwiftでmacOSやiOS向けのアプリケーションを実際に作成することが最初のステップです。実際に動作するアプリを作成し、App Storeで配信までを行いましょう。
学習サイトを利用する
学習サイトの利用も、プログラミングのスキルを磨く方法の一つです。エンジニア向けの学習サイトには、Progateやドットインストールなど数多く存在しますが、ここではSwiftに特化した学習サイトを2つ紹介します。
Develop in Swiftシリーズ
Develop in SwiftシリーズはApple社の提供する学習プラットフォームです。各コースで、統合開発環境Xcodeを使用して、主要なコンピューティングの概念、開発の基本などを学ぶことが可能であり、アプリ開発の経験ができます。
Swift Playgrounds
もう少し難易度を下げて学習したい場合は、先の章で上げたSwift Playgroundsがおすすめです。パズルを解きながら、コードの基本を学ぶことができ、その後Appleがデザインしたガイドを見ながら、アプリを構成する要素について学習を行います。
書籍を利用する
続いて、エンジニアがスキルを身に付ける方法は「書籍を購入する」ことです。通販サイトAmazonの評価などを参考に、2つ紹介します。
[増強改訂第3版]Swift実践入門── 直感的な文法と安全性を兼ね備えた言語 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)
著者:石川洋資、西山勇世
出版社:技術評論社
定価:3,608円(税込)
Swiftの仕様と実践的な利用方法を解説した入門書です。Swiftの標準的な機能だけでなく、型の設計指針や非同期処理などについても解説しています。
参考:Swift実践入門── 直感的な文法と安全性を兼ね備えた言語
SwiftUI対応 たった2日でマスターできるiPhoneアプリ開発集中講座 Xcode 15/iOS 17/Swift 5.9対応
著者:藤治仁、小林加奈子、小林由憲
出版社:ソシム
定価:2,860円(税込)
プログラミング未経験だが、アプリを作りたい方向けの参考書です。初心者の方に向けて、開発の手順を分かりやすく解説しており、スキルアップのサポートをしています。
まとめ
Swiftは、Apple社製品向けのアプリ開発が可能なプログラミング言語です。SwiftエンジニアはSwiftを用いたアプリ開発に携わる職種で、Swiftでのアプリ開発のスキル、アプリの配信やサービス運営に関する知識、その他IT全般に関する知識が求められます。
Swiftのスキルを直接示せる資格として、Apple社のApp Development with Swiftがオススメです。エンジニアにとって資格の取得は体系的に知識を得て、就職や転職時や案件獲得などのシーンでスキルを示せるメリットがあります。
App Development with Swiftの取得に向けた学習では、Apple社の公式テキストなどに沿って実際にコードを書いて実行しながら理解を深めていきましょう。
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公式のテキストを読み込むことも良い対策にはなりますが、実際にSwiftの動作環境を構築して実装してみることをおすすめします。そして、時間があればApp Storeでアプリを開発してみましょう。そうすることでSwiftに対する理解が深まりました。また、学習サイトを利用することで効率的に学ぶことができ、合格への近道になったと感じています。