Webエンジニアがフリーランスになるには?年収やメリット、案件獲得方法も解説
今後、Webエンジニアとしてキャリア・年収アップを目指したい方におすすめの働き方に、フリーランスという選択肢があります。しかしながら、フリーランスで活躍する場合には会社員のエンジニアとして働く場合とは違った知識やスキルが必要です。
そこで本記事では、フリーランスのWebエンジニアを目指す方に向け、必要となるスキルや年収、メリット、案件の獲得方法などを紹介します。

この記事の監修者
INTLOOP株式会社
TECH STOCK MAGAZINEサイト 監修部
TECH STOCKの運営会社であるINTLOOPで活躍している現役エンジニアで構成された監修部です。各領域の言語・スキルの知見を持ったメンバーが、現場の知見も含めて記事のチェック・監修を行っています。

フリーランスWebエンジニアの仕事内容
フリーランスのWebエンジニアの主な仕事内容は、Webシステムやサービスの設計、開発、運用保守などです。こちらについては、会社員のエンジニアと大きく変わることはありません。
これらの主業務を行うために仕事を自分で得る必要がある点は、会社員とは違うところです。
フリーランスの働き方は「業務委託契約」か「準委任契約」
フリーランスのWebエンジニアと会社員のエンジニアでは、仕事への関わり方に違いがあります。
会社員のエンジニアの場合は、担当業務として割り当てられた仕事に携わります。特段、契約などは意識する必要はありません。
一方、フリーランスエンジニアの場合には、どのような立場で仕事を受けるかを稼働前に契約として定めることが一般的です。よく取られる契約形態として、請負契約と準委任(SES、System Engineering Service)契約があります。
請負契約とは、請負者の仕事の完成に対し対価を払う契約です。Webエンジニアの場合には、契約範囲にもよるが、成果物の完成に対し責任を負う契約となります。また、契約不適合責任も発生し、成果物の品質に対しての責任や納期もあります。ですが作業の仕方や勤務場所、時間などは発注者に問われないことも特徴です。
一方の準委任(SES)契約とは、仕事の完成ではなく受託業務の遂行に伴い対価を払う契約です。この契約では、エンジニアは成果物の完成への責任や契約不適合責任もありません。
善管注意義務という「善良なる管理者の注意義務」の略であり、一般的・客観的に要求される程度の注意を払うという意味合いの義務を負うことになるため、準委任(SES)契約はITエンジニアの労働力と技術力に対し報酬を得る契約形態といえます。
なお、業務委託契約という言葉は法律で定義されたものではなく、請負契約・委任契約・準委任契約を包括する意味を持ちます。このため、フリーランスエンジニアが契約を結ぶ際には内容の確認が重要です。
これらの契約はプロジェクトや一定期間、工程などの単位で行われるため、仕事の継続度合いも都度変わります。
TECH STOCKでは、フリーランスになる前の準備リストを配布しています。準備に時間をかけたくない、情報収集が大変という方はぜひご覧ください。
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フリーランスWebエンジニアの年収、単価
フリーランスのWebエンジニアの年収や単価、具体的な案件事例について、フリーランス向け案件紹介サイトTECK STOCKに掲載中のデータをもとに紹介します。
平均年収
TECH STOCKに2024年1月22日時点で掲載中の情報から、Web系サーバ / Web系フロントUIのプログラミング言語を対象として、Webエンジニアのデータを30件抽出しました。そのデータの月収の平均値よりフリーランスのWebエンジニアの年収は約909万円と推定できます。
比較対象として、厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagの「システムエンジニア(Webサイト開発)」では平均年収は550.2万円です。job tagのデータは賃金構造基本統計調査をベースとしているため、会社員のエンジニアが対象です。
フリーランスのWebエンジニアとなることで、年収アップをはかることが可能といえそうです。
案件事例
TECH STOCKに掲載中の案件をもとに、フリーランスのWebエンジニアに関する案件事例を紹介します。
Webサービスのフロントエンド障害対応
開発言語:React/JavaScript
月額報酬:70~85万円
就労形態:一部リモート
主な業務:
顧客(金融業)のWebサービスにおける障害対応支援
顧客の提供するサービス会員向けWebシステムの障害調査とそれに伴うアプリ開発
必須条件:
JavaScript、Reactによる開発経験
ベンダー側エンジニアとしての業務経験
システムサーバー更改プロジェクトの推進
開発言語:PHP/Java
月額報酬:55~84万円
就労形態:一部リモート
主な業務:
Webシステムサーバ更改業務におけるベンダー側SEとしてプロジェクトの推進を担当
サーバー更改による現行システムの調査、詳細見積他
必須条件:
Webアプリケーションの開発業務経験3年以上
Symfonyに関する知見
システム要件定義~リリースまでの工程での業務経験
フリーランスWebエンジニアの案件獲得方法
フリーランスのWebエンジニアが案件を獲得する主な方法として下記があげられます。これらを併用し、最も有利な条件の案件を探す方法も有効です。
クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングサービスを介して案件を探す方法です。請負契約と準委任契約のどちらのケースもあります。案件の内容や報酬は実に幅が大きく、なかには顧客もWeb開発の知識がないケースも少なくありません。
フリーランスのWebエンジニアにとっては、ハードルが低い案件を探しやすいメリットはあるものの、他のエンジニアとの競争が激しく報酬が低くなりがちです。また、契約に際しては成果物や修了条件などが明示的ではない場合があり、注意が必要なポイントとなります。
コネクションを利用する
フリーランスとなる前の所属組織でのコネクション、フリーランス仲間のコネクション、これまでの顧客とのつながりを利用して案件を獲得する方法です。
相手にも自分のことが伝わっているため、スキルマッチがしやすい点はメリットです。また、外部のサービスなどを通さずに契約できるため報酬も交渉の余地があります。
案件紹介サイトを利用する
フリーランスエンジニア向けの案件紹介サイトの利用も有力な案件獲得方法のひとつです。多くの案件が集まるため、詳細な条件にもマッチした案件が見つかる可能性が高まります。主に準委任契約の案件がメインです。
サービスによってはエージェントによるサポートも受けられるため、案件獲得までのやり取りがしやすい点もメリットです。また、フリーランスにとって怖い仕事が途切れてしまうことにもフォローが可能で、コントロールしやすいといえます。
フリーランスWebエンジニアのメリット、デメリット
会社や組織に属するWebエンジニアと比較して、フリーランスのWebエンジニアにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。フリーランスになることを検討しているエンジニアの方は、要チェックの内容となります。
メリット
フリーランスのエンジニアという働き方を選ぶ理由は人それぞれですが、よくメリットとしてあげられる点は以下の通りです。
興味のある仕事に携われる
フリーランスのエンジニアの魅力のひとつが、自分の興味のある仕事を選びやすいということです。
何でも選べるというわけではありませんが、自分の持つスキルや経歴にマッチした現場を選ぶことが可能です。
仕事に求めることは人によって異なりますが、利用している技術や提供しているサービスなどに興味が持てることは、仕事に対するモチベーションにも大きく影響します。興味のある分野の仕事に携わることで、その分野のスキル獲得、向上も望めるでしょう。
スキルがあれば高年収を望むこともできる
仕事が選びやすいことと関連して、スキルがあれば高い案件を選ぶことが可能です。そのため年収をアップさせるための方法として、フリーランスを選択するエンジニアもいます。
また、仲介業者等を使わずに直接案件を獲得した場合、顧客から受け取る発注額を丸ごと自身の売上とできるため、会社員と比べて高年収を目指しやすいです。
ワークライフバランスをコントロールしやすい
仕事の条件も会社員よりは選びやすいケースが多い傾向です。週の勤務日数が4日以下の仕事や、勤務時間を自分の都合で選べる仕事、リモートでの勤務が可能な仕事などを選択することで、ワークライフバランスをコントロールしやすいこともフリーランスのメリットです。
生活のなかで何を重視するかは個人の価値観によって異なります。仕事は生活のなかで大きなウェイトを占めるため、フリーランスになることで自分の理想を実現できる選択肢を増やすことが可能です。
対人的なストレスをコントロールしやすい
組織に所属する場合、組織内の人間関係は継続するため、苦手意識を持つ相手とも、仕事上の付き合いはしなければなりません。
フリーランスの場合には、周囲の人間関係は契約ごとに調整可能です。プロジェクトの切れ目などで次の仕事、次の人間関係に移ることができるため、対人的なストレスはコントロールしやすい働き方といえます。
デメリット
フリーランスという働き方には、組織に所属する場合に比べてデメリットもあります。メリットとどちらが大きく感じるのかは人によって異なり、働き方を選ぶ際の大きな判断基準となります。
スキルアップ、キャリアアップは自分で手を打つ必要がある
会社や組織に所属しているエンジニアの場合、教育制度や研修などのスキルアップに向けた組織のフォローを得られます。組織にとってはエンジニアのスキル向上は生産性や業務の品質の向上につながり、結果的に組織にもメリットをもたらします。
また、組織の維持をはかる上でも所属者のキャリアアップが必要なため、エンジニアのキャリアアップをサポートしてくれるでしょう。
一方、フリーランスのエンジニアの場合は、スキルアップやキャリアアップに向けて自分で計画を立てて取り組む以外に実現する方法はありません。フリーランスになるには、自動的にスキルアップ、キャリアアップできる機会を自分で探さなくてはなりません。
安定性に欠ける
組織に所属している場合、従業員や職員の稼働する場は組織が用意してくれるため、継続的に働け、収入も給与という形で安定して得られます。これらの安定した環境で働けることが組織に属するメリットでしょう。
フリーランスの場合は、収入の額や得られるタイミングは契約ごとに変化するので、安定して仕事が得られる保証もありません。仕事を安定させられるかどうかは本人のスキルや運にかかっています。
社会的信用が低下する
会社員の場合は、給与があるため安定した収入を所属企業があることにより保証してくれます。
一方、フリーランスの場合には、組織には所属しないため、社会的信用は会社員より低いといえます。フリーランスとした収入を証明するには、過去の所得税の納税書類(確定申告書)などが必要となります。特にフリーランスになりたての時期は安定して収入があることを証明するのが難しいでしょう。
社会的な信用が低い場合、クレジットカードの作成や各種のローン契約の際の信用調査を通過することができません。会社員からフリーランスになった場合には、会社を離職する前に社会的な信用が低下するデメリットが発生することを知っておきましょう。
フリーランスWebエンジニアが身に付けるべきスキル
フリーランスWebエンジニアとして活躍するには、技術的なスキルに加えて、個人事業主として働くためのスキルも必要となります。
本項では、フリーランスWebエンジニアに必要となる技術的なスキルや知識以外のスキルを紹介します。
プログラミングスキル
Webエンジニアとしての基本となるのは、フロントエンド・バックエンド・データベースの技術です。フリーランスの場合、特定の領域に特化するか、フルスタックエンジニアとして幅広いスキルを持つかで案件の種類や単価が変わります。
フロントエンドの技術
Webエンジニアの仕事の中で、Webサイトやアプリのユーザーが直接目にする部分(UI)を担当するのがフロントエンド開発です。特に以下のスキルが求められます。
- HTML / CSS:Webページの構造やデザインを決定する基本技術
- JavaScript:Webページに動きをつけるプログラミング言語
- React:モダンなSPA開発に必須
- Vue.js:比較的習得しやすく、導入しやすい
バックエンドの技術
バックエンド(サーバーサイドの処理)の技術も必要です。、バックデータ処理やユーザー認証、APIの設計などを担当します。主に以下のバックエンドに関するフレームワークに関する知識が重要です。
- Node.js:JavaScript:ベースのサーバーサイド開発フレームワーク
- Python(Django):シンプルでスピーディーなWeb開発が可能
- PHP(Laravel):Webアプリ開発で広く使われるフレームワーク
データベースの管理スキル
データの管理(データの保存・管理)はWebシステムに欠かせない要素です。バックエンド開発では、以下のようなデータベース技術を理解しておくことが必要です。
- MySQL / PostgreSQL:RDB(リレーショナルデータベース)の代表格
- MongoDB:NoSQLデータベースとしてスケーラブルな構成が可能
フレームワーク・ツールを扱うスキル
開発を効率化し、コードの管理をスムーズに行うためのフレームワークやツールも、フリーランスエンジニアにとって重要なスキルです。
Gitによるバージョン管理スキル
フリーランスとして案件を受ける際、Git(GitHub / GitLab)を使ったコード管理は必須スキルです。Gitはチーム開発やリモートワーク案件でも使用される標準ツールのため、フリーランス転向を目指すなら必ず習得しておきましょう。
クラウド技術(インフラ環境の構築・運用)
近年のWeb開発ではクラウドサービスの利用が一般的になっています。特に以下の技術を学んでおくと、インフラ構築を伴う案件の受注につながります。
- AWS(Amazon Web Services):クラウドのデファクトスタンダード
- GCP(Google Cloud Platform):データ分析やAI開発との相性が良い
- Firebase(Google提供のBaaS):モバイルアプリや小規模Webアプリの開発に便利
開発環境構築スキル(効率的な開発フローの構築)
環境構築や自動化のスキルも、フリーランスとしての生産性を高めるために重要です。
- Docker:開発環境の構築を簡単にするコンテナ技術
- CI/CDツール(GitHub Actions / Jenkins など):コードの自動テスト・デプロイを効率化
ビジネスの流れ、受発注における法的な知識
フリーランスのエンジニアは個人事業主であり、自分でビジネス全体に対応しなければなりません。
先述の通り、フリーランスは顧客と契約を結び、報酬を得て働きます。この契約の際には契約書をかわすのですが、その内容については注意が必要です。契約相手の意図の有無に関係なく、事業者にとって不利な内容が記載されている可能性があります。
契約書には法的拘束力があるので、不利な内容でも契約を行ってしまった場合には債務履行の義務が生じます。ビジネスの流れや業務の受発注に関する法的知識を身につけておきましょう。
営業
フリーランスエンジニアは仕事の獲得も自分で行うことが原則です。仕事を探し、自分がその仕事に適していることを相手に伝え、受注するためのいわゆる営業業務もフリーランスエンジニアが担います。このため、少なくとも営業業務の流れ、手続きなどを知らなくては事業は成り立ちません。
フリーランスエンジニア向け案件獲得サイトTECH STOCKなどの各種のサービスの利用により、営業業務の一部は外部に任せることができます。
経理・調達などの事務処理能力
経理などの各種事務作業についての知識・スキルがフリーランスには必要です。会社員なら契約書の作成や必要経費の精算、売上管理などは人事総務や経理部門が行ういます。フリーランスWebエンジニアの場合、これらの事務にまつわる知識も兼ね備えておくことも求められます。
人間関係の構築
フリーランスWebエンジニアは、社外からプロジェクトに参画する立場のため、ビジネスのパートナーとしてふさわしい関係性クライアントと構築することが必要です。継続的な付き合いを続けるための配慮と、ビジネスとして利益を得られる関係の両方を意識する必要があるでしょう。
また、フリーランスの仕事獲得や業務遂行において、コネクションは重要です。フリーランスになる前の人間関係も、コネクションとして含まれます。
セルフブランディング
極端に言えば、フリーランスWebエンジニアの売り物は「自分自身」です。自分の持つスキルを活用して、顧客に成果物や労働力などの価値を提供します。
自分自身が高い価値を持ち、それを提供できることが顧客に伝わって初めて仕事が得られるため、自分が相手にどう映るかをコントロールするセルフブランディングスキルも必要となります。
セルフメンテナンススキル
フリーランスは企業が安定した仕事と給与を労働の対価として用意してくれる立場ではありません。自分自身をコントロールして仕事の確保や実施をして初めて収入を得られます。
継続的に仕事をする上で大切なのがセルフメンテナンススキルです。働くことへのモチベーション維持や健康管理を行い、働き続けられる状態をキープするために必要なスキルです。
フリーランスWebエンジニアの展望必見! ~AI時代どう生き抜く?~
Web業界は急速に変化しており、フリーランスのWebエンジニアにとっても、今後の市場トレンドを的確に捉えて適応することが生き残る鍵となります。技術の進化やビジネス環境の変化、そしてフリーランスの働き方の多様化により、求められるスキルや立ち回り方も変わっていくでしょう。ここでは、成長が期待される技術領域や業界の構造変化、そしてWebエンジニアの報酬トレンドについて解説します。
成長が期待される技術領域(2025-2027年)
AIアシスト開発
近年、AIを活用した開発支援ツールが急速に進化しており、GitHub CopilotやChatGPTのようなAIペアプログラミングツールが開発の生産性を大きく向上させています。今後、エンジニアには以下のような新しいスキルが求められるでしょう。
- AIペアプログラミング技術の活用:AIを適切に活用し、コード生成やデバッグの効率を上げるスキル
- LLMベースの開発支援ツールの実装と最適化:カスタマイズ可能なAIツールを組み込んだ開発プロセスの設計
- AIと人間の協働開発プロセスの構築:AIを単なる補助ツールではなく、実際の開発フローに組み込むスキル
Web3.0技術
分散型インターネットとして注目されるWeb3.0技術は、エンジニアの活躍の場を広げる可能性があります。特に以下の分野は、フリーランスエンジニアにとって魅力的な市場となるでしょう。
- 分散型アプリケーション(dApps)開発:ブロックチェーンを活用したアプリの開発
- スマートコントラクト実装・監査:EthereumやSolidityを用いたスマートコントラクトの構築・検証
- ブロックチェーン連携サービスの開発:既存のWebシステムとブロックチェーンを統合する技術
エッジコンピューティング
クラウドコンピューティングが主流となる一方で、データ処理の分散化を目的としたエッジコンピューティングの需要も高まっています。Webエンジニアにとっては、次のような領域でのスキル習得が重要となります。
- エッジデバイス向けWebアプリ開発:低遅延・リアルタイム処理が求められるシステムの構築
- ローカルファースト・オフライン対応アプリの開発:ネットワーク環境に左右されないアプリケーションの実装
- IoTデバイスとの連携:Web技術を用いたIoTサービスの開発
市場構造の変化予測
フリーランスWebエンジニアの働き方も、市場変化に応じて変わっていきます。特に以下の点に注目する必要があります。
- 大企業によるフリーランス活用の拡大
多くの大企業が「タレントクラウド戦略」を採用し、コア人材以外をフリーランスとして柔軟に調達する流れが加速しています。高度なスキルを持つフリーランスWebエンジニアには、大手企業からの案件が増える可能性があります。 - エージェント市場の高度化
AIマッチングと人的ネットワークを組み合わせた新世代のフリーランスエージェントが登場しており、効率的に案件を獲得できる環境が整いつつあります。 - 国際競争の激化
リモートワークの普及により、日本国内だけでなく、海外のエンジニアとも競争する必要が出てきます。価格競争に巻き込まれないためにも、専門性の高いスキルを磨くことが重要です。 - ニッチな専門性の価値向上
特定の業界や技術に精通したエンジニアの需要が高まっており、特定領域に強みを持つことで単価の向上が期待できます。
AI時代のWebエンジニアの役割は?
AIツールの進化により、コーディング作業の一部は自動化されつつあります。しかし、AIを「脅威」ではなく「強力なパートナー」と捉え、AIを活用するスキルを持つことで、Webエンジニアよして市場価値を高める重要な要素となります。AIの普及が進む中で、Webエンジニアはどのような役割を担うべきなのでしょうか。
AIがWebエンジニアの仕事に与える影響
AIがWebエンジニアの仕事に与える影響としては、以下の要素が考えられます。
- 定型的コーディングの自動化:基本的なHTMLコーディングやCSSスタイリングはAIが担当するように。
- コードレビュー・デバッグの効率化:バグの発見や修正提案をAIがサポートして
- ボイラープレートコードの自動生成:定型的なコンポーネントやAPIはAIが生成
- ドキュメント生成の自動化:コードからのドキュメント生成はAIが担当
AIと共存するWebエンジニアが担う役割
AIを活用しながら価値を発揮するエンジニアには、次のような新たな役割が求められるでしょう。
- AIプロンプトエンジニア:AIツールから最適な結果を引き出す専門家
- AIコード監査者:AI生成コードやプロンプトの品質・セキュリティ確認の専門家
- ハイレベル設計者:システム全体のアーキテクチャ設計を担当するスペシャリスト
- UXオーケストレーター:UX技術とユーザー体験を橋渡しする専門家
- AIインテグレーター:既存システムとAI機能の統合を担当する
フリーランスWebエンジニアになるために準備すべきこと
会社員からフリーランスのWebエンジニアになるために必要な準備について紹介します。
キャリアプランを決める
フリーランスのWebエンジニアとなる場合には、収入の向上や理想のキャリア、ワークライフバランスの実現など、何か他の目標を持っていて、そのための手段としてフリーランスになることを選んでいるケースが大半です。
この目標を達成するために必要となるのがキャリアプランです。自分の将来のビジョンに照準を合わせて、どのように仕事をしていきたいかを考えておきましょう。
より具体的に落とし込んでいくと、受注したい仕事の条件(勤務時間、勤務形態、業務内容、利用技術など)が明確になります。
スキルシート・ポートフォリオを作成する
フリーランスのエンジニアはスキルが重要であり、そのスキルのアピールに利用できるのがスキルシートやポートフォリオです。
スキルシートとは、自分が持つスキルをリストアップした資料です。また、ポートフォリオはWebエンジニアの場合にはWebサイト・アプリケーションとなるでしょう。
フリーランスとなった後の案件獲得に向けて、自分のアピールをするためのツールを用意しておきます。
エンジニアが保有するITスキルを記述した「スキルシート」は、完成度が高くなるほど、自身のスキルに見合った良い案件を獲得できる可能性が高まります。クライアントとのミスマッチを防止するための材料にもなるため、事前準備を十分に行い、精度の高いスキルシートを作成しましょう。
本記事では、スキルシートを作成する目的や実際の作成方法、より良いスキルシートを作成するためのポイントなどについて解説します。
TECH STOCKでは、フリーランス向けにスキルシートの無料テンプレートを配布しています。記入例も用意していますので、クライアントへのアピール力に不安を抱えている方はぜひDLしてご活用ください。
保険や年金などの手続きを行う
会社員からフリーランスになる場合には、健康保険や国民年金などの加入先、手続きなどが変わります。これらの手続きについても、会社に所属しているエンジニアの場合は、人事や総務などの部門、担当者がサポートしてくれますが、フリーランスは自分で手続きする必要があります。
フリーランスWebエンジニアに向いている人、向いていない人
フリーランスのWebエンジニアに向いている人、向いていない人の持つ特徴や傾向として良くあげられるものを紹介します。
向いている人の特徴、傾向
フリーランスWebエンジニアに向いている、適性がある人の特徴と傾向として下記があげられます。
エンジニアとしての実務経験が豊富
フリーランスエンジニアは、仕事上で起きる課題を基本的には自分で解決する能力が求められます。豊かな実務経験を持っているエンジニアは、さまざまな方面から発生する課題に柔軟に対応する引き出しを持っているため、フリーランスとして活躍しやすいでしょう。
積極性がある
積極性があり、仕事に前向きに取り組めるエンジニアも、フリーランスのWebエンジニアとして活躍が望めます。Webの開発プロジェクトにおいては、短納期や小規模の案件も多く、積極的に動ける人が向いているといえます。
自律的である
フリーランスのWebエンジニアを求める現場では、基本的に即戦力となる人材が求められています。単純に人数が増えるだけでなく、自分からやるべきことを探し考えて行動に移せる自立したエンジニアが求められる人材像です。周囲に負荷をかけずに成果につなげられるため、主体的に動ける人はフリーランスWebエンジニアに向いているといえます。
向いてない人の特徴、傾向
フリーランスのWebエンジニアに向かない、適さない人の特徴、傾向には下記があげられます。自分自身が意識している特徴と一致する場合には、フリーランスになる前に慎重な検討が必要です。
コミュニケーションが苦手
フリーランスのエンジニアは案件ごとに仕事の相手が変わります。そして、業務の内容上、綿密なコミュニケーションは欠かせません。もし、コミュニケーションが苦手と感じている場合には、これまでのコミュニケーション方法を見直し、改善が必要なポイントを洗い出しておきましょう。
受動的・指示待ち
受動的で指示がないと動けないという人も、フリーランスには向いていないでしょう。フリーランスの場合、自分で仕事に責任を持って成果を出さなければ、継続的な活躍を望むことは難しいため、受動的な性格もフリーランスに向かないでしょう。
開発以外に興味がない
Webアプリやシステム以外に興味が持てない人も、フリーランスとして働くのは適していません。Webエンジニアの仕事で作られるWebアプリは、ビジネスのツールとして活用されるものです。開発そのものだけでなく、Webアプリによるサービス提供とそれにまつわるビジネスまでを考えられるエンジニア像が求められます。
スキルアップを継続できない
フリーランスのWebエンジニアが高い価値を提供するには、新たな技術への対応が不可欠です。次々と登場する新しい技術に対し、学習・習得をはかるスキルアップを自己継続できない人はフリーランスとして活躍の現場が限られ、将来的に苦しい立場となることが想定されます。
フリーランスとなる明確なモチベーションがない
自分がフリーランスのWebエンジニアという働き方を選んだ理由は、突き詰めておきたいポイントです。収入アップでも自分のなりたいエンジニア像でも理由はかまいませんが、明確な理由がない場合にはフリーランスとして働き続けるモチベーションを確保するのが難しくなります。
会社員ならばモチベーションが下がったときには周囲がフォローしてくれる場合がありますが、フリーランスの場合はモチベーションを持ち続けないと仕事上の大きなダメージになることがあり得ます。
まとめ
Web開発の高いスキルを持ったエンジニアは、フリーランスのWebエンジニアとなるのも選択肢のひとつです。フリーランスとなることで、年収の向上やキャリア、ワークライフバランスなどの実現をはかれます。
また、フリーランスのWebエンジニアになった場合、自分で仕事の確保や事務的な業務も行う必要があります。安定した案件獲得に向けて、TECK STOCKなどのサービスを活用して効率よく仕事を得られるようにしましょう。
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