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プログラミング言語Rubyとは?特徴・できることなど基本知識を解説

更新日 2024/10/21

Rubyは、日本発祥のプログラミング言語で、昨今では世界中のエンジニアが開発に活用するなど、高い人気を誇っています。有志が開発した「Ruby on Rails」などのフレームワークを活用すると、シンプルな記述でSNSなどの複雑なWebサービス開発も可能です。

これから新しくプログラミング言語を学習したいと考えているなら、Rubyはおすすめの言語のひとつです。本記事では、Rubyの基礎知識や歴史、学習するメリットや得意としている開発領域などについて詳しく解説します。

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Ruby とは

Rubyはどのような言語か

Rubyとは、まつもとゆきひろ氏によって提唱された日本発祥のプログラミング言語です。もともとは「Perl」と呼ばれる、Web開発によく利用される言語が由来となっています。

Perlと同様にWeb開発を得意領域としていますが、ほかにもスマホアプリ開発や、Webデータ抽出を意味する「スクレイピング」など、幅広い用途に使われています。

Rubyはコードの柔軟性が高く、開発現場で応用が利くため、さまざまな場面で取り入れられています。ほかの言語と比較するとシンプルな記述でプログラムを動作させられるため、初心者でも学びやすく、日本発祥であることから教材も豊富です。コードがシンプルであるためにバグを発見しやすく、テストなどの場面でも役立ちます。

Rubyの歴史

Rubyは1995年に初めて一般公開され、近年では世界中のエンジニアに広まっています。Rubyの名が世界に広く知られるようになったのは2006年ごろのことで、現在では、世界各国の主要都市でRubyのカンファレンスが実施されるまでになりました。

エンジニアからの支持や、Webサービスの開発現場で選ばれている言語など、さまざまな指標において、Rubyは高い人気を獲得しています(※)。

この評価は、Rubyがソースコードの改変やコピー、再配布を可能とする「フリーソフトウェア」であり、「Ruby on Rails」などの有用なフレームワークが生まれていることなども影響していると考えられます。

※参考:
自社開発企業の使用言語ランキング3位はPython、1位は? | 日経クロステック(xTECH)
【2020年7月発表】プログラミング言語別求人案件ランキング
2019年1番学ばれた人気プログラミング言語を発表 1位は「PHP」次いで「Ruby」が人気の結果に!|株式会社SAMURAIのプレスリリース

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Rubyと各言語との違い

Rubyのほかにも、開発現場でよく用いられる言語としてPHPやPythonなどがあります。ここでは、RubyとPHP・Pythonがどのように異なるのかについて解説します。

PHPとの違い

PHPとは、世界中のさまざまな開発現場で使われている、サーバーサイドのスクリプト言語の一種です。

PHPはグローバルに活用されている言語であることから、エンジニアの数も多く、Web上で多くのエンジニアがPHPに関する情報を発信しています。そのため、開発に行き詰まったときでも疑問を自己解決しやすい点がメリットです。

コーディングのルールが厳格ではないため、比較的曖昧な記述でも動作します。ただし、統一性のとれた組織だった開発が重要となるチーム単位での開発においては、この特徴がかえってデメリットになる場合もあるため、注意が必要です。

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Pythonとの違い

前述のように、RubyはWebアプリ開発を得意とする言語です。一方で、Pythonは機械学習やAI(人工知能)関連の開発を得意としており、それぞれ得意領域が異なります。AI技術が発展しつつある昨今では、Pythonを採用する現場が数多く見られるようになりました。

Ruby・Pythonともに構造がシンプルで、比較的わかりやすいコードである点や、世界中の多くのエンジニアによって豊富な開発実績が積み上げられている点などは共通しているため、RubyとPythonのどちらを開発に活用するかどうかは、成果物や開発目的などによって使い分けることが大切です。

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この記事ではPythonでできることをはじめ、汎用的な言語と言われる所以や用途、不得意なこと、未経験者向けの学習方法もあわせてご紹介します。

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Rubyを学習するメリット

Rubyを学習するメリットとして、以下の点が挙げられます。

  • これからプログラミングを始める初心者でも学びやすい
  • ほかの言語に比べるとコードの記述を短く済ませられる
  • テストでバグを発見しやすい

初めてプログラミングを学ぶ人や、Rubyを知っていれば、Web開発の分野の中でも特に開発速度を重視する現場などで重宝されます。ここでは、上記3つのメリットについて詳しくみていきましょう。

初心者でも学びやすい

Rubyは記述したプログラムを実行する際に、プログラムを1行ずつ読み込んで変換する「インタプリタ」を利用するため、「コンパイル」と呼ばれるプログラム全体の変換作業が不要です。そのため、コンパイルを必要とするJavaなどに比べると、学習が容易であるというメリットがあります。

また、Rubyは日本発祥のプログラム言語なので、書籍やWebなどを通して日本語の資料を豊富に得られるため、初心者でも学びやすい言語です。

ほかの言語に比べてコードの記述が短い

Rubyは、ほかの言語に比べてコードの記述が短い点もメリットのひとつです。前述のようにコードの構造がシンプルであり、文法がわかりやすいため、短い記述で実装したいプログラムを再現できます。

Rubyの記述がシンプルな理由は、Javaのように「変数宣言」と呼ばれる、プログラムの記述を始める際の型の定義付けを行う必要がないという部分にあります。クラスやメソッドを記述する複数行のコードが不要なぶん、全体のコード量を圧縮することができます。

テストでバグを見つけやすい

Rubyはオブジェクト指向と呼ばれる言語で、「オブジェクト」や「ひな形」と呼ばれる単位ごとに独立して扱うことができます。オブジェクト指向のポイントは、一つひとつの機能ごとにプログラムのまとまりが生まれる点にあります。

オブジェクト指向によってプログラムのまとまりが明確になることで、オブジェクトごとの影響範囲を容易に把握でき、プログラムに変更を加えたときの変化や、バグが起こったときの問題箇所を特定しやすくなります。

Rubyが得意としている開発領域

Rubyが得意としている開発領域は、主にWebサービスやスマートフォン向けアプリ、SNS開発、スクレイピングなどです。特にWebサービスには強く、さまざまなECサイトやWebサービスがRubyを活用して開発されています。
ここでは、Rubyが得意としている4つの開発領域について、特徴やRubyを選ぶメリットを紹介します。

Webサービス

Webサービスの中でも、ECサイトやオウンドメディアのように、Web上で商品購入を行ったり情報を閲覧したりできるサイトの制作は、Rubyがとりわけ得意としている領域です。これは、Rubyが「サーバーサイド処理」と呼ばれる処理を得意としているためです。

サーバーサイド処理とは、WebサーバーからWebブラウザ上に表示するために必要なデータを取得し、必要に応じて加工を加えたり、ユーザーが入力・送信したデータをWebサーバー上に保存したりする処理のことです。

ECサイトやオウンドメディアでは、Webサーバーから情報取得やユーザーが入力・送信したデータの保存が不可欠であることから、Rubyによる開発が適しています。

スマートフォン向けアプリ

スマートフォン向けアプリも、Rubyが得意とする領域のひとつです。iOSやAndroidなど、代表的なスマートフォンOSでのアプリ開発に特化した開発環境やフレームワークも用意されています。

Rubyを活用することで、Web上で動作するアプリとスマートフォン上にダウンロードして動作するアプリの長所を掛け合わせた「ハイブリッドアプリ」の開発も可能です。ハイブリッドアプリは、OSなどに依存しない「デバイス固有の動作」を可能にするアプリのことで、環境の異なるさまざまなユーザーにサービスを提供するためのマルチプラットフォーム開発に向いています。

SNS開発

昨今では、APIを活用したSNS開発もよく行われています。APIとは、異なるサービス同士がデータを連携するための「窓口」の役割を果たすプログラムのことで、SNS運用には必要不可欠です。このAPIを開発する際に、Rubyのフレームワークである「Ruby on Rails」がよく用いられます。

「Ruby on Rails」を活用することで、シンプルな記述で本格的なAPI開発を行えます。Ruby on Railsには、APIのほかにもSNSに欠かせないさまざまな機能を簡単に実装するための土台となるプログラムが数多く用意されており、1からプログラムを記述する場合に比べてSNSに必要な機能を効率的に開発できます。

スクレイピング

Rubyは、Web上の指定したデータを抽出する「スクレイピング」という処理にも活用できます。スクレイピングは、主にデータリサーチや分析に利用される処理であり、市場ニーズの理解が重要な近年のマーケティングにおいて、企業や個人がRubyによるスクレイピングを取り入れているケースもあります。

例えば、Web上で更新され続ける天候情報やニュースサイトの最新のニュースを取得するなど、リアルタイムで変化していく情報の取得が重要な場面で役立ちます。取得したデータは必要に応じて統計処理へと回され、ビッグデータ解析などに活用されることもあります。

Rubyには、スクレイピングを行う際に便利なライブラリが用意されており、指定した文字列を抽出するなど、柔軟な操作を行うことが可能です。

Rubyの案件数から見えてくる将来性

日本国内において、Rubyには多くの求人や案件情報があり、今後も安定的な需要が期待できます。日本発祥の言語ではありますが、日本だけでなく海外で採用されている例も多く、特に新進気鋭のベンチャー企業には、Rubyが積極的に取り入れられています。

案件ごとの単価は開発内容やプロジェクト規模などによって異なりますが、高単価の案件獲得も十分に期待できます。下記の求人ボックスを検索すると、Rubyの転職・求人情報は21,848件見つかります(※1)。また、求人情報・転職サイトのdodaでも、Rubyの該当求人数は2,344件(※2)あります。

この結果からも、これから新しいプログラミング言語を学びたいと考えている人にとっては、Rubyはおすすめの言語といえます。

※1 参考:Ruby エンジニアの転職・求人情報|求人ボックス 2022年12月26日時点
※2 参考:RUBYの転職・求人・中途採用情報【doda(デューダ)】 2022年12月26日時点

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Ruby学習のアドバイス

実際にRuby学習をするためには、どのような学習スケジュールを立てるのが有効なのか、また、学習のポイントはどのような点なのか、以下で具体的に解説します。

学習スケジュールの立て方

学習スケジュールの立て方としては、大まかに下記の3ステップがあります。
①から順にステップを踏むことで効率的なスキルアップが図れるので、参考にしてください。かっこ書きで記載しているのは、目安となる学習期間です。

ステップ①:基礎知識を身につける(半月~2か月)
ステップ②:小規模のプログラムを書いてみる(3~6か月)
ステップ③:アプリを開発してみる(3~6か月)

ここでは、平均的な学習期間を記載しましたが、基礎となるスキルがどの程度備わっているかで、学習に必要な時間は異なります。自分のスキルに合わせた学習時間を取るように心掛けることが重要です。

ステップ①基礎知識を身につける(半月~2か月)

ステップ①として、基礎知識を身につけることからはじめます。

具体的には、Rubyの基本的な概念を学び、基礎となる構文や構造を理解します。
Rubyの基礎を学ぶ方法はいくつか考えられますが、主な方法として、書籍の購入、無料または有料Webサイトの活用、プログラミングスクールの受講などが挙げられます。

プログラミングの習得にかけられる予算や、スケジュール管理の得意・不得意などに合わせて、自身に合った方法を利用するようにします。

学習方法 特徴 向いている人
書籍 ・基礎知識が1冊にまとまっている

・様々な種類の書籍があり選択肢が多い

・トライ&エラーを繰り返せる人
・疑問点を自己解決できる人
無料のWebサイト ・最小限のコストで学習ができる
・参考にできるサイトが多くある
・ある程度プログラミングの知識がある人
・サイトの情報を自身で精査できる人
有料のWebサービス ・教材内容が充実している
・問い合わせ対応などのサポートを受けられる
・自分で学習計画を立てられる人
・計画通りに学習を進められる人
プログラミングスクール ・経験豊富な講師から学べる
・不明点があってもその場で解決できる
・授業料を支払うだけの予算が割ける人
・スクールの定める学習スケジュールに沿って学べる人

ステップ②小規模のプログラムを書いてみる(3~6か月)

ステップ②は、ステップ①の段階で学んだ知識を実際に試していく期間です。まずは、小規模のプログラムで、小さく試していくのがポイントです。書いてみたプログラムは、自分だけのフィードバックで完結させず、エンジニアコミュニティなどに参加して他者からの評価を貰うことも大切です。
また、他者の書いたコードを読んでみるのも良い学びになります。

ステップ③アプリを開発してみる(3~6か月)

ステップ③では、実際にアプリを開発してみます。ステップ①と②を踏まえて、感覚が掴めてきたら、まずはひとつアプリを開発してみます。
開発の際には、その成果物を他者に見られても良いように整えておくことが大切です。誰が見てもどのようなプログラムが組まれているかわかるように作成することで、チームでプログラムを作り上げなくてはいけない場面を想定しておきます。

Ruby学習のポイント

Ruby学習のポイントは、大まかに下記の3つがあります。それぞれについて、解説していきます。

  • 「オブジェクト指向」の考え方を押さえる
  • Rubyの構文の特徴を覚える
  • テスト駆動開発(TDD)に慣れる

「オブジェクト指向」の考え方を押さえる

Ruby学習のポイントの1つ目は、「オブジェクト指向」の考え方を押さえることです。
「オブジェクト指向」というのは、プログラミングを学ぶ上で基本の知識、前提知識として扱われがちなアプローチ方法です。

オブジェクトというのは、日本語で言うところの「物」という意味で、プログラミングを行う対象となる物すべてを指して「オブジェクト」と呼びます。
また、オブジェクトと一緒によく使われる「クラス」という概念があります。これは、プログラミングに必要なデータや処理を含んだテンプレートのようなものです。

オブジェクト指向を理解しておくことで、プログラムにクラスの変更や追加が必要となった際に、柔軟に対応ができるようになります。

Rubyの構文の特徴を覚える

ポイントの2つ目は、Ruby構文の特徴を覚えることです。
Rubyは、基本的には他の言語と似たような構文を使っています。そのため、他言語を学習したことのある人にとっては、わかりやすいかと思います。しかし、Rubyならではの構文もあります。

構文の名付けに規約があったり、ゼロの場合でも「nil」を記載する必要があったり、アクセス制御のやり方がJavaなどと異なっていたりします。Rubyならではの構文の特徴を覚えておくことが重要です。

既に他言語の知識がある場合、Rubyとどのような点が違うのか、その違いを比較してみるとわかりやすいです。具体的な違いについては、公式の他言語からのRuby入門などが参考になるでしょう。

テスト駆動開発(TDD)に慣れる

ポイントの3つ目は、テスト駆動開発に慣れることです。テスト駆動開発とは、「Test-Driven Development」と言い、通称「TDD」と呼ばれます。テストコードを書き、それを実装、改善していく開発のやり方です。

テスト駆動開発では、テストが成功するように最低限の要件を満たす実装をします。そのため、シンプルで追加開発のしやすいプロダクトになります。また、早い段階で修正箇所を見つけることができるのもメリットと言えます。

シンプルなので、仕様への理解を深められるのも良い点です。仕様への理解が深まると、プロダクトの全体的な品質が向上します。

実際に、Rubyを用いたテスト駆動開発の学習をしたい方は、下記のようなサイトや書籍を参考にしてみてください。

まとめ

日本発祥のプログラミング言語であるRubyは、Web開発、スマホアプリ開発、スクレイピングなど、さまざまな開発に利用されています。有志が開発した「Ruby on Rails」などの開発を強力にサポートするフレームワークなどを活用することで、SNSなどの複雑性の高い開発も容易にします。

Rubyは国内のみならず、海外の多くのベンチャー企業でも採用されており、安定的に多くの案件を見つけられます。これから新しく学ぶプログラミング言語を選ぶのであれば、ぜひ検討したい言語のひとつです。
書籍の購入やWebサービスの利用、プログラミングスクールへの通学など、自分に合った方法を選択して、Rubyの学習に挑戦してみましょう。

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