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Ruby on Railsとは?特徴や開発事例などを解説!

更新日 2024/01/30

Rubyによるプログラミング開発では、フレームワークの「Ruby on Rails」がよく活用されています。Ruby on Railsは、ECサイトやWEBサイト構築、業務システム開発など、Rubyを使ったプログラム開発をより効率的にします。 本記事では、Ruby on Railsの特徴、得意とする開発領域や注目を集めている理由、具体的な事例や学習方法について解説します。

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Ruby on Railsとは

Ruby on Railsとは、プログラミング言語の一種である「Ruby」のフレームワークのことです。応用力が高く、幅広い職種のエンジニアにとって扱いやすいフレームワークで、ECサイト構築やWEBサイト構築、各種アプリケーション開発など、多種多様な開発現場で活用されています。

もともとは2004年にデンマーク出身のDHH氏(デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン氏)によって提唱されたフレームワークで、昨今では世界中のRubyエンジニアがRuby on Railsを活用した開発を行っています。

「Model(モデル)」「View(ビュー)」「Controller(コントローラー)」からなる「MVCモデル」を採用しており、操作、処理、制御の3つの役割を分割することで、効率的な開発を可能にしています。

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Rubyは、日本発祥のプログラミング言語で、昨今では世界中のエンジニアが開発に活用するなど、高い人気を誇っています。有志が開発した「Ruby on Rails」などのフレームワークを活用すると、シンプルな記述でSNSなどの複雑なWebサービス開発も可能です。

これから新しくプログラミング言語を学習したいと考えているなら、Rubyはおすすめの言語のひとつです。本記事では、Rubyの基礎知識や歴史、学習するメリットや得意としている開発領域などについて詳しく解説します。

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そもそもフレームワークとは何か

フレームワークとは、WEBアプリケーションを開発する際に不可欠な機能のベースをまとめたものです。

通常、プログラム開発を行う際は、必要な機能を実装するためのコードをプログラマーが1から記述しなければなりません。しかし、フレームワークを土台として活用すれば、必要なコードを付け足すだけで複雑な機能を持ったプログラムを構築できるため、開発の効率化や開発期間の短縮が可能になります。

また、現場全体がフレームワークを活用することで、コードの記述方式が統一されるため、開発後の改善や機能追加を行いやすくなるというメリットもあります。一方で、フレームワークによってある程度のコードが確定している分、カスタマイズ性が落ちる点はデメリットです。

Ruby on Railsの特徴

ここからは、Ruby on Railsの特徴を、4つの要点に分けて解説します。これらの基本的な特徴を理解することにより、より深くRuby on Railsについて把握し、活用ができるようになります。

  • MVCモデルを採用
  • DRY
  • CoC
  • RESTフル

MVCモデルを採用

Ruby on Railsは、MVCモデルと呼ばれるプログラミング構造を採用しています。MVCモデルは、誰にでも構造が明確に伝わり、メンテナンス性の高いプログラムを作成しようという理念から生まれたもので、Ruby on Railsだけでなく様々なフレームワークで活用されています。MVCは、Model(モデル)、View(ビュー)、Controller(コントローラ)の頭文字を取ったものです。

  • Model:データベース情報の処理をする機能
  • View:ユーザーインターフェースへ情報を表示する機能
  • Controller:ModelやViewに命令を与え、ユーザーの操作に対応する機能

アプリケーションを構成するそれぞれの機能の独立性が高いため、システムに変更や修正を加えた場合にも全体に対する影響が少なく済み、メンテナンスや保守、再利用がしやすくなります。また、初見でも内容把握がしやすい点や、要素別に分業ができ、作業効率が上がる点もメリットであると言えます。

DRY

Ruby on Railsでは、リリース初期から「DRY」という設計哲学を貫いています。このDRYというのは「Don’t Repeat Yourself」の略称で、

  • 同じコードを繰り返さない
  • 同じ情報を何度も書かず、1カ所だけの記述にする

というような意味を持ちます。コードの重複記述を避け、コードの再利用をする意識を持つことでシステム構造自体がシンプルになり、効率よく開発が進みます。後の修正や管理、保守が楽になるというメリットもあります。

しかし、このDRY原則というのは、あくまでも原則です。確かに、コードを重複しないという意識は大切ですが、過度にDRY原則を意識してしまうと、誤った場所への実装が増えたり、エラー調査のコストが増えたりするデメリットもあります。

DRY原則は、DBスキーマ、テスト、ビルドシステム、ドキュメントなども対象であり、「ソフトウェア開発全体を見た時に、なるべく情報を重複させない」という風に捉えるようにします。

CoC

Ruby on Railsでは、CoC(Convention over Configuration)という設計思想も採用しています。「設定よりも規約を重視する」というような意味合いになります。

Ruby on Railsには、予め命名規則(規約)の用意があります。コントローラ名やクラス名、モデル名、アクション名の規則が最初から定義されているため、開発者はそのルールに従うことで、迷わず無駄なく記述を行うことができます。これらの規則に沿って設計を行うことで、開発者の作業効率化、コード可読性の向上を図るのがCoCという設計思想です。

例えば、

  • クラス名、テーブル名は同単語の単数形と複数形で区別する
  • コントローラー名は複数形でにする

などのルールがあります。これらのデフォルトのルールに則って記述することで、開発者は設定ファイルを意識することなくプログラミングに専念でき、作業効率の向上に役立つということです。

RESTフル

Ruby on Railsは、RESTfulな設計概念を取り入れています。RESTとは「Representational State Transfer」の略称で、「状態を具体的に宣言して引き渡す」というような意味になります。このRESTに基づいていることを「RESTful」と呼びます。

RESTの考え方では、Webアプリケーションの設計をする際、機能ではなくリソースを中心として捉えます。HTTPメソッド(GET/POSTなど)を使用して操作する設計にすることで、シンプルで統一性のあるAPIの作成が可能となります。

具体的には、下記のような設計をしていきます。

  • Webアプリケーションを構成する全てのリソースにURLを与える
  • URLを通してリソースの操作を行う

RESTfulな設計を行うことで、MVCモデルの「Controller」部分を効率よく記述することが可能となります。

Ruby on Railsが得意な開発領域

Ruby on Railsが得意な開発領域には、ECサイト構築やWEBサイト構築、WEBアプリケーション開発、業務システム開発などがあります。4つの開発領域とRuby on Railsの関係について見ていきましょう。

ECサイト構築

ECサイト構築にRuby on Railsを活用すると、会員ログイン機能など、オンラインストアに必要な機能をスピーディーかつ簡単に実装できます。機能が多く複雑なECサイト構築ですが、Ruby on Railsの導入によって、開発期間の大幅短縮が期待できます。

スタートアップ企業などの現場でも人気があり、スピード感のある開発が叶う点はメリットといえるでしょう。少数精鋭でリソースが限られている企業であっても、Ruby on Railsをうまく活用できれば機能性に優れた高品質なECサイトを構築可能です。

WEBサイト構築

Ruby on RailsはWEB系にも強く、WEBサイト構築を行う際にも活躍します。Rubyという言語そのものが比較的短いコードで機能を実装できるため、後からコードを振り返った際にエラーを発見しやすいという特徴を持っており、開発途中に予期しないエラーが出ても軌道修正しやすい点もメリットです。

コーポレートサイトやブランドサイトなどのWEBサイト構築以外に、ブログやオウンドメディアの運営にも活用できます。

WEBアプリケーション開発

SNSをはじめとしたWEBアプリケーション開発も、Ruby on Railsの導入に向いている開発領域のひとつです。Ruby on Railsを利用するだけでさまざまなサービスを構築できるため、国内外の多くのアプリケーション開発に取り入れられています。

例えば、世界中に多くのユーザーを抱えるSNSサービスの「Twitter」や、日本国内の大手レシピサイト「クックパッド」などは、Ruby on Railsを活用して開発されています。

業務システム開発

社内で利用するための業務システム開発にも、Ruby on Railsが活用されている例は数多くあります。勤怠管理システムや給与計算システムをはじめとした、多種多様な社内業務システムの開発を下支えしています。

社内開発チームを持つ企業や組織であれば、自社の運用に合わせて柔軟に機能の追加ができる点も魅力です。一般的なパッケージやサービスでは対応しきれない業務範囲でも、Ruby on Railsを使って追加機能を手軽に実装できます。

Ruby on Railsが注目されている理由

Ruby on Railsが注目されている理由には、初心者でも学びやすい言語であることや、柔軟性の高さ、コードの短さなどが挙げられます。ここでは、Ruby on Railsが注目される4つの理由を解説します。

初心者でも学びやすい

Rubyは日本生まれのプログラミング言語であることから、日本語の教材やエンジニアによる参考記事が充実しており、初心者でも学びやすい言語です。したがって、RubyをベースにしたフレームワークであるRuby on Railsも、初心者にとって取り組みやすい点が魅力といえます。

これまで全くプログラミング言語を学んだことがない人でも、Ruby on Railsをベースとしてコードを記述するだけで本格的なアプリケーション開発を行えるため、これからプログラミング言語を学びはじめる人にもおすすめです。

柔軟性が高い

Ruby on Railsによって記述するコードを最小限に抑え、納期を短縮できれば、経営判断に合わせて柔軟かつスピーディーにサービス内容を変化させることも可能です。最新のトレンドに合わせて適切な変化を加え、魅力あるサービス提供を実現できます。

また、RubyやRuby on Railsはプログラマー同士の交流も比較的盛んなので、開発中につまずくポイントがあっても解決しやすい点はメリットです。参考文献も多く、基礎を理解していれば応用にも取り組みやすいでしょう。

記述するコード量が少ない

Ruby on Railsは、Rubyで記述するよりも格段に少ないコード量で記述することが可能です。Ruby on Railsは、Rubyと比較して記述ルールが厳格に定められているため、決められた記述ルールに則ってコードを記述していくだけで、手軽にアプリケーションを構築できます。

記述するコード量を削減できれば、同じアプリケーションを完成させるためにかかる時間を短縮させられるだけでなく、サービス全体の軽量化を図って動作をスムーズにさせる効果も期待できます。

案件数が多く単価が高い

日本でもRubyを活用した開発案件は多くあり、なかでもRuby on Railsの習得を必須としている案件がよく見られます。そのため、Ruby on Railsを身につけておくと、Rubyのみを扱えるエンジニアに比べて多くの案件に関われる可能性が高まります。

また、比較的単価が高い案件が多い傾向にあるため、エンジニアとして活躍しながら高収入を目指したい人にも、Ruby on Railsの習得がおすすめです。

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Ruby on Railsの開発事例

Ruby on Railsは、さまざまな開発に活用されています。ここでは、料理レシピサービスを手がけるCookpad、業務管理システム構築のアールラーニング、会計ソフト「freee」を開発するfreee株式会社の事例を紹介します。

Cookpad

ユーザーが投稿した料理レシピを投稿・閲覧できる料理レシピサービスの「Cookpad」は、Ruby on Railsを利用して開発されています。Ruby on Railsを利用して構築されたWEBサイトとしては世界的に見ても大規模であり、その軽快な動作から、「Ruby on Railsは動作が重い・遅い」といわれる場合によく反証として提示されるほど著名です。

同社は開発者ブログを運営しており、Ruby on Railsによる開発情報を積極的に紹介している点も特徴的です。社内に抱えるエンジニアは少数精鋭であっても新機能や新サービスを次々と提供できるのは、Ruby on Railsの柔軟性の高さを十分に活かしている好例といえるでしょう。

参照:クックパッド株式会社

株式会社アールラーニング

株式会社アールラーニングでは、社内に70人ほど在籍しているエンジニアがRubyを活用した開発プロジェクトを立ち上げ、勤怠管理システム「新月-SHINGETU-」を開発・構築しました。このサービスを開発したきっかけは、「Ruby on Railsで新しいサービスを開発してみたい」という社内機運の高まりだったといいます。

開発に先駆けて社内でアンケートを取ったところ、勤怠管理の煩雑さが社内でネックになっているという結果が明らかになりました。社員が客先に常駐しているケースが多く、Excelによる勤怠表の作成・集計に非常に手間がかかっていたことが原因でした。

このような背景から、Ruby on Railsを使って独自の勤怠管理システム「新月-SHINGETU-」を開発し、社内の課題の解決に成功しています。

参照:株式会社アールラーニング

freee株式会社

freee株式会社が提供するクラウド会計ソフトの「会計freee」は、Ruby on Railsを活用して開発されたソフトウェアです。個人事業主や中小企業の業務負担軽減を目的として提供され、多くのユーザーを擁しています。

freeeが2012年11月にベータ版をリリースした後、4ヶ月後の2013年3月に本格的にサービスをリリースできたのは、会計ソフトに不可欠な機能がRuby on Railsに数多く用意されていた点が大きいでしょう。

顧客ニーズを捉えてプロトタイプを作り、スピード感を持って顧客が求めているプログラムを提供する上で最も速く求めている開発を実現できると判断されたため、Ruby on Railsが選択された事例だといえます。

参照:freee株式会社

Ruby on Railsを学習する方法

Ruby on Railsを学習する方法として、書籍やプログラミングスクール、オンラインサービスの活用などがあります。自分に合った方法がどれなのかを十分に検討し、費用なども考慮した上で、最も適したものを選択しましょう。

書籍を参照する

古くから行われてきた学習方法のひとつは、書籍を利用することです。Ruby on Railsについてまとめられた書籍は、専門家の知識とスキルが1冊にまとめられているため学びやすいというメリットがあります。既に基礎が身についており、応用力を鍛えたい人にも向いています。

一方で、初心者の場合は本の厚さに圧倒されて挫折してしまったり、途中でつまずいたときに質問する相手がいないため、先に進めなくなってしまったりするデメリットもあります。

プログラミングスクールに通う

プログラミングスクールに通い、講師から知識やスキルを学ぶ方法も効果的です。現場での開発経験がある元システムエンジニアやプログラマーなど、専門知識が豊富な講師から学べるため、分からない部分もその場ですぐに質問し、解決できる点が魅力です。

1人で学ぶと挫折してしまいがちな人や、1から順番に教えてほしいという人におすすめです。一方で、スクールに支払う授業料などのコストがかかる点はデメリットです。

オンラインサービスを活用する

オンラインサービスを活用し、インターネット上の学習サイトでRuby on Railsの基本的な文法を学ぶ方法もあります。昨今では無料で基本的な知識やスキルを掲載しているWEBサイトもあるため、うまく利用すると費用をかけずに学ぶことも可能です。

なかには有料のオンラインサービスなどもあり、応用性の高いRuby on Railsの活用法も学べます。既に基礎が身についていて、さらにスキルを磨きたい人は、有料サービスの利用も検討してみるとよいでしょう。

まとめ

Ruby on Railsを活用することで、Rubyよりも短いコードを記述し、簡単に本格的なプログラミング開発が可能になります。初心者でも学びやすいため、これからプログラミングの学習をはじめたい人にもおすすめです。

Ruby on Railsを学習するためには、書籍やプログラミングスクールへの通学、オンラインサービスの利用など、さまざまな手段があります。自分に合った手段を選択し、最適な学習環境で学びましょう。

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