フリーランスエンジニアはリモートワークで働ける?向いている人の特徴を解説
新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけとして、リモートワークは一気に広まりました。特に在宅で仕事ができるエンジニアには、リモートワークが一般的な選択肢になってきたと言えます。
そこで、当記事では、リモートワークの現状、どのようなエンジニアがリモートワークに向いているのかなどをご紹介します。
リモートワークの現状
まずはリモートワークの基本と、日本での現状をご紹介します。
リモートワークとは
リモートワーク(テレワーク)とは、オフィスから離れた遠隔地で働く勤務形態のことです。ITエンジニアはたいていの場合、PCを使って仕事をするため、自宅やカフェ、サテライトオフィスなど、ネットワーク環境さえ整っていればどこでも働けます。
リモートワークには週に数回の出社が必要なケースと、全勤務時間がリモートワークとなる「フルリモートワーク(通称:フルリモート)」があります。
エンジニアのリモートワークの割合はおよそ3割
新型コロナウイルス感染症が流行し始めた2020年3月以降、リモートワークは一気に導入が進みました。現状では、会社員・フリーランスともにエンジニアのリモートワークの割合はおよそ3割です。「令和3年度テレワーク人口実態調査」によると、会社員にあたる雇用型テレワーカーの割合は27.0%、フリーランスにあたる自営型テレワーカーの割合は27.3%です。
また同調査では業種別・職種別でのテレワーカーの割合も公表しています。業種別のテレワーカーの割合は、雇用型テレワーカーも自営型テレワーカーも「情報通信業」がトップでした。職種別でも「研究職」や「技術職」の割合の高さが目立ちます。これらのことから、エンジニアが職種として、リモートワークと相性が良いことを示しています。
参考:
経済産業省|令和3年度テレワーク人口実態調査-調査結果-
総務省|令和3年版 情報通信白書|テレワークの実施状況
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エンジニア職がリモートワークと相性が良い理由
国の調査では、技術職においてリモートワーク率の高さがうかがえました。エンジニアがリモートワークと相性が良い理由には、下記が考えられます。
必ずしも出社する必要がない
エンジニアは作業フェーズによって、チームメンバーやクライアントと対面しなくても業務が行える時期があり、その場合に出社は不要です。エンジニアの業務はリモートワークでも行えるもので、特に開発の場合は常駐する必要がなく、フルリモートの案件が多く見受けられます。
ただし要求定義などクライアントと関わる上流工程やプロジェクトマネジメント、サーバーやネットワークなどのインフラに関わる業務では、リモートワークができる場合、できない場合があるので注意が必要です。
1人で行う作業が多い
エンジニアの業務には、プログラミングやシステム設計など1人で取り組む作業があります。システム開発業務の場合は、クライアントや開発メンバーとのやりとりも発生しますが、基本的には割り当てられたタスクをこなすのが業務の中心です。
またITコンサルタントや技術支援アドバイザーの場合は、業務分析やアドバイスを準備します。このように1人で行う作業が多いことが、エンジニアがリモートワークで働きやすい理由のひとつとなっています。
作業環境を整えやすい
そもそもエンジニアはITに関わる仕事で、PCや周辺機器の知識を有しています。どの機器がリモートワークに必要か、機器の設定はどのように行うのかなどを、自分だけで検討することが可能です。
開発を行う場合にも、社内環境の利用はもちろん、社外のプラットフォームを利用して開発する方法もあります。リモートワークでの働き方は、エンジニアにとって作業環境を整えやすいのも魅力です。
エンジニアがリモートワークをするメリット
次にエンジニアがリモートワークを行うことのメリットをご紹介します。
自分の好きな場所や環境で業務に取り組める
リモートワークの最大のメリットは、自分のやりやすい環境で業務に取り組めることです。リモートワークでは自宅をはじめ、カフェやコワーキングスペース、サテライトオフィスなどの場所で働けます。
自宅で作業をしていて意欲が低下した際も、別の場所に移動して作業し、効率化を図ることが可能です。自宅でも自分が働きやすいように、作業スペースのレイアウトを整えたり便利グッズを買ったりと工夫も自在です。
また遠方の企業の案件でも、リモートワークが可能であれば地方に在住しながら参画できます。条件次第で、愛着のある地域に住みながら都市部の企業からフルリモート案件を受ける、といったことも可能です。
通勤時間が減る
リモートワークだと、電車やバスに乗って通勤をする必要がありません。満員電車のあの窮屈な時間を過ごさなくて済むため、体に疲労がたまらず、仕事へのモチベーションもアップします。
また本来の通勤時間を勉強や家事、家族との時間など好きなことに充てられます。特に育児や介護をしている人にとっては、忙しい朝・夕方の時間を確保できるのは魅力的です。
人間関係のストレスが軽減する可能性
人間関係のストレスが減る可能性があるのもリモートワークのメリットとなります。職場に苦手な人がいると、仕事へのモチベーションは上がりにくいものです。リモートワークだと苦手な人と接触する機会が少なくなるため、小さなストレスを軽減できます。
ただし人間関係のストレスが軽減するかどうかは、人によります。人に会わないことは、職場での人間関係が希薄になったり、社会との繋がりを感じられなくなったりするデメリットともなりえることは覚えておきたいところです。
生産性が上がる
オフィスにいると必要以上に上司の目を感じたり、他人宛ての電話に出たりして、集中力が削がれるのはよくあるケースです。リモートワークだと自分1人で目の前の業務に集中して、より円滑に業務を行えるので、生産性が上がります。
特に1人で業務を行うことが得意な人にとっては、生産性の向上は顕著なものとなります。
希望の条件の仕事を選びやすい
IT業界は人材不足の状態が続いているため、企業がエンジニア獲得のためにリモートワークOKとする案件を多く募集しています。なかにはフルリモートOKとする案件も少なくありません。
フリーランスや副業で働く場合、案件が豊富で、自分の希望する条件の仕事を選びやすいメリットもあります。報酬の高い案件を選べるほか、スキルアップや新しい職種に挑戦するといったことも可能です。
リモートワークのデメリット
エンジニアに限らず、リモートワークにはデメリットもあります。ここでは、リモートワークによるデメリットを解決策とともに紹介します。
コミュニケーションが取りにくい
リモートワークでのコミュニケーションは基本的に、チャットツールやWeb会議ツール、メールなどが主となります。オフィスと違って隣にいる人に分からないことを気軽に聞きにくく、コミュニケーションの機会が減ってしまう可能性があります。
エンジニアはチームで仕事を進めるため、チームメンバーへの仕様確認や進捗管理、プロジェクトマネージャーへの報告など情報共有は必須です。もしコミュニケーションをとらなかったために誤解や齟齬が発生すると、それらを解消するためには時間も手間もかかります。
コミュニケーションを取りやすい環境を作る
リモートワークのコミュニケーション不足を解消するには、まずコミュニケーションのハードルを下げることが大切です。
その方法の一つとして、コミュニケーションツールを導入し、気軽に相談できる環境作りが挙げられます。特に双方向のコミュニケーションが取れるツールを取り入れることで、コミュニケーション不足を補うことができます。以下、代表的な2つのコミュニケーションツールを紹介します。
- Slack
Slackは細かいプロジェクトやチームごとにチャンネルを作成することができ、情報の集約が可能です。さらに、1,500以上の他サービスと連携しており、タスクや日程の管理や資料共有を手軽に行うことができます。
- Chatwork
Chatworkは1対1のチャットだけでなく、グループチャット機能、音声・ビデオ通話機能などの多様なコミュニケーション機能があります。タスク管理や安否確認などのその他機能も充実しており、複数のツールと一緒に導入する必要がありません。
状況(業務・進捗・課題)の共有
リモートワークでは、チームメンバーがそれぞれどのような状況で業務に取り組んでいるのか把握する事が難しく、連携を取りづらいです。
そのため、スケジュールの共有や進捗確認をするなど稼働状況をシェアすることで、業務を効率よく行うことができる、チームに一体感が生まれるなど、コミュニケーションの問題を防ぐことができます。
目標の明確化
リモートワーク中の上司から部下への指示出しは、できるだけ明確に行わなければいけません。指示が不明確であると、部下が意図しない方向に仕事を進めてしまう可能性があり、手戻りの発生や無駄な工数を使います。
そのため、文章での説明が難しい場合は、スライドや画像で説明するなど、チーム全体で工夫して指示出しや目標の明確化を行いましょう。
自己管理が難しい
自宅で業務を行う場合、生活空間と作業空間が同じ場所にあり、仕事とプライベートの切り替えがうまくできない人も珍しくありません。休む時間がなく長時間労働に陥ってしまうという、望ましくないパターンもあります。
リモートワークにおける自己管理にはこのようにさまざまな問題が発生するため、問題が小さいうちに1人で対処しなければなりません。
また、比較的自分のペースで業務を進めやすい分、上司や同僚の目がない環境で1人でずっと作業しているとモチベーションを保てないこともあります。
1人で集中し、自宅の中でPCに向かってずっとコードを書いていると、孤独感が募りストレスも溜まりがちです。オフィスほどの緊張感がなく、仕事中にダラダラと怠けてしまうこともあります。ひいては生産性が落ちてしまいます。
ON・OFFを切り替えられる環境を作る
リモートワークでは、自宅で業務を行う人もいます。しかし、プライベートと仕事の切り替えがうまくいかず、集中力の低下や長時間労働など、業務に支障をきたす人も少なくありません。
そこで、解決策としてナレッジソサエティのようなシェアオフィスやワークスペースなどを利用することが挙げられます。個人作業や打ち合わせなど、目的に応じた様々な種類のスペースがあり、プライベートと仕事の切り替え・自己管理を行うことができます。
自分のタスクを可視化するようにする
リモートワークでは、業務の進め方が個人に委ねられることが多く、自身でタスクを管理しなければいけません。そのため、タスクの抜け漏れが発生する可能性があり、工夫したタスク管理が必要です。
管理方法の例として、Jootoなどのタスク管理ツールを使うことです。Jootoなどのツールを利用することで、チームメンバーの進捗管理・適切な業務配分の実現、タスクの抜け漏れ防止や遅れなどを防止することができます。
リモートワークに向いている人の特徴・スキル
リモートワークのデメリットを克服している人も、もちろんいます。リモートワークに向いている人が持っているスキルと、実際に行われている工夫もあわせてご紹介します。
スケジュール管理ができる
仕事をする時間、休憩の取り方、タスク管理や会議のスケジューリングなど、仕事の流れを自分で把握し、実行できる人はリモートワークに向いています。納期に間に合わせられるように、適切に業務の負荷を割り振り、スケジュールを組むことが大切です。
スケジュール管理ができる人は、作業の負荷と作業時間を把握し、優先順位をつけて作業を行っています。
オン・オフの切り替えができる
仕事とプライベートの時間をしっかり切り替えることも、リモートワークには欠かせない能力です。オン・オフの切り替えができないと、生産性が低下し、疲労もたまってしまいます。
オン・オフの切り替えができる人は、オフィスと同じように着替えやメイクを行ったり、生活と仕事の部屋をわけたり、業務が終了したら仕事への意識を緩めたりと、工夫を行っているものです。裏を返せば、自宅だとリラックスしてしまい集中できない人は、オフィスで勤務するほうが向いていると言えます。
IT機器周りの準備・設定が自分でできる
PCを始め、インターネット環境やクラウドサービスなど、業務に必要な環境は自分で用意する必要があります。たとえばPCのセットアップおよびセキュリティ対策、LANルーターの設定、開発に使うGitHubやコミュニケーションに使うSlackのインストール、といったことが挙げられます。
ただしこの点は、専門家であるエンジニアが困ることは少ないはずです。
1人の方が集中できる
1人で作業しても孤独感を感じにくく、周囲の目や外部の騒音がない方が集中できる人にとって、リモートワークはまさに快適な作業環境です。
周囲の目があるほうが気の緩みがなくて良いという性格の人でも、環境面での工夫はできます。Web会議ツールで会議をオンラインのままにしたり、雑談できる部屋を作ったりと常に誰かと繋がれる工夫をすることで、オフィスにいるような感覚になれます。
コミュニケーションがとれる
リモートワークには、チャットツールやWeb会議ツール、メールでの連絡が基本になり、対面とは違ったコミュニケーションスキルが必要です。
リモートワーク下でも成果を出している人は、自分から積極的にコミュニケーションをとり、業務をスムーズに進めています。チャットツールでは文章で意思疎通を行うため、予期せず誤解を生む可能性があります。コミュニケーションの際には齟齬が起きないよう、文章だけで意図が正確に伝わるように、注意を払うことが必須です。
またリモートワークに限りませんが、報告・連絡・相談も大切です。リモートワークの場合は相手が今どのような状態か推測しにくいため、頻繁にコミュニケーションをとると相手に安心してもらえます。
自分でスキルアップできる
IT業界は情報の革新スピードが速く、エンジニアも常にスキルアップが求められます。特にフリーランスの場合は、スキルが報酬に直結するため、継続的に学習することが必要です。
しかしリモートワークでは情報共有がしにくく、特に今学んでいる技術や注目している情報はなかなか話題にあがりません。しかしリモートワーク下においても、自分でスキルアップの意識を持っておき、ときには誰かと情報共有しながら行動することが大事です。
成果主義の評価に抵抗がない
リモートワークになると、上司にとっても作業プロセスが見えにくいため、多くは成果で評価されることになるはずです。製作したものの品質はもちろん、納期の遵守や急なトラブルへの対応などで実績を評価されます。
このような成果主義の評価に抵抗がない人にとっては、リモートワークはやりがいのある働き方になります。プロセスが評価されるかはさておき、上司に成果もプロセスも見てもらいたい場合には、上司と対面できるオフィスで勤務するほうがおすすめです。
リモートワークエンジニアを目指すならエージェントの利用が近道
リモートワークが推進された昨今、正社員でもリモートワークが可能となりました。もし現在勤めている企業でリモートワークができるのであれば、会社と相談してリモートワークに切り替えることも選択肢のひとつです。
また、これからフリーランスや副業でリモートワークエンジニアを目指す場合は、次のような仕事の探し方があります。
- 知人や取引先から紹介してもらう
- 直接企業が募集している案件に応募する
- SNSの募集に応じる
- クラウドソーシングを利用する
- エージェントを利用する
なかでもエージェントの利用は、下記のような利点があり、案件探しにおすすめです。
エージェントが案件を紹介してくれる
エージェントに登録すると、コーディネーター(エージェントの担当者)が登録者のスキルに合った案件を紹介してくれます。自分だけで求人を探す際には、業務内容や勤務条件を精査しながら企業や業界の研究を行うことになり、時間がかかってしまいます。
エージェントであれば、自社のノウハウで企業の内情を把握してから紹介してくれるため、エンジニアは自分で細部まで調査する必要がありません。また参画した案件が終了した後も別の案件を紹介されるなどの対応があり、案件が途切れる可能性が少なくなります。
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リモートワークの案件に変更することも可能
参画中の案件でも、リモートワークに変更できないか相談ができます。コーディネーターはエンジニアが案件に参画する間もサポートを行っています。その一環として、リモートワークへの変更もコーディネーターがクライアントに打診可能です。また案件が終了する際に、希望があれば次回の契約でリモートワークの案件を選ぶこともできます。
【未経験の場合】オフィスでの勤務を経験しておくと良い
エンジニア未経験の場合は、リモートワークをしたいと思っても難しいかもしれません。エージェントが持つ案件の多くは、「経験者優遇」となっており、リモートワークOKの案件も例外ではありません。
必ずしも案件を受けられるわけではありませんが、未経験者でもオフィスでの勤務を経験しておくのがおすすめです。ビジネススキルは、案件の発注者にとっては身に着けておいてほしい能力であるため、業務を依頼するべきかどうかの判断の際に参考にされます。
まとめ
リモートワークでエンジニアが働くことについて、さまざまな観点からご紹介しました。リモートワークは、オフィスよりも場所・気持ちともに自由に働けることが大きなメリットです。その反面、自己管理が重要になってきます。
「自分がリモートワークに向いているかもしれない」「フリーランスでの働き方もいいかもしれない」と思っている人は、まずリモートワークでの働き方をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。あるいはリモートワークをしている人やエージェントに相談して、事情を詳しく知るのも手です。ぜひ自分に合った働き方を見つけてください。
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