バックエンドエンジニアの年収は?フロントエンドエンジニアとの違いも

バックエンドエンジニアの平均年収
バックエンドエンジニアの平均年収を、各求人サイトに掲載されている情報を基に記載します。
平均年収 | |
職業情報提供サイト(※1) | 733万 |
マイナビAGENT(※2) | 462万 |
転職サイトdoda(※3) | 438万 |
レバテックフリーランス(※4) | 900万 |
日本人の平均年収(※5) | 433万 |
国税庁が調査した民間給与実態統計調査(令和2年)(※6)によると、日本人の平均年収は433万です。日本においてバックエンドエンジニアは、年収が高めの職業と言えます。
※参考1:職業情報提供サイト(記事内就業者統計データに記載されている賃金)
※参考2:マイナビAGENT(記事内サーバーエンジニア欄に記載されている平均年収)
※参考3:転職サイトdoda(記事内ITエンジニアの職種別の平均年収欄に記載されているサーバーエンジニアの平均年収)
※参考4:レバテックフリーランス(記事内に記載されているバックエンドエンジニアの平均年収 2022年11月時点)
※参考5:日本人の平均年収(記事内に記載されている平均給与 P.6)
※参考6:民間給与実態統計調査
フロントエンドエンジニアとの年収比較
バックエンドエンジニアとフロントエンジニアとの年収を比較した表を下記に記します。
平均年収(バックエンド) | 平均年収(フロントエンド) | |
職業情報提供サイト(※1) | 733万 | 523万 |
マイナビAGENT(※2) | 462万 | 440万 |
転職サイトdoda(※3) | 438万 | 413万 |
レバテックフリーランス(※4) | 876万 | 840万 |
平均的にバックエンドエンジニアの年収のほうが高いことが見て取れます。フロントエンドからバックエンドに転職をすれば、年収が高くなる可能性があります。
※参考1:職業情報提供サイト(記事内就業者統計データに記載されている賃金)
※参考2:マイナビAGENT(記事内ソフトウェアベンダ欄に記載されている平均年収)
※参考3:転職サイトdoda(記事内ITエンジニアの職種別の平均年収欄に記載されているWebサービスエンジニアの平均年収)
※参考4:レバテックフリーランス(記事内冒頭に記載されている平均年収)
バックエンドエンジニアはどんな仕事をしているのか
バックエンドエンジニアは、普段ユーザーの目には映らない裏側を支える業務を担当します。主には以下のような業務を担当します。
- クライアントとのヒアリング
- 要件定義
- 設計・開発
- 機器の導入
- データベースの構築
- キッティング作業
- 機器の実装
パソコンを使って開発作業をするだけではなく、クライアントとのやり取りや機器の設置なども、バックエンドエンジニアの仕事の一つです。
バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアは何が違う?
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの違いは、作業対象がユーザーの目に見える部分か、見えない部分かで分類されます。 フロントエンドでは、ユーザーが実際に操作をするWebサイトの制作、アプリサービスの制作を行います。システムを実際に利用するユーザーとの関わり合いが多い立場です。 バックエンドでは、クライアントの要望に沿ったシステムの考案からサーバーの構築、データベースの構築などを行います。サービスを提供するクライアントとの関わり合いが多い立場です。
バックエンドエンジニアが今後も求められる3つの理由
総務省が公示した情報通信白書(令和元年版)(※1)によると、ITエンジニアの仕事はAIを導入したことにより、「減る仕事」よりも「増える仕事」のほうが多いという調査結果が示されました。 情報通信白書(令和4年版)(※2)ではICT(情報通信技術)による「労働参加の拡大、地域活性化」などが期待されており、ICTに関わる業務を行っているバックエンドエンジニアの需要は、これからも増加していくと予想できます。 増加していくと考えられる理由を3つの焦点から解説します。
※参考1:情報通信白書(令和元年版)
※参考2:情報通信白書(令和4年版)
理由1:市場規模が拡大する
AIやクラウドシステムによる作業の自動化、技術の進歩によりバックエンドの業務は機械に代替されるとも言われています。 しかし、バックエンドエンジニアが担う数多くの作業を機械が網羅することは困難です。 総務省が公示したメディア・ソフトの制作および流通の実態に関する調査(令和2年度版)(※)の報告書によると、「通信系コンテンツ」の市場規模は年々増加の傾向にあります。業界全体の市場規模が大きくなることで、バックエンドエンジニアの需要も増えていくと予想できます。
理由2:自動化できない業務がある
AI、クラウドの概念が登場したことにより、バックエンドエンジニアの仕事の多くが自動化されると予想されています。 点検作業などの一部の業務が自動化したとしても、バックエンドエンジニアが担うすべての業務が自動化されることはないです。 新しいサービスや技術を取り入れる場合、「クライアントとミーティングを行い、導入を決め、運用の準備を行う」これらの作業はバックエンドエンジニアが担う必要があります。
理由3:参入障壁が高いため人材流入が少ない
バックエンドエンジニアが担う業務範囲は広大です。扱う機器の知識からデータベースの知識、対応したプログラミング言語の知識まで、多くの知識を網羅しておく必要があります。 加えて、「クライアントからヒアリングをする」といった人間同士のやり取りなどもあるため、コミュニケーション能力などの対人スキルも必要です。 必要とされる知識量が多く新規参入のハードルも高いため、人材流入が少ない傾向にあります。
バックエンドエンジニアがスキルアップするための3つのポイント
バックエンドエンジニアは覚えるべき知識が多いため、キャリアパスを見据えたスキルアップを、効率よく計画的に行う必要があります。ポイントを3つに分けて解説します。
1.既存業務に関係するスキルや知識の向上
既存業務に関係するスキルや知識の向上を計り、テックリードやエンジニアリングマネージャーなどといったキャリアアップを目指します。 社内での職位アップのためには、既存業務に関するスキルや知識の向上が大事です。向上させるべきスキルを細分化し、計画的に学習していくことをお勧めします。
- プログラミングスキル
- フレームワークの知識
- OSの知識
- サーバーの知識
- データベースの知識
- コミュニケーションスキル
プログラミングスキル
エンジニアは必ずプログラミング言語を扱います。 開発をする際は、構文を調べながら構築していくことが多いです。 より知識を深めていくことで時間を短縮でき、作業スピードも向上します。扱える言語を増やすことで、対応できる範囲を広げていくのも大事です。 RedMonk(※)の「The RedMonk Programming Language Rankings」を基に、お勧めの言語を紹介します。
- Python:シンプルで覚えやすく、機械学習に適している言語
- Java:大手企業のシステムで採用されていることが多い、汎用性が高い言語
- PHP:日本でのWebサイト構築言語シェア率がもっとも高い言語
※参考:RedMonk The RedMonk Programming Language Rankings: January 2022
フレームワークの知識
フレームワークを学べば、開発に要する時間を削減することが可能です。 簡単なシステムであればフレームワーク一つで解決できることもあります。 フレームワークの学習においては、「構築するシステムに対してどのようなフレームワークが適応するか」を見定めることができる目を養うことも大事です。
OSの知識
OSはWindowsだけではなくmacOSやLinuxなどもあります。扱えるOSが増えれば、対応できる範囲も広がります。 OSには多くの機能も備わっています。 特に時間に関係する機能が多く、ファイルを時間指定して読み込んだり、時間指定をして自動でシャットダウンを行うことが可能です。 システム構築時にOS側の機能を組み込むこともあり、OSの知識を有していればより複雑なシステムの構築も可能です。
サーバーの知識
サーバーの構築やセキュリティについての知識を蓄えておけば、プログラミング以外での業務も担当することが可能です。 要件定義をもとにサーバーシステムの構築を行えたり、セキュリティ面での監査が可能な人材となれば、より高い職位へのキャリアアップを見据えることができます。 サーバーサイドのすべてを把握できるスキルは、テックリードにとって欠かせないスキルです。
データベースの知識
システムを運用する際に必要なデータは、データベースに蓄積されていきます。データベースはクライアントの情報集積元であるため、適切に運用していかなければなりません。 顧客情報を扱うデータベースの知識を習得すれば、エンジニアリングマネージャーなど高い職位へキャリアアップすることが可能です。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルが直接的にキャリアアップにつながるわけではありません。 しかし、バックエンドエンジニアはキャリアアップすると、必ず人間同士でのやり取りが増加します。例えば、ヒアリングした内容とシステムに乖離がないかを話し合う際には、コミュニケーションスキルが必須となります。 上流工程に携わるエンジニアになるためには、身に着けておくべきスキルと言って過言ではありません。
2.フロントエンドの業務知識を身に着ける
フロントエンドの知識を学べば、フルスタックエンジニアとして活躍することができる道が見えてきます。 文字通りシステムの表から裏まで、一気通貫した知識を持ち合わせていることとなり、希少性の高い人材として重宝されます。 フロントエンドエンジニアのスキル例を下記に示します。
- HTML、CSS
- JavaScript
- CMSの操作、構築
HTML、CSS
エンドユーザーが実際に操作するWebサイトは、基本的にHTMLとCSSで記述されています。 HTML、CSSはバージョンの違いにより表示が変わり、ユーザーが使用する機器(パソコンやスマートフォン)の違いにより表示が変わります。各違いを把握してユーザビリティの高いWebサイトを提案できるスキルが必要です。 Webサイトの設計、コーディングもこなせる人材であれば、希少性が増し有利になります。
JavaScript
JavaScriptはブラウザ上で動的ページを作る上で欠かせない言語です。 フロントエンドエンジニアのコアとなる言語とも言え、動的ページには必ずと言っていいほど使用されていることから、人気の高い言語でもあります。RedMonk社が実施した「プログラミング言語ランキング」(※)では、「JavaScript」が1位、「Python」が2位と、いずれの言語も人気を得ていることがわかります。 HTML、CSSと同様に習得すれば希少性が高まり、文字通りシステムの表から裏までを把握した人材になります。
※参考:RedMonk Q322 Programming Language Ranlings
CMSの操作、構築
日本の多くの企業でCMSの導入が増加しています。とくにWordPressを扱っている企業が多く、Web Technology Surveys(※)によると、2022年11月時点の日本国内でCMSに占めるWordPressのシェア率は84.2%です。 多くの企業が取り入れているWordPressの操作や、WordPressを用いたWebサイト構築の知識を学んでおくのは、今後のキャリアアップに繋がります。
3.クラウドシステムの知識を身に着ける
情報通信白書(令和2年版)(※1)、通信利用動向調査報告書(令和3年)(※2)によると、近年多くの企業において、クラウドシステムの利用が増加しています。 クラウドシステムの知識を身につけておけば、今後の仕事でも有利にすすめることが可能です。 新サービス、新技術に対応できる、幅広い知識を網羅した人材をどこの企業も求めています。日進月歩の先端技術を学習していく意欲が大事です。
※参考1:情報通信白書(令和2年版)
※参考2:通信利用動向調査報告書(令和3年)
バックエンドエンジニアの年収をアップさせる3つの方法
年収を上げるには大まかに二つの方法が考えられます。 1.スキルを磨いてキャリアアップ・キャリアチェンジをする 2.フリーランスに転職する
1.スキルを磨いてキャリアアップ・キャリアチェンジをする
社内で職位を上げる、もしくは別の企業への転職を機にキャリアチェンジをするという方法があります。 例えば、フルスタックエンジニアやエンジニアリングマネージャー、テックリードと同等の知識レベル・技術レベルを目指すといった方法が考えられます。これらの職種は高いスキルを求められるため、必然的に年収アップに繋がるでしょう。
2.フリーランスに転職する
冒頭で提示した年収比較の項目を見るとわかるように、フリーランス年収が会社員より高い傾向にあります。 フリーランスに転職すれば、1つの企業に縛られることなく同時にいくつかの企業と契約を結ぶことができ、同時にいくつもの案件を掛け持ちすることができるため、年収を上げやすいです。 フリーランスを募集している採用側は、プロジェクトにコミットしたスキルや知識を持っている人材を探すことが多く、専門性を求めています。採用基準が高くなるため、報酬も高いです。 ただし、フリーランスはすべてを自分で管理し、責任を負う必要もあります。案件も自分から受注するために探しに行く必要があります。
まとめ
バックエンドエンジニアは、主にユーザーの目には映らない分野で仕事をしています。 仕事内容が多岐に渡るため必要な知識が多いですが、経験を積めけばより高い年収を目指せる職業です。 上位の職位を目指して縦展開を図る、フロントエンドの知識を吸収し、フルスタックエンジニアを目指して転職するといった、武器となる多くの選択肢を考慮できます。 自分自身のキャリアアップを目指し、計画的にステップアップするための参考になれば幸いです。
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