フロントエンドエンジニアの平均年収は?キャリアアップの方法も解説
フロントエンドエンジニアはユーザーが実際に触れる「Webサイト」の部分を設計、制作するエンジニアです。まだカテゴライズされてから日が浅く、フロントエンドエンジニアはサイト設計からWebデザイン、サイトコーディングまでの広大な範囲を担っております。
よく対比されるバックエンドエンジニアと比較しつつ、年収、仕事内容、キャリアアップのために必要なスキル情報を解説します。
将来を見据えたキャリアプランを立てる際の参考となれば幸いです。

フロントエンドエンジニアとは?
フロントエンドエンジニアとは、主にユーザーが触れる部分「Webサイト」の操作画面や自社サービスのUI(ユーザーインターフェース)を設計・構築するエンジニアのことです。また、近年はスマートフォンの普及が進んでいることから、モバイルの用のUI(ユーザーインターフェース)の設計も増えています。
会社によってはデザインをWebデザイナーにではなく、フロントエンドエンジニアに任せるところもあり、フロントエンドエンジニアの担当する業務範囲が少しずつ広がりを見せています。
なお、一般家庭にパソコンを普及させたと言われている1995年にOSWindows95が発売されました。その後、複雑化していくフロントエンドの仕事をするエンジニアたちを呼称するために、フロントエンドエンジニアという言葉が生まれました。まだ長くても25年前後しか経っていない分類方法です。
フロントエンドエンジニアのキャリアパス
フロントエンドエンジニアとは定義が曖昧な職種です。どこまでのスキルを持っていれば「フロントエンドエンジニア」というのかは企業によって異なります。
一般的なキャリアパスとしては、コーダーからスタートし、マークアップエンジニア、フロントエンドエンジニアと進む流れが主流となるでしょう。
まず、コーダーとはHTMLやCSSをコーディングする仕事となります。知識が0であっても学びやすいことから、初心者に人気の職種です。
マークアップエンジニアは、コーダーよりも高いコーディングスキルを持っている人を指します。HTMLやCSSだけでなく、動的ページを製作する際に利用されるJavaScriptなどのスキルが求められます。ただコーディングするのではなく、サイトの目的達成のために、ユーザビリティへの配慮やSEOに適したコーディング施策を考えられる能力が必要です。
上記言語はもちろんのこと、より複雑なJavaScriptやPHPなどが扱え、サーバーサイドの知識も有し、デザイン設計も担える人を、フロントエンドエンジニアと呼びます。サイト設計の全行程を、俯瞰的に見て理解できる能力が必要です。
フロントエンドエンジニアの平均年収
結論として、フロントエンドエンジニアの平均年収は一般的な日本人の平均年収よりも高いです。
また、スキルを身に着けていけば、平均年収の2倍以上の年収を獲得するのも夢ではありません。
下記は厚生労働省が公開しているフロントエンドエンジニアの平均年収と、転職サイト2社とフリーランス案件紹介サイト2社のデータを比較した表となります。
参考サイト | 平均年収(フロントエンド) |
職業情報提供サイト|厚生労働省 | 523万 |
マイナビAGENT(転職サイト) | 440万 |
転職サイトdoda(転職サイト) | 413万 |
TechStock(フリーランス案件紹介サイト) | 834万 |
レバテックフリーランス(フリーランス案件紹介サイト) | 864万 |
日本人全体の平均年収が433万(※)という調査結果と比較すると、フロントエンドの平均年収は523万と高い傾向にあることが分かります。
なお、転職サイトでは平均年収を下回る、もしくは同等レベルの年収となる傾向にあります。これは転職サイトにおける平均年収が、登録したユーザーのデータを基に算出されているからと推察できます。言い換えれば「転職を希望するフロントエンドエンジニアの平均年収」とも捉えることができます。
対して、フリーランス案件紹介サイトは2倍近くの年収となる傾向にあります。これは人材を獲得したい企業の求人情報から算出しているためで、「企業側から見たフロントエンドエンジニアの需要」と捉えることができます。
収入を上げるためには高いスキルと知識を要求されますが、これらのことより現在の年収が433万前後である場合は収入アップのチャンスが広がっているとも考えられるでしょう。
フロントエンドエンジニアの将来性
フロントエンドエンジニアの市場は、今後も増加し続け需要が無くなることはないと考えられます。
総務省が公示している情報通信白書(令和4年版)(※)に書かれている「我が国におけるスマートフォンの世帯保有率の推移」を見ると、2021年は88.6%の世帯がスマートフォンを所持している、という調査結果が示されました。
今ではパソコンだけではなく、モバイルでも多くのユーザーが、アプリケーションサービスやインターネットサービスを利用しています。
今後もアプリやWebサービスは増え続けることを考えると、これからもWeb業界は発展をしていくと予想されます。
一方で生成AIを始めとする技術が発展していくことで、知識がなくても開発ができるどころか、開発そのものに人の手をかける必要がない時代がやってくる可能性は十分に考えられます。そういう未来に直面する前に、スキルは積極的に広げていくべきです。
※参考:情報通信白書(令和4年版)
フロントエンドエンジニアが年収をアップさせる方法
フロントエンドエンジニアの業務は多岐に渡り、それだけにキャリアパスも数多く描けます。
ここではスキルによるキャリアパスではなく、立場によるキャリアパスを紹介していきます。
- フロントエンドエンジニアとしてのスキルを広げる
専門性を突き詰めていくことで、自身の人材価値を高めていきます。メリットは社内でのポジションアップだけでなく、将来転職やフリーランスとして独立したいと思った際にも役に立つ点です。 - 別の職種にキャリアチェンジする
専門性を高めるだけでなく、スキルの幅を広げていくという手段も考えられます。フロントエンドエンジニアのスキルを活かせるWebディレクターやフルスタックエンジニアなどの違う職種に挑戦することで年収を上げます。 - 職場環境を変化させる
現在の会社が評価されにくい人事制度である、または企業規模が小さい等の理由から、年収を上げること自体が難しい職場環境である可能性も考えられます。
そのためには評価制度がしっかりしている規模の大きな会社に転職をするという手段が考えられます。他にもフリーランスであれば一つの会社に縛られることがないため、案件数をこなして収入を上げることが可能です。
年収アップにおすすめ!フロントエンドエンジニアが習得すべき5つのスキル
フロントエンドエンジニアの業務内容は広範囲に及びます。そのため、エンジニアに関するスキルを網羅しようとするのではなく、ご自身の希望するキャリアパスに沿って、必要なスキルを習得することが重要です。
1.HTML、CSS、JavaScript
フロントエンドエンジニアのほとんどが扱うことになる言語です。
日ごろからより多くの知識を吸収することで専門性が向上します。
JavaScriptの知識を増やしていけば、HTMLやCSSを制御するシステムの構築やモバイル版のUI設計などでも、重宝される人材となりえます。
2.CMSの操作、構築(特にWordPress)
インターネット上で自社サイトを構築しPRできるようになったため、多くの企業でサイト構築のためにCMSを導入しています。
Web Technology Surveys(※7)によると、2022年11月時点の日本国内でCMSに占めるWordPressのシェア率は84.2%に上ります。
WordPressの操作や、WordPressを用いたWebサイト構築の知識を学んでおけば、広い範囲の業務知識を兼ね備えたエンジニアを目指すことができるでしょう。
3.バックエンドが担う言語
バックエンドエンジニアが担当することが多いRubyやPHPなどの言語を習得しておけば、Webアプリケーションの作成やCMS自体の構築、改良といった専門的な業務まで行えます。
バックエンドエンジニアを担当している人とも同じ知識量で会話ができることで、よりプロジェクトを円滑に進行できます。
将来は表から裏まで精通した、フルスタックエンジニアとして活躍することが可能です。
4.デザインスキル(UI/UX設計スキル)
Webデザイナーが行う業務知識を習得すれば、コーディング作業をより円滑に進めることができ、WebデザイナーとUI/UX設計について協議することも可能です。
ユーザーの満足度に直結するスキルでもあるので、フロントエンドエンジニアには重要です。
ユーザビリティを考慮したコーディングを行うことができるようになり、テックリードとしてWebの設計も行えます。
5.SEOに関する知識
サイトのSEOは、サイト外部施策やサイト内部施策など、範囲が広大です。
サイト内部の施策にあたるテクニカルSEOについては、サイト構造やクローラーの動きなどを理解することで、
検索エンジンによるクローリング速度向上に繋がり、結果的には自社の認知、収益を上げる要因となりえます。
まとめ
職業として呼ばれるようになってからまだ日も浅いフロントエンドエンジニアですが、フロントエンドエンジニアの業務範囲は広がりを見せています。
ご自身が担当しているフロントエンドの知識だけではなく、幅広い分野の知識を取り入れていくことで、スキルアップやキャリアアップをしていくことができます。
ご自身で考えたキャリアパスに沿ったスキルから習得していき、計画的にステップアップすることが重要です。
フリーランスエンジニアの案件紹介ならTECH STOCK!

TECH STOCKは直受け案件・高単価案件が豊富なフリーランスエンジニアの案件紹介サービスです。案件獲得のためのフォローアップも充実!初めての案件探しをサポートします。
関連する記事
おすすめの記事
大手企業のAmazonやMicrosoft、Googleなどがクラウドコンピューティングサービスを提供するなど、世界中でクラウドの活用が広がっています。このような背景に伴って、クラウドを活用できる技術者の需要も高まっているため、新たにクラウドを学びたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これからクラウドエンジニアとして活躍を目指すなら、資格試験を通してクラウドを勉強するのがおすすめです。この記事では、クラウドの基礎知識や代表的な技術やクラウドの学習におすすめの資格試験と勉強方法などをご紹介します。
これからクラウドについて学びたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
サーバーサイドエンジニアとは、Webアプリケーション開発において「ユーザーから見えない部分」を担当する職種です。ITに関する幅広い知識が求められるため、プログラミング言語やデータベース、セキュリティ知識など、多種多様な知識・スキルについて学ぶ必要があります。
サーバーサイドエンジニアへの転職を検討しているものの、将来性や年収が気がかりだったり、「自分にもなれるのだろうか?」と不安に思っていたりする方もいるのではないでしょうか。本記事では、サーバーサイドエンジニアの仕事内容や将来性、身につけておきたい技術やキャリアパスなどについて解説します。
近年では多くの企業がクラウドサービスを利用しており、クラウドエンジニアを求めている現場も増えてきました。
クラウドエンジニアとして働くのであれば、仕事内容や必要なスキルを押さえた上で、資格試験などを通して知識を身につけていくことが大切です。本記事では、クラウドエンジニアの仕事内容や将来性、クラウドエンジニアになるためにおすすめの資格について解説します。