コンピューターの技術が発達し、機械学習にも変化が見られます。金融や医療、マーケティングなど色々な分野で機械学習の活躍の場が増えています。業務効率の向上など機械学習の効果が認識されているのです。
それではディープラーニングと機械学習の違いはどこにあるのでしょうか。
AIの発展で仕事はなくなる?その理由や新しく生まれる仕事を解説
AIが普及することにより、人間の仕事が少なくなることが懸念されています。しかしAIが新しく作業をすることで新しく生まれる仕事があります。本記事では、アメリカのITサービス大手のコグニザントという会社が出版した「What to do when machines do everything」という本で紹介されていた新たに生まれる仕事をご紹介します。
AI(人工知能)とは
AI(人工知能)とは人間の思考プロセスと同じような形で動作するプログラム、または人間が知的と感じる情報処理技術の総称です。「Artificial Intelligence」の略称で、一般的には自ら学習する機能を持ったコンピューターのことを指します。
技術について
AIは大きく分けて3つの技術が関係しています。
機械学習・ディープラーニング
機械学習とは、コンピューターがデータから学習することで、データの背景にあるルールや特徴を見つけ出したり、パターンに従って予測や判断を行ったりする技術です。ディープラーニング(深層学習)は機械学習の一つの手法であり、人間の脳の構造を真似たニューラルネットワークを用いることで、複雑な情報の分析や高い精度での分析が可能になっています。
画像・音声認識
AIによる画像・音声認識は、画像や音声のデータを分析・生成ができます。画像に何が写っているのか自動で判別したり、読み込んだデータから新たな画像を生成したりできます。音声では、音声データを分析して自動で文字起こしを行ったり、人工的な音声を作り出したりすることができます。
自然言語処理
自然言語処理とは、私たちが日常で話すような言葉を理解するための技術です。これにより、質問に回答することやテキストの情報を抽出・生成することが可能になります。なお、自然言語処理にはAI技術だけでなく、言語学の要素も必要になります。具体的には、翻訳技術や文章添削サービス、チャットボットなどへの応用が可能です。
導入率について
AIの導入は日本国内外で広がっています。始めはビジネスを中心に広まりを見せていたAI技術ではありますが、現在はユーザーの日常生活にまで浸透しつつあります。
画像引用:2023年 国内AIシステムに関する 企業ユーザー調査結果を発表
上図は、IT専門調査会社のIDC Japanによる国内企業におけるAI利用形態の調査結果です。これによると、AIの実利用およびPOC(実証実験)での利用は2018年から2023年の5年間で10%以上伸びていることが分かります。
画像引用:IBM Global AI Adoption Index 2022
上図はIBMが2022年に世界7,502社を対象に実施した調査です。世界的に見ても、AIの導入が進んでいることがわかります。2021年と比べるとAIを導入した組織が13%増加していることも調査結果として示されています。
「AI(人工知能)が仕事を奪う」と言われている理由とは?
AIが登場して以来、「人間の仕事がAIに奪われる」といった風説が後を耐えません。仕事を奪うと言われている理由は大きく2つあると言われています。
単純作業を自動化できる
1つ目は、単純作業を自動化できるという点です。
AIの強みは膨大な量のデータを瞬時に分析・処理することができる点にあります。24時間連続でミス無く業務に携われる正確性とスピードは、人間に大いに勝ると言えるでしょう。そのため、パターン化ができるような事務業務や単純作業はAIに置き換わっていくと言われています。
実際に少子化を端に発する労働力不足の問題に直面した際、こうした代替の効く単純な業務はAIへの転換していき、人間はAIやロボットを管理する側の業務を請け負うようになると予想できます。
学習することで新たな”モノ”を作れる
2つ目は、自然言語処理技術によって新たな”モノ”を作れるという点です。
2021〜2022年は「DALL·E」「Midjourney」などの画像生成AIや「ChatGPT」を代表とする文章生成AIが次々と登場し、大きな話題となりました。学習のための大量のデータが必要になりますが、AIは絵や小説など創作活動ができる時代へと変わりつつあります。これまでの「AIはデータを処理・分析する」ところから大きく進化したといえます。
とくにChatGPTは創作活動だけにとどまらず、ユーザーの検索行動を変化させるかもしれないとも言われています。これまでは検索したいキーワードをユーザーが考えて、入力する必要があったのがChatGPTを使えば、誰かに訊ねる感覚で情報を検索できるからです。
事実、ChatGPTの登場を目の当たりにしたGoogle幹部が、社内に「Code red(非常事態)」を宣言したと報道されています。
クリエイティブな業務について、人間とAIでどのように棲み分けていくのかは今後の課題になっていくと予想できます。
参考:PRESIDENT ONLINE グーグル幹部は非常事態を宣言した…ネット検索を根本から変える「ChatGPT」の恐るべき可能性
1999年に公開された「アンドリューNDR114」という映画はご存知でしょうか?
ヒューマノイドが意思を持ち、自分自身の人権を訴えるというシナリオで大ヒットとなった同映画ですが、現在そのシナリオが現実のものとなりかけています。
本記事では、ロボット・AIに人権が与えられたときの影響を、歴史的な人権運動である「南北戦争」の事例と比較しながらご紹介したいと思います。
AIの普及によってなくなる仕事
実際にどのような仕事が無くなっていくと言われているのか、いくつか例をあげてきます。
一般事務員
一般事務員の業務は、パソコンでのデータ入力や事務作業といった単純作業が多いため、AIで代替しやすいと言えます。正確性やスピードを強みとするAIのほうが優位と考えられるため、今後AIに代替されると言われています。
銀行員
銀行員の業務はルーティン化された業務が多いため、AIに代替されやすい仕事です。さらに重要視される正確性も、人間よりAIのほうがはるかに優れています。今後は顧客へのヒアリングや、ニーズに適したサービスの提案など、人間にしか対応できない分野以外はAIが代替していくと考えられます。
警備員
AIを搭載した監視カメラでは、不審者を発見するとコントロールセンターに警告を発信できます。また、巡回ルートをインプットすることで、自動巡回する警備ロボットも登場しています。こうした警備システムへの活用から、警備員はAIに代替されていくとされています。
建設作業員
建設作業員もAIに代替されると言われている仕事です。重機や建機にAIを搭載し、無人で土砂を降ろしたり踏み固めたりするといった実験が鹿島建設をはじめとする建設業者で行われています。また画像認識によって工事の進捗状況の把握といった活用方法も進められています。
スーパー・コンビニ店員
レジ打ちや在庫管理、発注業務などAIが担えるスーパー・コンビニ店員も、仕事がなくなるとされています。実際、2020年3月には高輪ゲートウェイ駅に無人決済店舗「TOUCH TO GO」がオープンし大きな話題となりました。
参考:高輪ゲートウェイ駅 無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」がサービス開始 商品は手に取るだけ!“ウォークスルーの次世代お買い物体験”
タクシー運転手
自動運転技術が進化していけば、タクシー運転手も自動化されていきます。すでに都内では自動運転レーンの先行整備を行っているという話もあります。介助が必要な方など、必ずしもすべてがAIに置き換わるとは言い難いですが、今後は多くがAIに代替されていくと考えられています。
電車運転士
電車運転士もAIに代替されると言われている仕事の一つです。無人自動運転を導入している鉄道はすでにあります。現在のAIではまだ対応できない路線が多いものの、無人運転の実証実験は進められており、将来的に対応路線が増えていくことが予想できます。
ライター
自然言語処理技術が向上していけば、ライターの仕事もAIに代替されていくと考えられます。ChatGPTを使用すると、内容や形式を指示するだけで希望通りの文章を生成することができます。日経新聞では、AIライターを導入しており上場企業の売上や利益の分析を執筆しています。
ホテル客室係・フロントマン
ホテルの受付は、ルーティン業務のためAIが代替しやすいと言われています。実際に、長崎のハウステンボスの「変なホテル」では、ロボットがフロントに立っています。AIがより進化すれば、客室係もAIに代替されていくでしょう。
工場勤務者
工場勤務者も、AIに代替されていく仕事と言われています。工場での作業はオートメーション化された業務のため、AIに代替されやすいからです。人間のように疲れたりミスをしたりすることもないAIは、生産性を向上させるといえるでしょう。
AIの普及により新しく生まれる仕事
反対に、AIの普及により新しく生まれる仕事もあると予想できます。具体的には以下のようなモノが考えられるでしょう。
近年、ChatGPTなどの生成AIが誕生し、AIは発展を続けています。その中で、AI関連技術を扱えるAI人材の需要はますます高まっています。しかし、一口にAI人材と言っても、AIを開発するエンジニアからプロジェクトの企画者、研究者など、業務内容は多彩です。
ここでは、AI分野への進出を考えている企業の担当者様へ向けて、AI人材の種類や必要なスキル、社内での育成方法について紹介します。
データ探偵
IoT機器やニュートラルネットワークが収集したデータの分類・分析と、分析結果を元にした企業へのコンサルティングを行う仕事です。データの統計や分析はAIの得意分野なため、今後はこれらを活かす仕事が大切となってきます。
ゲノム・ポートフォリオ・ディレクター
ゲノム研究の分野もAIの応用領域として世間の関心を集めています。AIを活用したゲノム研究で新たなアプローチの治療を切り拓く「ゲノム・ポートフォリオ・ディレクター」という職業の重要性も増してきます。
散歩・会話の相手
高齢化が進むことにより、散歩や会話の相手を提供するサービスが必要となります。AIが普及すると他者と関わる機会が減る可能性もあり、大切な仕事となります。
倫理的な調達(ES)責任者
企業が活動をしていく上で、必要になる調達に対する論理性を確認し、問題がないかどうかを確認していきます。企業による判断の、倫理的な側面をサポートします。
最高信用責任者(CTO)
仮想通貨という実際に目には見えないものに対して、不正がないことを証明する責任者です。お客様の信頼を得るためには、仮想通貨、ブロックチェーンなどの知識と、お客様に十分に伝えるコミュニケーション能力が必要となります。
サイバー都市アナリスト
市民や都市開発などに必要なデータ、資産案、統計などを把握、分析、管理する責任者が必要となります。
人間と機械の協働責任者
PCなどの機械と人間では得意とすることが異なります。数字の正確さやデータの管理などは機械を使った方が確実性はあります。しかし人間は感情や発想力に優れています。 これからの企業や社会に必要なのは、機械と人間の両方の良さをうまく組み合わせることとなります。AIが普及することにより、人間と機械の協働作業がより大切になります。
人工知能(AI)事業開発責任者
AIサービスの管理や販売、営業など、AI事業に関するさまざまな面で責任者が必要となります。
BYO(個人所有機器活用)ITファシリテーター
企業の従業員が私物のIT機器を業務で利用するためには、セキュリティ面での対策が必要になります。
エッジコンピューティング専門家
PCなどの端末の利用者近くに、サーバーを分散させることであり、応答速度をあげること、また故障をいち早く把握することにも使われます。AIに作業を任せるのであれば、より必要な仕事となります。
フィットネス・コミットメント・カウンセラー
人の体調は栄養や筋肉量などの管理とともに、精神的なものも大きく影響するため、感情を持った人がするべき仕事は多くなるでしょう。AIが管理したデータをもとに、アドバイスをしていくことになります。
デジタル仕立屋
デジタルテーラーともいい、自分の体形に合う服を作る際に、採寸を行います。
AI支援医療技師
病院が少ない土地で医師が遠隔操作を用いて検査や診断などを行うためには、技術者が必要となります。
財務健全性コーチ
AIを使ったデジタル金融が主流になっていくことにより、財務をコーチする仕事が求められるようになります。デジタル金融の知識や技術と、お客様から要望を聞き出すスキルが必要となってきます。
量子機械学習アナリスト
AIが管理しているデータと量子情報処理を融合させ、より良いソリューションを提供していきます。
まとめ
AIは国内外で広まりを見せ、「データの収集・分析」というだけでなく「クリエイティブの創造」という新たな価値まで生み出しています。技術革新と共に我々人間の役目も変えていく必要があると言えるでしょう。
AIのさらなる発展は止めることができません。そのため、AIに取って代わられる恐怖を感じるより、どうAIを活用するかという視点を持ってビジネスに携わることが重要です。
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