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AIコンサルタントの仕事内容は?必要なスキルや背景を解説

更新日 2024/04/15

事業の成長や推進のためにAIの導入を目指す企業が増えるなか、AIを活用する際にアドバイスや提案を行う「AIコンサルタント」が近年注目されています。求人も多く需要が高いため、エンジニアからのキャリアアップとして目指す人も増えている職種の一つです。今回はAIコンサルタントの仕事内容や必要なスキル・経験などを詳しく解説します。

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AIコンサルタントの仕事内容・年収

AIコンサルタントとは、クライアントの状況に応じてAIの活用に関するアドバイスを行う仕事です。AIコンサルタントの年収相場は高い傾向があり、目指す人も多い職種です。

他にIT技術を活用する「ITコンサルタント」や「DXコンサルタント」があり、似たような仕事という印象がありますが、明確に違いはあります。この章では仕事内容や年収相場について詳しく解説していきます。

最適なAIソリューションを導入し業務改善をはかる

AIコンサルタントとは、クライアントである企業の状況に応じ、最適なAI技術の導入や活用について検討・促進する仕事です。内容は幅広く、クライアントの企業自体の業務効率化のための導入であったり、商品開発や新規事業の立案であったりします。

まずクライアントの現状をヒアリングし、課題やニーズに応じてどのようなAIを導入すべきか分析を行います。その上で、予算案の作成や体制を作りを含め、AIをどのように活用するかを提案します。

また、当面の課題解決だけでなく、予測や観測により今後起こりうる問題点を指摘し、AI技術によってどう解決するかの方法も提案しなければなりません。AIを導入してからも運用やサポートなど、軌道に乗るまで継続的に支援を行います。

ITコンサル、DXコンサルとの違いは何か

同じようにデジタル技術の導入や活用をサポートする仕事に「ITコンサルタント」「DXコンサルタント」があります。ITコンサルタントはIT(情報技術)に特化して企業の課題解決や導入支援を行う仕事です。ITとは主にソフトウェア開発やサービスの利用、インターネットの活用を指します。課題解決に関してAIコンサルタントはAIを用いる、ITコンサルタントはITを用いるという違いがあります。

DXコンサルタントは、AI、IT技術に限らずデジタル技術を広く用いて、企業や組織の変革を手助けする仕事です。デジタル技術を活用するだけではなく、業務のプロセスから企業の風土に至るまで、組織全体を変えるためのアドバイスが求められます。AIコンサルタントは課題解決が目的、DXコンサルタントは変革が目的という違いです。

AIコンサルタントの年収相場は高い傾向がある

AIコンサルタントの年収は、個人のスキルや経験などにより変わってくるものではありますが、おおむね600~800万円が相場です。大手転職サイトに掲載されている求人情報では、想定年収を500~1,000万円としているところが多く、本人の能力に応じ決定するとしています。

経験や知識が豊富であれば、その実績を買われ年収が2,000万円を超える例もないわけではありません。高い専門性をもった職種であり、AIコンサルタントがまだまだ少ないことから需要も高いため、年収相場は高い傾向にあります。

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AIコンサルタントが求められる背景とは

AIコンサルタントの需要は近年ますます増えています。なぜAIコンサルタントが求められているかと言えば、AI業界の市場規模拡大に対し、AIを扱える人材が不足していることが理由の一つです。詳しく解説していきます。

AIを導入するメリットが多い

そもそもAIとは「Artificial Intelligence」の頭文字を取った言葉で、「人工知能」と訳されます。AIは人間が行うような知的活動をコンピューター自体が行い課題解決を行います。知的活動とは例えば車の自動運転や、チェスのようなゲームをするなど人間の思考・実行と似たような活動です。

AIを導入することで、これまで人間が行っていた業務の一部を任せられます。人間が行うよりも少ない時間で多くの作業が可能になることもあり、生産性の向上や業務効率化を期待できます。

またAIは、定められた作業を延々と続けることが可能です。さらにAIを活用することで危険が伴う業務や作業も可能になるため、ミスや事故を防ぎ、人件費のコストカットや労働力不足の解消も期待されています。

AI業界は市場規模が拡大している

近年AI業界の規模は拡大の一途をたどっています。

総務省が2022年に発表した「情報通信白書」では、日本のAI主要市場全体の2020年度の売上金額は、前年度比19.9%増の513億円超でした。2025年度には1200億円に達すると予測されており、今後もさらに大きく成長することが見込まれています。

AIテクノロジーの進化が目覚ましいことのほかに、コロナ禍により企業のデジタル化の必要性が高まったことなどもAI市場拡大の追い風になっています。

※参考:総務省「令和4年 情報通信に関する現状報告」(情報通信白書)

AI人材は需要がある

AI市場は拡大傾向にあるものの、企業のAIの導入率は伸び悩んでいるのが現状です。2018年に行われたAI導入に関してのアンケート調査(※1)では、全515社のうちAI導入率は2.9%でした。多くの企業がAIに関心はあるものの、導入までは取り組めていません。

その理由の一つにはAI人材の不足があります。経済産業省の2016年の調査(※2)では、AIなどを扱えるIT人材が2030年には約79万人不足すると予測されています。

また、あせって導入すると、とりあえずAIを使うことが目的化してしまいがちです。企業の課題を整理し、最適なAIテクノロジーの提案から実装までを行えるAIコンサルタントの需要が高まっていますが、 AIコンサルタントはコンサルティングを行える高い専門知識が必要となります。AI人材のなかでも適した人はさらに少ないでしょう。

※1 参考:矢野経済研究所「業種別AIの導入状況に関する法人アンケート調査を実施(2018年)」
※2 参考:経済産業省「AI人材育成の取組」

AIコンサルタントには将来性がある

AIコンサルタントに注目が集まる理由は、年収相場の高さや需要があることだけにとどまりません。AIの活用が広がるのに伴い、AIに仕事を奪われる職業が出てくると言われていますが、AIコンサルタントはその可能性が低いためです。その理由について解説します。

AIに仕事を奪われる可能性が低い

AIが生活やビジネスに活用されることで、なくなる職業が出てくる可能性が示唆されています。2015年に行われた調査(※)では、国内の労働人口の約49%の仕事がAIに代替されると予測されました。

特にデータ入力やレジ打ち、製造業などでの単純作業は今後なくなる可能性が高いと言われています。また、例えば自動運転などの技術が進めば、今後はバスやタクシー、トラックの運転手といった職もなくなる可能性があります。

しかし、AIはコンピューターであるため、それを扱う人間がいないことには動きません。そのため、AIを活用する側の職種はなくなりにくいと考えられます。また、AIはデータを収集・分析することは得意ですが、どのデータが重要なのか見極めることはまだ難しい段階です。AIコンサルタントはその見極めなどを行い、AIを使いこなし共存していくことが必要になります。

※参考:野村総合研究所「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に」

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AIコンサルタントになるために必要なものは何か

AIコンサルタントには資格は必要ありませんが、未経験からすぐチャレンジできる職ではありません。AIに関する専門知識やスキルを備え、高いコミュニケーション能力も必要になります。一つずつ解説していきます。

未経験からすぐなれる職ではない

AIコンサルタントは、AIという最新技術に関する専門知識や、ビジネスや業界への知見が求められるため、未経験からすぐに飛び込める職種ではありません。AIコンサルタントになる道筋は、AIコンサルティングを提供するコンサルティング会社やシステム会社に就職し、まずはアシスタントからの下積みを経るのが一般的です。

未経験のポテンシャル採用を行っている企業もありますが、採用条件としてデータ分析やシステム開発などで2、3年程度の勤務経験が必要なことが多いです。コンサルティングファームやSEなどを経験し、専門知識を付けてからでないと活躍は難しいでしょう。

プログラミングの専門知識は必須である

AIコンサルタントとしてAIの導入や活用をサポートするにあたって、AIに対しての専門知識が必要なのは言うまでもありません。特にAIや機械学習に頻出する「Python」や「Java」などのプログラミング言語は必ず習得しておくべき知識です。知識として身に付けるだけでなくシステムの実装経験や、機械学習やデータ分析の経験があるとなお良いでしょう。

コンサルタントとしてのスキルも必要である

SEなどで現場を経験してAIの知識がある場合でも、コンサルタントはまったく異なる仕事です。SEはシステム開発や改修に携わるのに対し、AIコンサルタントはAIを武器に課題解決を立案・支援します。

また、業務効率化のためにやみくもにAIを導入するだけでは、AIコンサルタントの仕事とは言えません。企業が抱える本質的な課題を見極め、最適なアプローチが求められます。そのためには、コンサルタントとしてのビジネスや業界に対する知識、論理的思考力や課題解決力も必須の能力です。

コミュニケーション能力も欠かせない

AIコンサルタントは、課題やニーズを正確に把握するためにまずヒアリングを行います。その際に必要な情報を引き出すために欠かせないのがコミュニケーション能力です。企業の課題に関して現場、経営者側の両方の意見を聞かなくてはならないこともあります。様々な立場の人と円滑にやり取りするためにもコミュニケーション能力は大切です。

また、最適なAIテクノロジーを提案する際に、専門用語を使って説明してもクライアントに理解されません。相手の理解度に合わせて、分かりやすい言葉で説明できることが大切です。

必要な資格はないが知識のアップデートは必須である

AIコンサルタントを名乗るために、必要な資格というものは特にありません。しかしAI開発に関する知識が問われる試験を受け、資格を取得しておくことはクライアントへの信頼にもつながります。例として「Pythonエンジニア認定試験」や「統計検定」などは、知識のレベルアップや定着に役立ちます。

また、AIの進歩は日進月歩です。実現できることの幅や、最新の研究結果などは日々変わります。知識のアップデートや情報のチェックは怠らないようにしましょう。AIの最新情報は英語で発表されることが多いため、語学力を磨くことも有効です。

AIコンサルタントの働き方

AIコンサルタントとして、働くスタイルは大きく分けて3つあります。新規事業や業務に関わる働き方、AI導入のサポートに回る働き方、 フリーランスや経営者として独立する働き方です。それぞれ詳しく紹介します。

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AIビジネスコンサルタント

機械学習や数理最適化などを実装したAIを活用して、クライアントの新規サービスや商品の開発を支援する働き方です。AIをどのように戦略的に活用するかを提案し、自身も新規事業や製品開発に関わっていきます。

AIを活用したビジネス展開は多くの企業が関心を持っています。いち早くAIを製品やサービスに搭載することで、競争力の強化や他社との差別化をはかり、市場での生き残りとさらなる成長が目的です。

まずクライアントの事業を把握・分析し、業界の最新事情や他社の動向と比較します。クライアントの強みに合ったAIの具体的な提案を行い、実現に向けて、プロジェクトチームと一緒に動く働き方です。AI技術を使った製品がエンドユーザーに届くことで、自分の仕事が人々の役に立っていることが実感できやりがいを感じられます。

AI導入のコンサルティング

AIを製品やサービスに付与するのではなく、企業内の業務改善や組織改革のためにAIの導入を支援する働き方です。

DX推進の追い風もあり、AIを業務に取り入れコストダウンや効率化をはかろうとする企業は多くあります。例えば製造業では、需要予測や不良品選別の自動化、在庫管理の最適化などAIを導入する余地も豊富です。こういった業務にAIを導入し、支援を行うことが目的です。

まずはクライアントの企業の業務を、プロセスや企業文化にいたるまで把握し、AIの適性可能性について検討します。綿密なやりとりを通し最適なシステム構築から導入、運用に至るまでを支援していきます。生産性や品質の向上に貢献するという、縁の下の力持ちとしてのやりがいがあります。

フリーランスや経営者として独立する

AIコンサルタントはコンサルティング会社に所属することが多いですが、十分な経験を積んだあとであれば、フリーランスや経営者として独立する道も夢ではありません。

AIの社会への浸透力は今後さらに強まることが予測されるため、ありとあらゆる分野でAIコンサルタントへのニーズが高まると考えられます。フリーランスであれば、自身のより興味のある業界へ挑戦することや、さらに実績を積みたいトピックを選ぶことも可能です。

まとめ

AIテクノロジーの進歩が目覚ましい現在、AIコンサルタントの需要はますます高まると見込まれます。AIコンサルタントになるために必要な資格はありませんが、AIに関する知見やコンサルティング業務の経験は重要です。キャリアアップの一つとしてAIコンサルタントを目指してみるのも良いでしょう。

 

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