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セキュリティエンジニアとは|仕事内容・必要なスキル・年収を徹底解説!

更新日 2023/04/24

セキュリティエンジニアは、企業や政府などの情報資産をあらゆるサイバー攻撃から守る職種です。

インターネットが普及した現代では、企業のもつ機密情報や個人情報、仮想通貨などの暗号資産など、情報そのものの価値が高まっていきました。そのような背景から情報管理の重要性が高まってきており、セキュリティエンジニアの活躍の場は拡大しています。

この記事では、セキュリティエンジニアの仕事内容や年収、将来性について詳しく解説していきます。

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セキュリティ エンジニア

目次

セキュリティエンジニアとは

セキュリティエンジニアとは、情報セキュリティを専門としたエンジニアのことです。セキュリティに配慮したシステムの設計や構築・運用、サイバー攻撃を未然に防ぐための対策などを行います。

セキュリティエンジニアの厳しさ

「セキュリティエンジニア」と検索すると「やめとけ」といった言葉も上がってきます。セキュリティエンジニアにはどのような厳しさがあるのかご紹介していきます。

  • 責任が大きいため、精神的な負担になりやすい
  • 常に技術研鑽をする必要がある
  • 問題が発生した時に迅速な対応が求められる

仮にサイバー攻撃を防げずに、顧客情報や企業の秘密情報が漏洩してしまえば、企業の信頼が損なわれるだけではなく、大きな経済的被害が出てきます。セキュリティエンジニアにはそういった事態を未然に防ぐ責任があるため、人によっては精神的に大きな負担に感じるでしょう。
不正アクセスやサイバー攻撃の手口はIT技術の進化とともに複雑化しており、セキュリティエンジニアはそれに対応するため常に最新のセキュリティの知識を身につけておく必要があります。関連する専門資格も多く存在し、技術・知識の研鑽の観点でも厳しさがあると言えます。
また、セキュリティエンジニアは不正アクセスやサイバー攻撃などのセキュリティインシデントがあった際には迅速な対応が求められます。緊急時には昼夜を問わず対応を求められることもあり、激務になりやすい傾向にあります。

セキュリティエンジニアのやりがい

前述したように厳しい面ももつセキュリティエンジニアですが、その分やりがいもある仕事です。セキュリティエンジニアのやりがいは具体的にどういったところにあるのか説明します。

セキュリティエンジニアの仕事で特にやりがいを感じられるのは、サイバー攻撃から企業やユーザーを守ることができる点といえます。セキュリティホールとなりうる脆弱性をいち早く発見できた時は、未然にIT犯罪を防ぐことができたと喜びを感じられるでしょう。また、セキュリティ分野での最先端の技術や知識を身につけることができます。そのため、仕事を通して自己の成長を感じやすいのもこの仕事の魅力です。

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セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアの仕事は、以下のように多岐に渡ります。一貫して携わることもあれば、ひとつの工程を担当する場合もあります。それでは各工程の具体的な仕事内容を見ていきましょう。

  1. 企画・提案
  2. 設計
  3. 実装
  4. テスト
  5. 保守/運用

1.企画・提案

セキュリティエンジニアは、ITシステムやインフラ周りにおけるセキュリティの改善や強化の提案を行います。セキュリティ強化のためには、脆弱性を把握する必要があります。要件整理や分析だけでなく、現場のスタッフにヒアリングを行いシステムの脆弱性を見つけていくこともセキュリティエンジニアの役割です。
また、企画・提案の工程を担うセキュリティエンジニアは「セキュリティコンサルタント」とも呼ばれます。個人情報保護法の施行に伴い、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)やプライバシーマークなどの取得をサポートする業務も行うようになっています。

2.設計

セキュリティエンジニアはセキュリティに配慮したシステムの設計を行います。接続するネットワークやデバイス、運用体制など、セキュリティホールとなりうるものの対策を想定してシステム構築する必要があるため幅広い知識が求められます。

3.実装

設計と同様にセキュリティに配慮した実装を行います。接続するネットワークや機器だけでなくOSや安全に運用できるシステムにも配慮する必要があります。近年ではクラウドの需要が高まり、クラウドの知識も求められるようになってきています。

4.テスト

システムの脆弱性を発見するためには、ハッカーからの攻撃を想定してテストを行います。疑似攻撃を行うことで、潜在的な脆弱性を見つけだし、対策を念入りに行います。このようなテストを「セキュリティ検査」や「脆弱性診断」、「脆弱性検査」とも呼びます。

5.保守/運用

セキュリティシステムの導入後は、システム障害やサイバー攻撃を避けて安全に運用するための保守業務を行います。日々進化するサイバー攻撃に備えてセキュリティのアップデートを重ねたり、不審なアクセスに対する調査などを行ったりします。また、実際に攻撃があった際には迅速な対応が求められます。

必要になるスキル・知識

幅広い知識と技術を求められるセキュリティエンジニアに必要とされるスキルや知識とは、具体的にどのようなものなのでしょう。代表的なものを紹介します。

  1. プログラミングに関する知識
  2. ウィルスや不正アクセス手法に関する知識
  3. リスク管理スキル
  4. サーバーやネットワーク、OSの知識
  5. 法律に関する知識

1.プログラミングに関する知識

セキュリティエンジニアは、セキュリティに配慮したプログラミングスキルが求められます。特にWebアプリケーションは脆弱性の種類が多いため、セキュリティエンジニアが利用するプログラミング言語は、Webアプリケーションのバックエンドによく利用されるPHPやC言語、C++、JavaScript、Pythonなどが中心です。

2.ウィルスや不正アクセス手法に関する知識

ウィルスや不正アクセスの手法は、次々と新しい技術が誕生しています。セキュリティエンジニアは、常に最新の情報をキャッチアップする必要があります。
仮に、自社が導入しているソフトウェアの脆弱性が見つかった場合、セキュリティエンジニアは速やかに対応できるよう、最新のサイバー攻撃の手法とその対策法を即座に把握して自社のセキュリティ対策をすることが求められます。

3.リスク管理スキル

仮にセキュリティ事故が発生した場合に、どの程度の被害や影響が発生するのかを事前に予見しておけば被害を最小限に止めることができます。セキュリティエンジニアは事前に想定される脅威を明確にし、守るべき情報やシステムに必要な対策を講じるリスク管理のスキルが求められます。

4.サーバーやネットワーク、OSの知識

セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃の標的となりやすいサーバーやOS、ネットワークなどのインフラを安全に運用することが求められます。そのため、セキュリティ面でどのように備えるかを知っておく必要があります。

5.法律に関する知識

セキュリティに関する法律はいくつもあり、すべてを知っておくことは難しいですが最低限の知識は必要です。具体的には以下のような法律が挙げられます。

  • 特定電子メール送受信適正法
  • プロバイダ責任制限法
  • 高度情報ネットワーク社会形成基本法
  • 不正アクセス禁止法
  • 個人情報保護法

法律に則ったシステム運用を行うためには、正しい法律の知識が必要になります。

セキュリティエンジニアの年収

 年収の中央値最高年収最低年収
フリーランス960万円2400万円600万円
会社員760万円2000万円400万円

出典:テックスストック 2022年7月22日時点
出典:テクストキャリア 2022年7月22日時点
※フリーランスの年収はテックストックの案件月額単価から算出しています。

フリーランスのセキュリティエンジニアの年収の中央値は960万円、最高年収は2400万円、最低年収は600万円です。また、会社員のセキュリティエンジニアの年収の中央値は760万円、最高年収は2000万円、最低年収は400万円です。

セキュリティエンジニアの年収をフリーランスと会社員で比較するとフリーランスの方が中央値が200万円高いことがわかります。スキルの高いセキュリティエンジニアであれば、フリーランスになることでより高い年収を狙うことも可能です。

セキュリティエンジニアの将来性

セキュリティエンジニアの将来性は高いと言えます。それでは、将来性が高いと言える理由についてそれぞれ解説します。

  1. サイバー攻撃が巧妙化するため、セキュリティの重要性が高まる
  2. セキュリティエンジニアの人材が不足する
  3. セキュリティエンジニアが活躍する場面が増えていく

1.サイバー攻撃が巧妙化するため、セキュリティの重要性が高まる

近年、企業の持つ情報を暗号化して人質にとり、身代金を要求するランサムウェアの発生件数が増加しています。最近では、2022年2月にトヨタ自動車株式会社の関連企業がランサムウェアの被害を受け、国内のトヨタ自動車全工場が稼働停止しました。サイバー攻撃の手口はますます巧妙化・高度化しており、企業のセキュリティ対策への意識が高まっています。そのため、セキュリティの専門家であるセキュリティエンジニアの需要は高まっています。

2.セキュリティエンジニアの人材が不足する

日本全体のIT人材は不足することが予想されており、セキュリティエンジニアも例外ではありません。2019年にみずほ情報総研株式会社が発表したIT人材需給に関する調査によると、日本のIT人材は2030年には最大で79万人不足すると発表されています。セキュリティエンジニアを含む高い専門性を持つ人材は、売り手市場になると予想されています。

3.セキュリティエンジニアが活躍する場面が増えていく

今後セキュリティエンジニアが活躍する分野は拡大していきます。例えばECサイトやフィンテック、IoTなどの分野では、個人情報や企業の機密情報、金銭を取り扱うため高いセキュリティが求められます。将来性が期待されている分野で必要とされているため、セキュリティエンジニアの将来性は高いと言えます。

セキュリティエンジニアに向いている人の特徴

セキュリティエンジニアに向いている人の特徴には、以下のようなものが挙げられます。

  1. 最新技術を常に学べる人
  2. 最後までやり抜ける人
  3. 綿密な仕事ができる人

それぞれ解説していきます。

1.最新技術を常に学べる人

日々巧妙に進化するサイバー攻撃に対抗するためには、セキュリティエンジニアも新しい知識や技術を身につける必要があります。最新の技術や知識を自分でキャッチアップできる人はセキュリティエンジニアに向いていると言えます。

2.最後までやり抜ける人

セキュリティエンジニアの仕事は一度問題が発生すれば、問題が解決するまで終わりません。原因すら分からず解決法が見つからないこともあります。しかし、最後まで問題に向き合う必要があるため、最後まで成し遂げることが重要になります。

3.綿密な仕事ができる人

小さな問題や見落とされた脆弱性はセキュリティホールとなり、攻撃対象となる危険性があります。そのため、細かいミスにも気づき、綿密な仕事ができる人はセキュリティエンジニアとして活躍できるでしょう。

セキュリティエンジニアになるには

セキュリティエンジニアになる方法は以下のようにいくつかあります。経験や求められる知識やスキルを身につけるためには、どのように勉強すれば良いか紹介していきます。

  1. 大学・専門学校で学ぶ
  2. オンラインで学ぶ
  3. ITエンジニアとして経験を積む
  4. 資格を取得する
  5. 派遣社員の応募を利用する

1.大学・専門学校で学ぶ

セキュリティエンジニアになるには、大学や専門学校で情報セキュリティについて学ぶ方法があります。シラバスで授業内容や到達目標などをよく確認して、自分に合う学校を選んでください。

2.オンラインで学ぶ

あまりお金をかけずに勉強したい人やまとまった時間をとるのが難しい人におすすめなのが、オンラインの講座で学ぶ方法です。無料で公開されている講座も数多く存在するため、自分のペースでコツコツ勉強したい人におすすめの勉強法です。

3.ITエンジニアとして経験を積む

セキュリティエンジニアになるには、システムエンジニアやインフラエンジニアなどの業務領域の近いエンジニアの経験を積んでキャリアアップする方法があります。サーバー側の処理やデータベース構築の経験があれば、有利に転職できるでしょう。

4.資格を取得する

セキュリティエンジニアになるための勉強方法として資格を取得する方法があります。資格取得は、勉強する過程で自然と知識やスキルが体系的に定着します。また、資格を取得できれば知識を身に付けたことの証明になるため、就職に有利になるでしょう。

5.派遣社員の応募を利用する

セキュリティエンジニアは派遣社員の応募が多い特徴があります。派遣社員であれば、経験が浅くても採用してくれる企業も多くあります。給料をもらいながらセキュリティエンジニアとしての知識や技術を習得できるためおすすめの方法です。

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セキュリティエンジニアに役に立つ資格

この章ではセキュリティエンジニアを目指す上で役立つ資格やキャリアアップに役立つ資格を紹介します。

シスコ技術者認定試験

シスコ技術者認定試験シスコ技術者認定試験は、シスコシステムズ合同会社が実施している資格です。シスコ技術者認定にはエントリー、アソシエイト、プロフェッショナル、エキスパート、アーキテクトという5つのグレードがあります。アソシエイトではネットワークエンジニアに求められる基礎的な知識やネットワーク機器に関する知識が出題されるため、セキュリティエンジニアを目指す初心者の方におすすめです。

CompTIA Security+

CompTIA Security+CompTIA Security+は、国際的なIT業界団体のCompTIAが実施している国際的な資格で、業務で必要とされる情報セキュリティに関する知識が網羅されています。セキュリティに関する試験の中では初心者向けの試験と言われていますが、脅威・脆弱性・リスク管理・暗号化技術と幅広い知識が問われるためしっかりと対策する必要があります。

CISM(公認情報セキュリティマネージャー)

CISM(公認情報セキュリティマネージャー)

CISMは、ISACAが実施している国際的な資格です。CISMはセキュリティマネジャーやセキュリティコンサルタントなど、情報セキュリティのプロフェッショナルを対象にしています。そのため、組織の情報セキュリティ戦略の策定や、システムの設計・運用、脆弱性診断、リスク管理、インシデントへの対応などの知識が問われます。また、認定を受けるためには5年以上の実務経験と、そのうち3年以上のセキュリティマネジャーとしての経験が必要となります。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験情報セキュリティマネジメント試験はIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施している国家資格です。サイバー攻撃からシステムや機密情報を守るための基本的なスキルを認定する資格です。IPAは試験の難易度を4段階中の2としており、初心者の方におすすめの試験になっています。情報セキュリティマネジメント試験はセキュリティに関する知識だけではなく、情報セキュリティに関連する企業活動の知識や法律についても出題されます。

情報処理安全確保支援士試験(SC)

情報処理安全確保支援士試験(SC)情報処理安全確保支援士試験(SC)は、さまざまなIT試験を提供しているIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施している国家資格です。情報処理安全確保支援士試験(SC)は、情報セキュリティの専門家としての技能を有することを認定する資格です。難易度はIPAが実施する試験の中で最も難易度が高いレベル4です。高度な知識や技術を持った情報処理技術者を対象としているため、格段に難しく合格率も20%を下回ります。

まとめ

今回は、セキュリティエンジニアの仕事内容から、必要なスキル、将来性、向いている人の特徴、なるための方法、役に立つ資格まで解説してきました。
セキュリティエンジニアの仕事内容は幅広く、企画提案・設計・実装・テスト・保守運用といった業務を行います。サイバー攻撃の被害件数は年々増えてきており、社会の中でも情報セキュリティへの意識は高まっています。今後ますます需要が高まることが予想されているため、セキュリティエンジニアは将来性が高い職種であると言えます。

是非、この機会にセキュリティエンジニアを目指してみてください。

 

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