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働き方改革が叫ばれて久しいですが、皆様の会社や現場は働き方改革はどのような状況でしょうか?

ニュースで紹介されている企業の中には正に改革を実施して、ある程度の効果が出ている企業もあるようです。
筆者は外資系コンサルティングファームにて様々な業界の企業数十社に対し、業務改善のコンサルティングサービスを提供してきました。当時の現場経験をベースに働き方改革の失敗の原因や成功の秘訣をまとめましたのでご紹介します。

目次

1.働き方改革のアプローチ

国の制度としての働き方改革は置いといて、企業が取り組む働き方改革の目標は様々ですが、通常のアプローチとしては大きく2つあると考えます。

1つ目は会社の制度として実施する場合(トップダウン)。2つ目は各部門や個人それぞれで実施する場合(ボトムアップ)です。アプローチ毎のメリット・デメリットをご紹介します。

1.会社の制度として実施する場合(トップダウン)のメリット・デメリット

会社の制度として実施する内容としては主に「育児休暇」「テレワーク」「非正規社員の待遇改善」「強制消灯」などの人事制度が一般的ですが、共通してメリット・デメリットが存在します。

[メリット]
・全社的(部分的な場合あり)な制度のため、大きい効果が期待できる
・予算の承認が通りやすい、など

[デメリット]
・効果が出るまでに時間がかかる(且つ制度による効果なのか分かり辛い)
・現場レベルの印象として「やらされ感」が出てくる
・制度自体に問題があっても改善されにくい(上まで声が届きにくい) 、など。

これらのデメリットからも分かるとおり、失敗ケースの理由としては
・実際の現場レベルの導入は現場に任せ、管理されずに不十分な対応となってしまう
・各現場に適しているかどうかの検証が不十分なまま実施され、現場には適さない制度となってしまう
・(実施前・実施後含め)現場の声を拾う仕組みが無かったり、導入時にサポートが弱かったり、現場の社員は取組みの実感や自主性が沸きにくい
などが挙げられます。

2.各部門や個人それぞれで実施する場合(ボトムアップ)のメリット・デメリット

各部門で実施する内容として「業務プロセス標準化」や「残業削減」、
個人の場合は「業務効率化」などが挙げられますが、共通のメリット・デメリットは以下です。

[メリット]
・部門独自の事情を踏まえるため、即効性が高い
・自部門や自身の問題として取り組むため、当事者意識が芽生え、良い方向にマインドセットが傾く可能性がある、など

[デメリット]
・自分たちで改善活動を実施する必要があるため、取り組む時間の確保が難しい(日常業務を実施しながら対応する為)
・改善方法は各部門や個人任せのため、不確実
・予算が必要な取り組みをやり辛い
・部門(個人)単位での取り組みのため、会社全体で見た時の効果として小さい(改善レベルの効果であり、改革ではない) 、など

失敗ケースの理由としては
・改善の方法や進め方が分からない、或いは取組み時間の確保が出来ずに中途半端で終わってしまう
・結局狭い範囲での改善しか出来ずに効果が薄い
などが挙げられます。

2.おすすめアプローチ - 会社の制度と各部門の双方から実施するハイブリッド型

上記2つのアプローチのメリットを活かしつつ、デメリットを打ち消すために会社の制度と各部門の双方から実施するハイブリッド型をお勧めします。

しかし、単に双方向からの実施ではそれぞれの目的・目標・思いと言ったものがチグハグになる可能性が高いので、全体的な仕切りが必要になります。
すなわち全社的なプロジェクトとして取り組む必要があります。
以下にそのプロジェクトを実施する上でのポイントを記述します。

1.働き方改革成功のポイント - 体制

経営側からの意見と各部門からの意見が満遍なく反映されるように以下2つの体制を構築します。

ステアリングコミッティ:様々な事柄の意思決定およびコミットメント(各部門から管理職クラスを選抜)
実行メンバー:働き方改革の計画から制度設計や改革・改善の実行など

※実行メンバーはなるべく担当業務から外し、プロジェクト専任とする

2.働き方改革成功のポイント - 目的・目標

・なるべく様々な役割や立場の人からの意見を取り入れて決定する
・目標は曖昧な目標にはせず、定量的な目標とする
・関係者全員が記憶に残り易いキャッチーな目的・目標とする
・最終的にステアリングコミッティが決定する

3.働き方改革成功のポイント - 計画

・目的・目標を達成するために何をどの様な順序で実施する必要があるか逆算して計画を立案する
・計画自体や特定の作業が長期間に及ぶ場合、マイルストーンを設定してプロジェクトの評価を行う
・場合によっては組織再編などの抜本的な変更も選択する

4.働き方改革成功のポイント - 管理

・各作業の進捗度合いを関係者が随時確認出来る状態にする
・進捗に問題が発生した場合、リカバリや対策を講じる

5.実施後にもさらなる改善が出来るように

せっかく目的や目標を達成した働き方改革もその時だけで、元に戻ってしまっては意味がありません。さらに時代や社会環境の変化、会社の変化に対応できず、形骸化する可能性もあります。そうならない為に
・目的・目標達成後も良い状態の維持とさらなる改善が実行され続ける仕組みを検討し実行する
が必要となります。

3.最後に

働き方改革を成功させるために様々なポイントを記述しましたが、やはり自社の努力だけでは難しいところもあるため、専門家やコンサルティングファームに相談し、協力してもらう事をお勧めします。

まとめ
皆が同じ方向を向く事、その方向に向かって足並みが揃うよう、関係者の合意と活動の管理が働き方改革成功の鍵を握っていると考えます。

執筆者:酒井 征義