働き方の多様化とは 具体例やメリット・デメリットなどについて解説
昨今、「働き方改革」という言葉の広まりによって、多くの企業で働き方の多様化を促進する動きが求められています。さらに、2020年移行新型コロナウイルスの流行を受け、テレワークや時差出勤などの導入を進める企業も増加傾向です。しかし、闇雲に働き方の多様化を進めれば良いという訳ではありません。
今回の記事では、働き方の多様化を推進することによるメリット・デメリットだけでなく、導入に向けて企業がすべきことなどについて解説します。
働き方の多様化とは
現代では、働く人の生活環境やライフスタイルに合わせて、多様な働き方を選択できる社会の実現が求められています。これは女性の社会進出や核家族化など、昔の生活とは変化が生じていることで少しずつ働き方も変化が生じています。
しかし、この働き方の多様化が重要視された背景の一つには、新型コロナウイルスの蔓延があります。緊急事態宣言が発令された2020年5月の、東京都による「テレワーク『導入率』緊急調査結果」(※1)によると、都内に拠点を構える従業員30名以上の企業におけるテレワークの普及率が、同年3月の24%から62.7%と、約2.6倍に増加しています。
テレワークや在宅勤務などの働き方は、以前から政府が掲げる「働き方改革」でも推奨されていました。しかし、総務省「テレワークの導入やその効果に関する調査結果」(※2)によると、テレワークを導入している企業の割合は、2018年時点で19.1%と決して普及しているとはいえない状況でした。
奇しくも、新型コロナウイルスの蔓延が働き方の選択肢を広げるきっかけとなったと言えます。
フリーランスエンジニアの案件紹介サービスTECH STOCKには、高単価・上場企業・リモート可能・即アサイン可能などの案件が多数ございます。スキルやご希望にマッチする案件をコーディネーターがご紹介いたします。フリーランスになって働き方を変えるならTECH STOCKにお任せください。
TECH STOCKはフリーランス・ITエンジニアのための案件紹介サイトです
※1 東京都報道発表資料「テレワーク『導入率』緊急調査結果」
※2 総務省「テレワークの導入やその効果に関する調査結果」
働き方の多様化に向けた制度
では具体的な働き方の制度、取り組みの例として以下の5つについて解説します。
- テレワークの導入
- 時短勤務・時差出勤の導入
- フレックスタイムの導入
- 時間単位の有給制度の導入
- 副業・兼業
テレワークの導入
テレワーク(リモートワーク)とは、従業員が自宅やコワーキングスペースなど、オフィス以外の場所で働くスタイルです。オフィスまでの通勤時間や交通費を削減できるだけでなく、育児や介護などのオフィス勤務に制約がある場合でも、就労が可能となります。
紙が主体の昔は、書類があるオフィスでしか仕事ができませんでしたが、デジタル化が進んだ現代ではITツールを活用することで、自宅でもオフィスと遜色ない業務が可能です。テレワークは、政府が行う働き方改革の一環として推進されていましたが、新型コロナウイルスの流行を受け、急速に広まりました。
時短勤務・時差出勤の導入
時短勤務・時差出勤は、働く時間を変化させる施策です。時短勤務とは、通常の就業時間よりも短い時間で仕事に従事するための制度であり、育児や介護などの制約がある従業員でも、就労しやすい制度と言われています。時差出勤は、始業時間・就業時間をずらして出勤を促す制度です。
「通勤ラッシュ」という言葉がある通り、多くの企業では始業時間がほとんど同じため、通勤による負担が大きくなる傾向があります。しかし時差出勤を取り入れることで、空いている時間に通勤することで負担を軽減できます。また、個人のライフスタイルにあわせた出勤を構築することができます。
フレックスタイムの導入
フレックスタイムとは、従業員の裁量で始業時間や終業時間を決定できる仕組みです。始業・終業時間は自由ですが、「コアタイム」と呼ばれる勤務しなければいけない時間帯もあります。とはいえ、始業・終業時間は自由のため、通勤ラッシュの時刻をずらしたり、残業を削減したりといった自由度の高い働き方が可能です。
また、コアタイムが決まっていることから、従業員の予定を把握しやすい、人材マネジメントがしやすいといったメリットもあります。
時間単位の有給制度の導入
有給休暇は、従来であれば半日・1日単位での取得が基本でした。しかし新たな制度では、時間単位の有給休暇の取得を認める企業・組織が増えつつあります。1時間単位であれば、従業員のライフスタイルや事情にあわせて取得できるだけでなく、年5日以上の取得義務である有給休暇をより取得しやすくなります。
副業・兼業
働き方改革で、副業が解禁・推奨されるようになったことにより、導入する企業が増加しました。副業・兼業は、働ける機会を増やす、異なるフィールドでスキルを活かすというニーズに答えられます。働き方の多様化を促す有効な施策の一つと言えるでしょう。
働き方の多様化によるメリット
働き方の多様化は、従業員だけでなく企業にも大きなメリットがあります。ここでは、働き方の多様化によって得られる企業のメリットを4つご紹介します。
- 生産性の向上
- 人材の獲得・定着
- コスト削減
- 企業イメージの向上
生産性の向上
働き方の多様化によって、生産性の向上が期待できます。通勤時間の削減や、場所にとらわれないライフスタイルにあわせた働き方によって、従業員のストレスが減り、モチベーションや作業効率アップなどの効果が見込まれるためです。また、副業の推進によってスキルアップを果たし、本業にも良い影響を与えることもあるでしょう。
人材の獲得・定着
多くの企業では人材不足が課題となっていますが、働き方の多様化を促進することで、人材の獲得や定着につなげることができます。時間や場所の自由度が高い職場は、採用応募者にとって魅力的に映り、さらに従業員の離職率低下やモチベーションアップにつなげられます。
またこれまでは、育児や介護などの事情でやむを得ず離職せざるを得なかった人材も多くいました。しかし多様な働き方を認める企業では、そういったケースに対しても柔軟に対応できるため、就労を続けることができます。
コスト削減
テレワークや時短勤務を取り入れることで、交通費やオフィス運営コスト、時間外労働による人件費などを削減できます。これまで当然のように発生していた交通費やオフィス費用などのコストが削減できるだけでなく、生産性が向上することによる副次的なコスト削減にもつながります。
企業イメージの向上
多様な働き方を取り入れることで、企業イメージの向上にもつながります。特に、ワーク・ライフ・バランスを重視する若い世代からの支持を得やすく、企業のブランディングにプラスに作用するでしょう。またBtoC企業では、顧客の購買促進にもつながるため、マーケティングにも間接的に影響を与えます。
働き方の多様化によるデメリット
多様化する働き方を推進することによるメリットがある一方、いくつかデメリットもあります。導入する場合はこれらの課題を把握したうえで、検討を進めなければいけません。ここでは、以下の2つについて説明します。
- 管理職への負担がかかる
- 定着に時間がかかる
管理職への負担がかかる
多様な働き方を認めることで、部下の一人ひとりの就業時間や出社日などの把握をしなければならないため、管理職への負担がかかることが懸念されます。これまでとは異なる新しい働き方を取り入れるため、ルールの作成・促進、労働環境の改善などを行う必要もあります。そのため、通常業務以外に、新たなタスクを管理職が行わなければいけません。
定着に時間がかかる
多様な働き方を取り入れたからといって、すぐに社内に定着することはありません。ただ導入するだけではうまくいかないため、自社の風土や環境に合わせて定着しやすいようにアレンジしていく必要があります。従業員へのニーズ聞き取りや制度の検証を行うため、定着までに多くの時間を要します。焦らずに、徐々に定着させていくことが重要です。
働き方の多様化に向けて企業がすべきこと
働き方の多様化に向けて、始めに企業が取り組むべきことがあります。今回は例として、以下の3つについて解説します。
- 労働環境の整備
- ワークスペースの見直し
- デジタルツールの導入
労働環境の整備
働き方の多様化には、ベースとなる労働環境の整備が不可欠です。そもそものスケジュールや業務内容の負担が大きすぎれば、時短勤務やフレックスタイム制度を導入しても、却って従業員への負担が増えてしまうでしょう。従業員にとって働きやすい環境や条件に整備することで、働き方の多様化にもつながります。まずは、基本的な労働環境の見直しから始めましょう。
ワークスペースの見直し
従来の出勤を前提とした環境を見直しましょう。テレワークや時短勤務などを取り入れることで、現在使っているスペースよりもオフィスを縮小し、コストを削減できる可能性があります。しかし、一概にオフィスを解約すれば良いというわけではありません。
コワーキングスペースによる拠点の分散や、フリーアドレスによる固定席の廃止などを取り入れることで、より無駄のないワークスペースの利用ができるでしょう。こうしたフレキシブルな対応ができる体制を構築することで、多様化する働き方に対応することが可能です。
デジタルツールの導入
働き方の多様化には、デジタルツールの導入が不可欠です。例えば、テレワークを推進するには、自宅やコワーキングスペースなどオフィス以外で業務ができる、IT機器やDXを導入する必要があります。いくらテレワークを推進しても、こうした設備がなければ業務はできません。
デジタル機器で書類の確認ができるペーパーレス化、リモート会議、チームのスケジュールの把握など、従業員同士のコミュニケーションや業務効率化を推進するためにも、デジタルツールを導入しましょう。
まとめ
関連する記事
おすすめの記事
インフラエンジニアは、ITシステムの基盤を支える重要な役割を担っています。近年ではクラウド技術の普及やリモートワークの増加により、インフラエンジニアが重宝されています。
そこで本記事では、インフラエンジニアがフリーランスになるメリットやデメリット、必要なスキル、資格、さらには成功のためのポイントについて詳しく解説していきます。