初心者から始めるプログラミング勉強法|基礎から実践の6ステップ
「今の仕事に将来性を感じられない」
「手に職をつけて安定したキャリアを築きたい」
そのような思いからIT業界へのキャリアチェンジを考える人が増えています。
特に、未経験からでも挑戦できるプログラミングは、注目度の高いスキルの一つです。しかし、「興味はあるけれど、どうやって勉強すればよいのかわからない」と悩む方も多いでしょう。
本記事では、プログラミング初心者に向けて、言語選びから学習手段の選び方、継続のコツまで、効率的な勉強ステップをわかりやすく解説します。

【初心者向け】効率的なプログラミング勉強法 6つのステップ
初心者が効率よくプログラミングの勉強を進めるには、学習のステップを整理することが重要です。
ここでは、プログラミングの勉強に関する以下6つのステップについて解説します。
- 学習目標の設定
- 学習する言語の選定
- 学習方法の決定
- 学習環境の構築
- 基礎学習
- 成果物の制作
初心者でも無理なく実践できるように、順を追って説明していきますのでご安心ください。
ステップ1:プログラミングの学習目的を明確にする
プログラミング学習の第一歩は、単に「勉強する」ことではなく、「何を作れるようになりたいか」を明確にすることです。目的が曖昧なままでは学ぶべき言語や教材が定まらず、途中で挫折しやすくなります。
下の表では初学者でも取り組みやすい、「プログラミングで作れるもの」を紹介しています。
作れるもの | 概要 | 代表例 |
Webサイト制作 | HTML/CSS/JavaScriptなどを使い、Webページを作成 | ポートフォリオ、ブログ、LPなど |
Webアプリ開発 | ブラウザ上で動くサービス | YouTube、Amazon |
スマホアプリ開発 | iOS/Android向けのアプリケーション | LINE、TikTok |
ゲーム開発 | プレイヤーが操作できるゲームコンテンツを制作 | Minecraft、簡単な2Dゲームなど |
デスクトップアプリ | パソコン上で動く実用ソフトを開発 | Excel風ツール、家計簿ソフトなど |
AIアプリ・自動化ツール | 予測や処理の自動化、データ分析などが可能なプログラム | ChatGPT、業務効率化ツール |
将来的にプログラマーとして副業・独立を目指すなら、実用性の高いWebサイト制作やアプリ開発から始めるのがおすすめです。
ステップ2:学ぶべきプログラミング言語を選定する
作りたいものが明確になったら、次は制作に必要なプログラミング言語を選びましょう。
たとえば、Webサイト制作にはHTML/CSSやJavaScript、AI開発にはPython、スマホアプリ開発にはSwiftやKotlinなど、目的によって使用する言語は異なります。言語ごとに特徴や得意分野があるため、自分の学習目的に合ったものを選ぶことが重要です。
以下の表は、代表的な開発目的とそれに適したプログラミング言語の対応表です。
作りたいもの | 主な使用言語 |
Webサイト・Webアプリ | HTML / CSS / JavaScript / PHP / Ruby |
AIアプリ | Python / R |
スマホアプリ | Swift(iOS)/ Kotlin, Java(Android) |
デスクトップアプリ | Java /C |
組み込みシステム | C / C++ |
ゲーム開発 | C#(Unity)/ C++(Unreal Engine) |
業務システム開発 | Java / C# / Python |
データ分析・可視化 | SQL / Python / R |
なお、言語選びは「作りたいもの」だけでなく、「将来性」「案件数の豊富さ」といった観点も重要です。次の章では、各言語の将来性や案件数を見ながら、初心者におすすめの言語を詳しく紹介します。
プログラミング言語別の将来性
プログラミング言語を選ぶ際、その将来性は重要な判断基準です。IEEE Spectrumの2024年ランキングでは、「Python」が1位を獲得しました。(※1)また、HackerRankの人気言語調査でも上位には「Python」「Java」「JavaScript」が並びます。(※2)
順位 | IEEE(Spectrum) | HackerRank |
1位 | Python | Python |
2位 | Java | C++ |
3位 | JavaScript | Java |
4位 | C++ | SQL |
5位 | TypeScript | JavaScript |
特にPythonは、TIOBE指数(2025年3月時点)で1位を獲得しており、学術・教育・実務の各領域で高く評価されています。(※3)さらに、GitHubの年次レポート「Octoverse 2024」によれば、PythonはJavaScriptを抜いて最も使用されている言語1位となりました。(※4)
※1 The Top Programming Languages 2024/IEEE Spectrum
※2 The Most Popular Programming Languages of 2024/HackerRank
※3 TIOBE Index for March 2025/TIOBE
※4 Octoverse 2024/GitHub
Pythonはプログラミング言語の中でもトップクラスで人気です。人工知能やデータ分析、アプリケーションの開発、事務作業の自動化まで幅広く使われており、基本を覚えるとさまざまな分野で使用できます。新しく技術を習得するときには、技術が古くならないか、学び損にならないかと心配になるものです。しかし、Pythonに限っては心配無用といえます。
この記事ではPythonでできることをはじめ、汎用的な言語と言われる所以や用途、不得意なこと、未経験者向けの学習方法もあわせてご紹介します。
TECH STOCKでは、Pythonエンジニアのキャリアアップのヒントを紹介する資料を配布しています。フリーランスとして、年収アップを目指す方はぜひご覧ください。
プログラミング言語別の案件数
プログラミング言語ごとの需要は、フリーランス案件数から確認できます。
以下は主要なフリーランス案件サイト「フリーランススタート」と弊社が運営している「TechStock」における言語別の案件数(上位5位)をまとめたものです。
順位 | フリーランススタート(案件数) ※2025.3末調べ |
TechStock(案件数) ※2025.3末調べ |
1位 | Java(49,496件) | Java(1,197件) |
2位 | JavaScript(36,643件) | JavaScript(422件) |
3位 | PHP(30,113件) | PHP(375件) |
4位 | Python(12,404件) | Python(324件) |
5位 | Ruby(12,160件) | Ruby(154件) |
たとえば、Java、JavaScript、PHPはフリーランススタートとTechStockの両方で常に上位を占めており、安定した需要が見込めます。
また、PythonはAIやデータ分析といった成長分野で活用が進んでおり、将来的な案件拡大が期待できます。
フリーランスエンジニアの案件紹介サービスTECH STOCKには、プログラミング言語のスキルを活用できる案件が多数ございます。現状のスキルや希望にマッチする案件をご紹介、即アサインも可能です。フリーランスになって働き方を変えるならTECH STOCKにお任せください。
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初心者におすすめのプログラミング言語
プログラマーを対象とした調査(※)によると、最初に学んだ言語として最も多かったのは「Java(23%)」で、次いで「C言語(19%)」「Python(14%)」という結果が出ています。
以下、それぞれのプログラミング言語を初心者におすすめする理由です。
Java:汎用性が高く、Web開発やAndroidアプリ開発など幅広く活用されており、学習リソースが豊富で独学しやすい点が魅力です。 Python:文法がシンプルで読みやすく、AIやデータ分析など先端分野でも活用されているため、初学者に人気です。 C言語:多くの言語の基礎に位置づけられ、構文や考え方を習得すれば他言語への応用力が身につきます。 |
勉強する言語の選択に迷った場合は、上記のうちのどれかから学習を始めると良いでしょう。
Javaは世の中で最も利用されているプログラミング言語で、今まで非常に多くのシステム開発プロジェクトで採用されてきています。しかし、今後はどうなるのでしょうか?プログラミング言語は現在数百種類あり、今後は他の言語にシェアを奪われていくことも考えられます。今回はJavaの現状について解説してみました。
TECH STOCKでは、Javaエンジニアのキャリアアップのヒントを紹介する資料を配布しています。フリーランスとして、年収アップを目指す方はぜひご覧ください。
ステップ3:自分にあったプログラミングの学習方法を決める
プログラミングの学習方法には、オンライン学習サイト、書籍、学習アプリ、スクールなど多様な選択肢があります。それぞれの特徴を比較し、自分のライフスタイルや目標に合った方法を選ぶことが大切です。
学習方法 | メリット | 費用 | どんな人におすすめか |
オンライン学習サイト | ・実践しながら学べる ・無料プランあり ・環境構築不要 |
無料~月1,000円程度 | ・手軽に始めたい人 ・自宅で自分のペースで進めたい人 |
書籍 | ・体系的に学べる ・オフラインで使える |
1,000~5,000円程度 | ・紙でじっくり学びたい人 ・ネット環境が不安定な人 |
学習アプリ | ・スマホでスキマ時間に学べる ・ゲーム感覚で継続しやすい |
無料~数百円程度 | ・通勤、通学中に学びたい人 ・気軽に触れてみたい人 |
スクール | ・講師のサポートあり ・転職・副業などのサポートが充実 |
数万円~100万円超 | ・短期間で実務力を身につけたい人 ・転職を目指す人 |
なお、現役エンジニア100名への調査(※)によると、プログラミング初学者が採用している主な学習方法は以下の通りです。
- オンライン学習サービス:32%
- 本・書籍:20%
- YouTube:18%
中でも「とにかく無料で始めたい」という方には、YouTubeでの学習もおすすめです。多くの入門講座が無料で公開されており、映像での解説により直感的に理解しやすい点が魅力といえます。
※ 【初心者からプログラミング学習を始めた人の意識調査】オンライン学習サイトや書籍などで学習を開始する独学派が多数/株式会社SAMURAI
ステップ4:学習に必要なツール・環境を準備する
プログラミング学習には、ハードウェア(パソコン・インターネット環境)とソフトウェア(開発環境)の整備が必要です。
パソコンはCPU:i5以上、メモリ8GB以上、SSD256GB以上を基準に選ぶと安心です。外出先での学習も考慮するならノート型がおすすめです。インターネットは安定した固定回線やモバイルWi-Fiを準備しましょう。
開発環境としては、Visual Studio Codeなどのエディタや、言語に合ったIDE(統合開発環境)を導入し、実行環境も整えておくと学習がスムーズに進みます。
ステップ5:選んだプログラミング言語の基礎を学習する
学習環境が整ったら、選んだ言語の文法や構文など基礎を学びましょう。
書籍や学習サイトを参考に、開発環境で実際にコードを書いて実行することで理解が深まります。変数や制御構文など基本を押さえれば、応用力が身につきます。
慣れてきたら、便利な機能をまとめた「ライブラリ」や開発の効率を上げる「フレームワーク」も活用してみましょう。初心者でも実践的なスキルを身につけやすくなります。
ステップ6:実践的な成果物を制作しながら学ぶ
基礎を習得したら、実際に成果物を作りながら学ぶことで理解が深まります。
初心者には、タイマーやメモ帳などの簡単なアプリ開発や、ポートフォリオ用のWebサイト構築から始めるのがおすすめです。制作を通して、エラー処理や実装の流れを体験できます。
また、GitHubを活用すれば、コードの管理やチーム開発の基礎も学べます。実際に手を動かすことで、学習のモチベーション向上にもつながります。
初心者がプログラミング勉強を行う際のコツ
プログラミング学習では、初心者が途中で挫折や壁にぶつかることが少なくありません。
実際、学習経験者300名へのアンケート(※)では、約86%が「学習中に辛いと感じた経験がある」と回答しています。プログラミング学習の挫折を防ぐためには、正しい学習法や継続のコツを押さえることが重要です。
短時間でも毎日学習する習慣をつける
プログラミング習得には継続が不可欠です。たとえ短時間でも、毎日学習することで知識が定着しやすくなり、挫折も防ぎやすくなります。
そのためには、学習時間をスケジュールに組み込み、毎日決まった時間に学習する習慣をつけましょう。また、「1週間で教材を○ページ進める」など、小さな目標と期限を設定しておくことでモチベーションも維持しやすくなります。
目的に向けた学習計画を具体的に立てることが、着実なスキルアップへの第一歩です。
インプットとアウトプットはセットで行う
プログラミングは知識を覚えるだけでなく、実際に手を動かしてコードを書くことでスキルが定着します。座学中心のインプットだけでは理解が浅くなりがちですが、アウトプットを伴うことで学習効率が大幅に向上します。
以下のような方法でアウトプットを取り入れましょう。
- サンプルコードをアレンジする
- Webサイトを模写する
- 簡単なアプリを作成する
- 自分の課題を解決するツールを開発する
「作る」ことを学習サイクルに組み込むことで、理解が深まり、実践力も身につきます。
わからないときはすぐに質問・調べるようにする
プログラミング学習者を対象とした調査(※)によると、プログラミング学習を挫折する最大の原因は、「気軽に聞ける環境がなかった」(40.8%)ことがわかっています。
自力で考えることも重要ですが、解決できないまま悩み続けるのは非効率です。自分で立ち止まる時間の期限を設ける「15分ルール」を意識し、早めに質問する習慣をつけましょう。
自力で解決できない場合、以下のようなサービスを活用するのがおすすめです。
- teratail(テラテイル):日本語で質問・回答ができる初心者向けQ&Aサイト
- Qiita(キータ):プログラマーの知識共有プラットフォーム。検索用にも有用
- Stack Overflow:世界最大級の技術系Q&Aサイト。英語だが情報量が豊富
- ChatGPT:すぐに回答が得られ、初学者の疑問にも丁寧に対応可能
- プログラミング勉強会・スクール:講師や仲間に直接質問でき、理解が深まりやすい
「わからない」をそのままにせず、積極的に質問できる環境づくりが継続学習の鍵です。
※ プログラミング学習者の約9割が挫折を経験 挫折時に「気軽に聞ける環境があればよかった」人が6割に/株式会社SAMURAI
初心者におすすめのプログラミング勉強法
初心者にとって、学習方法の選び方はプログラミング継続の肝となります。
ここでは、学習サイト・アプリ、書籍という2つの視点から、初学者におすすめの効率的な学習方法を紹介します。
学習サイト・アプリ
プログラミング初心者におすすめの以下の4つの学習サイト・アプリについて解説します。
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Progate(プロゲート)
Progate(プロゲート)は、プログラミング初心者に特化したオンライン学習サービスです。
スライド形式で視覚的に学べるため、プログラミング未経験でも理解できるほど直感的でわかりやすいのが特徴です。HTML/CSSやJavaScript、Pythonなど、Web開発に使われる主要な言語に対応しており、環境構築は不要ですぐに学習を始められます。
学習の進捗はレベルとして可視化され、RPG感覚で継続しやすい点も魅力です。無料プランでも基本を学べますが、より深く学ぶには月額1,490円の有料プランがおすすめです。
プログラミングの基礎固めを行いたい方に最適な学習ツールといえます。
ドットインストール
ドットインストールは、3分以内の短い動画で効率的に学べるプログラミング学習サービスです。
HTML/CSSやJavaScript、Pythonなど幅広い言語に対応しており、初心者でも隙間時間に気軽に学習できるのが特徴となっています。理解しやすい動画形式により、書籍よりも学習ハードルが低く、継続しやすいというメリットもあります。
環境構築は自分で行う必要がありますが、動画で手順を丁寧に学べるため安心して取り組めるでしょう。
有料プラン(月額1,280円)では質問機能も利用可能で、実践的なスキル習得を目指す初心者におすすめです。
Udemy
Udemyは、初心者向けから実践レベルまで幅広く対応したプログラミング講座を提供する動画学習サービスです。
PythonやJavaScriptなど人気言語の入門講座が豊富で、講師による丁寧な解説が行われています。
講座は買い切り型のため、一度購入すれば視聴期限なく何度でも復習可能となります。また、Q&Aフォーラムで講師に質問できる機能は、独学者にとって嬉しい点です。
セール時には1,000円台で購入できることも多く、コスパの高い学習手段として初心者におすすめです。
GitHub
GitHubは、学習したコードを保存・管理しながら、他人のコードを読んで学べる便利なサービスです。
文法や基本構文を一通り学び、簡単なアプリやWebサイトを自作できるようになったタイミングでの活用がおすすめです。Gitの基本操作(commit・pushなど)を覚えることで、コードの変更履歴を管理しやすくなります。
自作成果物を公開すれば、ポートフォリオとして就職や副業にも役立ちます。人気プロジェクトのコードを読むことで、実践的な設計や記述スタイルも学べるのが特徴です。
書籍
次にプログラミング初心者におすすめな、以下の3冊の書籍を紹介します。
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ちゃんと使える力を身につける Webとプログラミングのきほんのきほん
『ちゃんと使える力を身につける Webとプログラミングのきほんのきほん』は、初心者がつまずきやすいWebとプログラミングの基礎を、丁寧にわかりやすく解説してくれる入門書です。
HTML/CSS、JavaScriptといった主要技術はもちろん、Webの仕組みやサーバー、データベース、Cookieなどの関連知識まで網羅しています。図解と手を動かす実践形式で、効率的な知識の定着が可能です。
ITが苦手な方やプログラミング未経験者におすすめできる、まさに「きほんのきほん」を学べる一冊です。
Webエンジニアの教科書
『Webエンジニアの教科書』は、Webエンジニアを目指す初心者に最適な入門書です。開発環境の整え方から、フロントエンド・バックエンド・データベース・インフラ・セキュリティまで、現場で求められる技術を幅広く解説しています。
Ruby on RailsやPHPなど実際に使われる技術に触れながら、手を動かして学べる構成になっているのも魅力です。
将来のキャリアパスを考えたい人や、現場の全体像をつかみたい方におすすめです。
おうちで学べるプログラミングのきほん
『おうちで学べるプログラミングのきほん』は、初心者が自宅で楽しくプログラミングの仕組みを学べる入門書です。
Pythonを使ってコードを書く体験を積みながら、図解や会話形式で論理的思考も自然に身につきます。ハードウェアやOSとの関係、バグの仕組みなど、基礎から丁寧に解説されているので、ITに苦手意識がある方や文系出身者にも最適です。
これからプログラミングを始めたい人におすすめの一冊です。
まとめ
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