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データベーススペシャリスト試験とは?試験難易度や学習方法を解説

更新日 2024/04/04

データベーススペシャリスト試験は、国家資格である情報処理技術者試験の一種です。合格難易度が高いため、計画的に試験対策をしないと合格は難しいでしょう。
この記事では、データベーススペシャリスト試験の具体的な傾向や合格基準などの試験内容から、取得するために必要な知識や学習法について解説します。

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データベース スペシャリスト 試験

目次

データベーススペシャリストとは?

データベーススペシャリストが職場でどのような役割を担うかを知り、自身が試験を受ける目的と一致しているかを確認しましょう。以下の3つについて解説します。

  • データベーススペシャリストの仕事内容
  • データベーススペシャリストの平均年収
  • データベーススペシャリストに向いている人の特徴

データベーススペシャリストの仕事内容

データベーススペシャリストは、企業の保有するビッグデータの管理・保守や、データシステムの開発を担うエンジニアのことです。

高度情報化社会になり、顧客管理やマーケティング調査が重要となった現代において、ビッグデータの管理の重要性は高まっています。

データベーススペシャリストの具体的な業務範囲については、以下の表をご覧ください。

データベーススペシャリストの仕事内容

データベースに関する高度な技術や能力が求められることから、業務範囲が広いことが伺えます。目に見えないものを扱う仕事ですが、高度情報化社会において企業の業績を左右する重要な役割を担う、いわば縁の下の力持ちです。

データベーススペシャリストの平均年収

データベーススペシャリストの平均年収は「594万円」(※1)であり、日本の労働者の平均年収と比較すると高給です。

また、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(※2)でもエンジニアの平均年収が「約550万円」であり、エンジニアの中でも平均を上回っています。

月給換算すると「50万円」、初任給は「22万円」、派遣社員の平均時給は「2,449円」であり、高水準であることがわかります。

データベーススペシャリストになると技術・給与の両方でキャリアアップが期待できます。

※参考1:求人ボックス 給与ナビ/データベースエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)
※参考2:厚生労働省/令和4年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)

データベーススペシャリストに向いている人の特徴

データベーススペシャリストに向いている人の特徴は、以下の4つです。

  • 実務でデータベースを扱っている
  • SQLの作成が得意
  • データベーススペシャリストとしてキャリアアップしたい
  • 応用情報技術者試験に合格して2年以内

データベースに関する実務レベルのスキルがあり、尚且つSQLの作成に自信がある方は、データベーススペシャリストに向いていると言えるでしょう。

実際にデータベーススペシャリスト試験では、実務経験を通して身に付く思考やSQLに関連した問題、データベースの設計や構築に関する問題が出題されます。

また、キャリアアップの手段としてデータベーススペシャリスト資格を取得するのも良いでしょう。なぜなら、高度情報化社会になり、データベースエンジニアの需要は高まっているからです。

他のデータベースエンジニアと差別化され、市場価値の高い人材として周囲から評価してもらうためにも、取得して損はないでしょう。

※参考:IPA 情報処理推進機構/午前Ⅰ試験免除 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験

データベーススペシャリスト試験について

IPA 情報処理推進機構/データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリストはIT人材育成のために開催される情報処理技術者試験の一種になります。
実施主体は情報セキュリティやIT人材の育成推進を行う公的機関であるIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)となります。国家資格であり、試験に合格すると情報処理技術者としての知識やスキルが一定水準を満たしている証明になるでしょう。

データベーススペシャリスト試験では経験に基づいた幅広い知識とスキルが求められ、試験概要の理解と計画的な学習が合否を分けると言っても過言ではありません。

そこで、データベーススペシャリストの試験に関する以下の内容を抑えましょう。

  • 試験の概要
  • 受験の対象者
  • 試験形式と合格基準
  • 出題範囲と傾向
  • 合格率の推移からわかる試験の難易度

試験の概要

データベーススペシャリスト試験の概要については、以下の表をご覧ください。

データベーススペシャリストの試験の概要(※)
試験日程 年1回、秋期(10月)
試験時間 9:30~16:30
受験料 7,500円
合格ライン 各試験で100点満点中60点以上
合格発表 2ヶ月後の12月下旬にIPAのホームページで公開
申込み方法と受験料 受験の申込みはIPAのホームページにて
試験地 全国に用意された試験地(IPAの公式サイトにて掲載)

後ほど改めて触れますが、データベーススペシャリスト試験は難易度の高い試験となります。
内容としても実務的なスキルに関する問題が多く、現場経験があることが問題への理解に繋がります。そのため、実務経験で培った知識やスキルの到達度で勉強時間には大きな開きがでるでしょう。
学習時間としては、半年から1年間かけて徐々に勉強するのが一般的です。

また、すでに応用情報技術者資格を保有していると一部試験が免除されるため、学習負担が減らせます。
いずれにしても、年に1回のみの試験となりますので、キャリアパスから逆算して計画的に試験対策することをオススメします。

※参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構/データベーススペシャリスト試験

受験の対象者

IPA情報処理推進機構は、データベーススペシャリスト試験の対象者像について以下のように述べています。

高度IT人材として確立した専門分野をもち、データベースに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者

※引用:IPA情報処理推進機構/データベーススペシャリスト試験

データベースに関する高い専門性を習得し、企画・要件定義から保守・運用までできる、もしくは技術支援に携われる人材を目指す方向けの試験と言えます。

また、実務でデータベースの設計・開発に関わった経験があると、広い視野で試験問題を捉えられるでしょう。

合格基準

IPAは期待する技術水準(合格基準)について以下のように述べています。

高品質なデータベースを企画、要件定義、開発、運用、保守するため、次の知識・実践能力が要求される。
・データベース技術の動向を広く見通し、目的に応じて適用可能な技術を選択できる。
・データ資源管理の目的と技法を理解し、データ部品の標準化、リポジトリシステムの企画・要件定義・開発・運用・保守ができる。
・データモデリング技法を理解し、利用者の要求に基づいてデータ分析を行い、正確な概念データモデルを作成できる。
・データベース管理システムの特性を理解し、情報セキュリティも考慮し、高品質なデータベースの企画・要件定義・開発・運用・保守ができる。

※引用:IPA 情報処理推進機構/データベーススペシャリスト試験

期待する技術水準からもわかるとおり、データベースに関する高度かつ幅広い知識や経験が求められていると言えます。

出題範囲と傾向

最近のデータベーススペシャリスト試験は、業務系に加えてデータの分析系に関する問題が出題される傾向にあります。
そのため、業務分析でデータベース設計(データモデリング:ER図)に落とし込む知識だけでなく、データ分析や高速処理など実務経験やスキルがないと難しいでしょう。
また、ビッグデータを扱うための基礎知識として、SQLやDBMS関連などの記述問題も増えています。

では、午前・午後の試験別の内容を見ていきましょう。以下が試験の区分となります。

データベーススペシャリストの試験の区分
試験区分 試験時間 出題形式 出題数・解答数
午前Ⅰ試験 9:30~10:20
(50分)
多肢選択式
(四肢択一)
出題数:30問
解答数:30問
午前Ⅱ試験 10:50~11:30
(40分)
多肢選択式
(四肢択一)
出題数:25問
解答数:25問
午後Ⅰ試験 12:30~14:00
(90分)
記述式 出題数:3問
解答数:2問
午後Ⅱ試験 14:30~16:30
(120分)
記述式 出題数:2問
解答数:1問

午前Ⅰ・Ⅱ試験では「データベース設計」「SQL」「物理データベース設計」を中心に出題され、以前まで頻出だった基礎理論の知識を押さえていないと回答できない問題も含まれます。

午後Ⅰ・Ⅱ試験は「物理データベース設計」「論理データベース設計」に関する記述問題が中心です。問題がパターン化されており、過去問題の対策をしていれば傾向が変わらない限り合格を目指せます。

合格率の推移からわかる試験の難易度

データベーススペシャリスト試験の合格率・合格者数(※1)は、以下のとおりです。

合格率の推移

合格率の推移2

令和4年秋期の合格率は「17.6%」、過去10年間を通しても大きく変動しておらず、難易度が高い試験であるとわかります。

情報処理技術者試験のレベル区分

情報処理技術者試験のレベル区分においても最高難易度のレベル4であり、ある程度経験を積んだ中堅エンジニア向けの試験です。偏差値は「67」(※2)であり、一般的な資格試験よりは高いことがわかります。

※参考1:データベーススペシャリスト ドットコム
※参考2:資格Time/データベーススペシャリストの難易度は高い?気になる偏差値から合格率まで解説

データベーススペシャリスト資格を取得する6つのメリット

データベーススペシャリスト資格を取得するメリットについて考えておきましょう。データベーススペシャリスト資格を取得するメリットは、以下の6つです。

  • メリット①:スキルの証明になる
  • メリット②:市場価値が高くなる
  • メリット③:幅広い知見が身につく
  • メリット④:資格手当や報奨金がもらえる
  • メリット⑤:フリーランスとして独立できる
  • メリット⑥:他の国家資格の一部免除にもなる

メリット①:スキルの証明になる

資格を取得すると、データベースに関する知識やスキルの証明になります。

誰が見ても資格を保有していれば、スペシャリストであることは一目瞭然だからです。

資格試験に合格するためには、一定以上の勉強と実務経験が必要になります。特定の分野において知識に基づいた正確な判断ができ、信頼性が高いことの証明にもなるでしょう。

メリット②:市場価値が高くなる

自身の市場価値を高める上でもデータベーススペシャリスト試験に合格する意義は十分あります。

経験に基づいたデータベースに関する知識やスキルがあっても、客観的に評価できる指標は少ないからです。

一方で、資格があれば自身の市場価値が高いことの裏付けになります。データベーススペシャリスト試験の合格率は「約17,6%(R4秋期)」と、決して簡単に合格できるものではありません。

また、データベースの開発に終始携わった経験があれば、データベーススペシャリストとしての市場価値がより高まるでしょう。データベースエンジニアとしてキャリアアップや転職したい場合にも有利なので、取得する価値は十分あります。

※参考:データベーススペシャリスト ドットコム

メリット③:幅広い知見が身につく

データベーススペシャリスト試験に合格するためには、幅広い知識や実務経験から得られる実践的なスキルが必要です。試験勉強をするだけでも、さまざまな知見に触れ、幅広い知識を養えます。

合格できれば仕事中の自身の発言に説得力が増し、上司や同僚から信頼を得ることもできるでしょう。

また、データセキュリティに対する社内の意識を高める活動として、研修や教育部門にも携われます。企業全体の安全や信頼に関わる重要な業務に、主体的に参加できるということです。

メリット④:資格手当や報奨金がもらえる

資格手当や報奨金などの臨時収入を得られる可能性もあります。

企業によってはデータベーススペシャリスト資格を取得すると、資格手当の支給も期待できるでしょう。企業ごとに相場は違うため具体的な金額はわかりませんが、一般的に「平均約10万円/月」(※1・2)です。

これまでと同じ業務をしても、月給に10万円も上乗せになれば仕事へのモチベーションも上がります。

※参考1:Geekly Media/IT関連資格の資格手当の相場をご紹介!資格ありで転職すると給与はいくら上がる?転職エージェントが解説
※参考2:Acro Vision/データベーススペシャリストの年収についての詳細2つ|試験対策方法を解説

メリット⑤:フリーランスがクライアントの信頼を得やすい

フリーランスエンジニアがクライアントから信頼を得るなら、データベーススペシャリスト資格が強みになります。

高度情報化社会になり、どのような業界の企業でも顧客管理やビッグデータを取り扱うようになったからです。

安全に顧客情報を管理する基盤を作れるデータベーススペシャリストは、IT業界以外でも需要が高まってきました。安全に顧客情報を管理できることが、企業の信頼につながるのです。

データベーススペシャリストが活躍する場は増えているため、フリーランスとして独立しても働き口に困ることはありません。

たとえば、以下の案件などがあります。

フリーランスのデータベーススペシャリストの例
運用系 データベースシステムの運用・保守・改修など
業務アプリケーション系 システム開発における要件定義や設計、データベース形式を決定するなど
インフラ系 データベースシステムの構築

今後も情報化社会が進むにつれて、データベーススペシャリストの需要は高まっていくでしょう。

メリット⑥:他の国家資格の一部免除にもなる

データベーススペシャリスト資格を持っていると、以下の国家資格試験などの一部が免除されます。

  • 中小企業診断士の1次試験科目の一部免除
  • 弁理士試験の論文式筆記試験選択科目の理工V免除
  • 技術士試験の第一次試験の専門科目「情報工学部門」が免除
  • ITコーディネータ試験の一部が免除される専門スキル特別認定試験を受験可能

データベーススペシャリストを土台に他の資格にも挑戦しやすくなるため、キャリアアップの先駆けとしても有効です。

ただし、免除が適用される期間は資格取得から2年間という点に注意しましょう。ダブルライセンスを狙うなら計画的な学習が必要です。

※参考:IPA 情報処理推進機構/免除制度の概要

独学でも可能?データベーススペシャリスト試験へ向けた学習法

データベーススペシャリスト試験は、独学でも合格可能です。そして試験ごとに対策できれば、効率的かつ効果的に学習を進められ、体系的に学べます。

では、試験ごとの学習法について見ていきましょう。

午前Ⅰ試験

午前Ⅰ試験の特徴は、応用情報技術者試験や基本情報技術者試験の過去問が大半を占めます。そのため、過去問を解くことで傾向をつかみましょう。

出題構成(※)は、以下のとおりです。

  • テクノロジ系17問(57%)
  • マネジメント系5問(17%)
  • ストラテジ系8問(26%)

新しい形式の問題が出題されにくいため、直近3〜5年の過去問を繰り返し解きましょう。

また、考察問題が増える一方で文章問題が減っているのも午前Ⅰ試験の特徴です。データベーススペシャリストに必要な基礎知識がメインであるため、対策をすれば合格できます。

※参考:ITEC/IT資格一覧

午前Ⅱ試験

午前Ⅱ試験の特徴は、データベース分野が「約70%」、それ以外の分野が「約30%」出題されることです。

とくに以下の6分野で高度な知識が問われる傾向にあります。

  • コンピューター構成要素
  • システム構成要素
  • データベース
  • セキュリティ
  • システム開発技術
  • ソフトウェア開発管理技術

例年過去問から出題される傾向にあります。そのため、まずは過去問を通して必要な知識を補いつつ、出題傾向をつかむことが重要です。

データベース分野の問題がメインである一方、「セキュリティ」や「システム開発技術」などそれ以外の知識も問題を解く上で必要になるため、実務経験を通して学びながら問題の理解を深めておきましょう。

午後Ⅰ試験

午後Ⅰ試験は長文や記述式の問題の比重が増えます。

午後Ⅰ・Ⅱ試験の共通点は以下の3点です。

  • データベースシステムの企画・要件定義・開発に関すること
  • データベースシステムの運用・保守に関すること
  • データベース技術に関すること

午後Ⅰ試験は記述式で3問出題されます。

  • 問1:データベース設計
  • 問2:データベースでのトリガの実装
  • 問3:部品表の設計及び処理

時間的な余裕はありそうですが、難易度が高く時間配分に配慮していないと最後まで回答できないこともあります。

また、データベース設計やSQLに関する問題が高確率で出題されているため、試験対策は入念にしましょう。

具体的には「なぜ現場ではこのように考えるのか?」が問われます。実務経験に基づいた内容で出題されるため、データベースエンジニアとして働いていれば有利でしょう。

午後Ⅱ試験

午後Ⅱ試験は、10ページ以上の長文読解の記述式問題です。出題意図を読み解きつつ、要点をまとめて文章に起こす力が必要になります。

まずは質問文を読んで出題者の意図を理解した上で、問題文を読み進めるとスムーズに回答できるでしょう。

また、読解力があっても回答できなければ点数につながりません。相手に言葉で伝える練習や、文章を書き慣れておくのも対策の一つです。過去問の解答と照らし合わせながら、どのようにすれば要点を絞った文章を書けるか考えてみると、効率的に勉強できます。

試験当日、焦って頭が真っ白になったら、これまでの努力が水の泡です。出たとこ勝負で臨んでも合格はできないため、場数をこなして試験形式や傾向に慣れましょう。

データベーススペシャリスト試験に合格するための4つのコツ

仕事と並行してデータベーススペシャリスト試験に挑戦するなら、効率的かつ効果的な勉強が必要です。データベーススペシャリスト試験に合格するためのコツを4つ紹介します。

  • コツ①:過去問を活用する
  • コツ②:時間配分の感覚を身につける
  • コツ③:長期計画で受験までのスケジュールを立てる
  • コツ④:独学が難しいならスクールや通信講座を活用する

コツ①:過去問を活用する

まずは過去問に触れて、試験の問題レベルや傾向を知りましょう。過去問はIPA公式ホームページ(※)からダウンロードできます。

難易度の高い試験だからこそ、傾向と対策を入念に準備することが重要です。たとえば、午後の試験の出題形式はパターン化されているため、過去問に触れたかどうかは点数に大きく影響します。

また、以下のメリットからも過去問に目を通すことが必須です。

  • 試験範囲を把握できる
  • 得意・不得意分野を視覚化できる
  • 学習スケジュールが立てやすい

学習を計画的に進められれば独学でも合格できます。まずは過去問に触れて、学習スケジュールを考えてみましょう。

※参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:過去問題

コツ②:時間配分の感覚を身につける

データベーススペシャリスト試験では、時間配分の感覚が合否を分けると言っても過言ではありません。

なぜなら、難易度の高い問題が数多く出題されるにもかかわらず、午前Ⅰ試験は50分(30問)、午前Ⅱ試験は40分(25問)と制限時間が短いからです。見直しの時間を含めて1問あたり1分30秒程度しかなく、熟考している暇はありません。

そのため、まずは時間内に問題を解き切れるようになりましょう。

また、午後Ⅰ試験は90分(3問)、午後Ⅱ試験は120分(2問)と一見余裕を持って取り組めそう思えます。しかし、10ページに及ぶ長文読解の記述式問題であるため、対策を怠ると試験当日は問題文を読むことに多くの時間を割くことになるでしょう。
合格するための時間配分と今の自身の実力を把握することが重要です。

コツ③:長期計画で受験までのスケジュールを立てる

データベーススペシャリストの試験は出題範囲が広い上に、実務的なスキルを理解していないと解けない問題もあります。

実務経験が豊富な上級エンジニアでも200時間(※)は勉強が必要と言われており、簡単に合格できる試験ではないと容易に想像できるでしょう。

ただし、勉強時間は個人の経験やスキルによって違います。そして、仕事と並行して勉強するなら、年単位のスケジュールで考える必要があるでしょう。

※参考:資格Times

コツ④:独学が難しいならスクールや通信講座を活用する

「仕事が忙しく、勉強時間が確保できない」「もっと効率よく勉強がしたい」などの悩みがあれば、スクールや通信講座を活用しましょう。

スクールや通信講座を活用するメリットは、以下のとおりです。

  • 効率的に勉強が進められる
  • 強制的に勉強時間を確保できる
  • 参考書や学習教材に迷わず、無駄な学習費用を使わず済む
  • 通勤や空き時間を有効に活用できる

進捗状況やスケジュール管理ができるため、試験までの学習計画が明らかになります。また、学習内容や購入すべき参考書に迷わないため、時間を無駄にすることもありません。

ともに合格を目指す仲間もできるため、勉強に対するモチベーション維持にもなります。

スクールや通信講座は勉強を効率化し、学習管理をしてもらえる点で、独学よりも優れていると言えるでしょう。

データベーススペシャリストについてよくある3つの質問

データベーススペシャリストに関して、以下の3つの質問がよくあるため回答します。

  • 質問①:データベーススペシャリストの認定に有効期限はありますか?
  • 質問②:データベーススペシャリストの取得者数はどれくらいですか?
  • 質問③:データベーススペシャリストとオラクルマスターの違いについて教えてください。

質問①:データベーススペシャリストの認定に有効期限はありますか?

データベーススペシャリストの認定に有効期限はありません。そして、半永久的にデータベースに関する一定水準以上の知識やスキルがある証明として利用し続けられます。

ただし、有意性を維持するなら5年以内(※)に「再認定を受ける」もしくは「より認定レベルの高い上位資格を取得」しましょう。

データベースに関する技術や知識は日々入れ替わっているため、常に最新情報を習得することもデータベーススペシャリストとして求められます。

※参考:OSS-DB/有意性の期限(再認定ポリシー)

質問②:データベーススペシャリストの取得者数はどれくらいですか?

データベーススペシャリストの各年度の資格取得者数(※)については、以下の表をご覧ください。

データベーススペシャリストの取得者数

令和4年秋期なら「8,445人」が受験して「1,486人」が合格です。

合格率は「17.6%」と決して高くはないことから、難易度の高い試験であると言えるでしょう。

※参考:データベーススペシャリスト ドットコム

質問③:データベーススペシャリストとオラクルマスターの違いについて教えてください。

データベーススペシャリストとは、企業の保有するビッグデータの管理・保守や、データシステムの開発を担うエンジニアです。

一方のオラクルマスター(※)とは、日本オラクルが認定する資格であり、RDBを操作するSQL言語などを用いて一般的なデータベースの実装を行う人になります。2003年以降は日本国外でも実施されはじめ、世界共通基準の認定試験として浸透してきました。

どちらの資格もデータベースの専門家であることに変わりはなく、情報に対する安全面や収益面で支える企業に欠かせない人材です。

※参考:Oracle University Japan ORACLE MASTER Portal

まとめ: データベーススペシャリスト試験に向けて計画的な学習を!

以上、データベーススペシャリスト資格について詳しく解説しました。

データベーススペシャリスト試験は実務経験に基づいた問題が出題され、高難易度であるとわかりました。一方で試験別(午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱ)の傾向を知り、計画的に学習を進めることで、独学でも合格できます。

高度情報化社会が進み、IT業界以外でも需要の高まっているデータベースエンジニアとしてキャリアアップするなら、データベーススペシャリスト資格を取得しておいても損はありません。

この記事を参考に、データベーススペシャリスト試験に挑戦していただけると幸いです。

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