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政府による働き方改革の推進や、フリーランスのマッチングサービス拡大など、多様な働き方が身近になる一方で、「何を選べば良いの?」、「そもそも何が違うの?」など、選択肢が多いゆえの疑問を持っている方も居るのではないでしょうか。そこで、IT・業務改善プロジェクトに従事されている業務・ITコンサルタント、SE、プログラマーの方向けに、主な3つの選択肢について整理しましたので、方向性を決める際の参考にして頂ければと思います。

目次

1.働き方の主要選択肢

働き方の主な選択肢として、正社員と非正社員で大別できます。正社員は収入が安定する一方で、収入・出退勤時間・仕事内容などの自由が効きにくいです。一方、非正社員は収入が不安定になるリスクがあるものの、自由な部分が多いです。ただし、正社員でも働き方改革による、柔軟な働き方や、子育て・介護等と仕事との両立ができるようになっています。

1.正社員

・収入
案件が無くても給与は必ず支払われるなど、安定している一方で、大きな結果を出してもすべてが給与に反映されるわけではなくボーナスに反映される程度の場合が多いです。また、税金や保険の面では、会社が手続きするため自分で手続きをする必要がない、社会保険料の半分は会社が負担する、などのメリットがあります。

・出退勤の日時
フレックスタイムや時短勤務で、働く時間の選択ができるようになったものの、まだまだ1日8時間、週5日のオフィス出社が前提の場合が多いです。

・仕事内容の選択肢
仕事内容は会社が決めることが多く、本人の意思よりも会社の決定が優先されます。ただし、会社が認めれば別部門への異動など、全く別の業務に挑戦することが可能なメリットもあります。

2.フリーランス ・収入

・収入
正社員は毎月安定的な収入が見込めますが、非正社員は契約に応じた収入を貰います。このため、フリーランスでは仕事をすればするほど収入が増える一方で、契約が全く無いと収入はゼロです。
また、正社員ならば企業が負担している各種手当や社会保険料、退職積立金などを自分で支払う必要があるため、単価設定は高めになり手取り額は増えます。

・出退勤の日時
契約先や案件ごとに出退勤の日時が決まるため、案件を選ぶことで希望通りの出退勤日時を選択できます。ただし、出退勤の日時条件を絞るほど、案件も見つかりにくくなります。また、Webデザイナーなどの一部の職種に限られますが、自宅のパソコンだけで仕事することも可能です。

・仕事内容の選択肢
案件が変わるたびに、仕事内容を選べるため、専念したい業界・業務のみに注力することも可能です。フリーランスの立場は、即戦力としての活躍が求められるため、未経験の業界・業務への挑戦には交渉が必要となってきます。

3.起業

非正社員としてのもうひとつの立場に、起業して法人経営者となることがあります。同じ非正社員のフリーランスとの違いとして、税制面で優遇されており、ソフト投資やチームを組んでの仕事もしやすくなります。

・収入
フリーランスと比較すると、法人登記の手続が面倒な一方で、税金面で優遇されています。
具体的には、フリーランスは収入から経費を引いた所得の全てに所得税がかかりますが、法人は一部のみを経営者の報酬とすることで、そこだけに所得税をかけ、法人には法人税をかけることができます。所得が大きい場合は法人税の方が税率は低いため、税制面で有利になります。
また、法人としか取引しない企業もあるため、取引の幅も広がり、大口案件を受注してのチームでの仕事や、高単価の案件に携われるようになります。ただし、赤字でも税金がかかる、社会保険への加入が必須などのデメリットも発生します。

・出退勤の日時
クライアントや社員と同意の上であれば、自由に決められます。
ただし、会社の規模が大きい、クライアント先に常駐する必要がある場合など、自由に決めることが難しいこともあります。

・仕事内容の選択肢
フリーランスと同様に自由に案件を選ぶことができます。
仕事の内容は、自分だけではなく、自社の社員のフォロー、営業活動も入ってきますので、経営者としての立場が求められます。
また、法人税が適用され税率が低くなる場合がある、必要経費として認められる幅が広い、赤字の繰越期間が長いなどの税制面の優遇があるため、経営判断し、新規事業への取り組みや投資をおこなうことも視野に入れた動きとなります。

2.どの働き方を選べば良いの?

正社員・フリーランス・起業の働き方ではそれぞれ特徴が異なる上、正社員の働き方が自由に2.どの働き方を選べば良いの?なってきているため、様々な要素が絡み合っている状況かと思います。そこで、世の中の状況を整理したうえで、それぞれの働き方を比較したいと思います。

1.世の中の傾向は? ~正社員の働き方改革・フリーランスの傾向~

現在、政府による働き方改革の推進など、働き方の多様化が進んでいます。世の中の傾向を知り、将来を予想することで、働き方選択の参考にしたいと思います。

(1)正社員の働き方改革の傾向
厚生労働省ホームページの”「働き方改革」の実現に向けて”では、”「働き方改革」の目指すもの”について記載されています。(要約:働く人を増やすため、多様な働き方を選択できる社会の実現と、働く人が良い将来の展望を持てることを目指す)また、実際に働き方改革を進め、多様な働き方が実現されているため、事例をご紹介します。

「働き方改革」の目指すもの
我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。
こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。


・働き方改革事例1:株式会社スタートトゥデイ 「1日6時間労働」
ファッション通販サイトZOZOTOWN(ゾゾタウン)を運営する株式会社スタートトゥデイでは、お昼休みを取らずに働いて15時退社を目指す「1日6時間労働」の制度を導入しています。これにより「6時間で仕事を終わらせるにはどうするか?」を部署・個人が考え、労働生産性(=売上÷労働時間)が25%上昇したそうです。

・働き方改革事例2:リクルートグループ 「リモートワーク」
株式会社リクルートホールディングスでは、「週に1~2回の出社を限度とするリモートワーク」を開始することで、「リモート勤務を当たり前」としました。これにより、既存の在宅勤務制度では、資料の事前共有など手間がかかり、在宅勤務者が負い目を感じる状況でしたが、制度導入により柔軟な働き方を自ら選べる状況になりました。
また、不動産情報サイト「SUUMO」を運営する株式会社リクルート住まいカンパニーは、カフェなどで仕事をする際の飲食代を「場所代」として1回500円、1日4回までを上限に支給する施策も開始し、任意の場所での業務を推奨しています。

このように、政府の後押しもあり、企業は働き方改革に取り組みだし、働き方改革が進んでいる企業では、時間、場所の自由度が増しています。

(2)フリーランス人材の傾向
ランサーズ株式会社の”フリーランス実態調査2018年版”によると、フリーランスの経済規模が初の20兆円を超え、報酬は昨年対比112%になったそうです。フリーランスの方の規模が増えることで、新規サービスが立ち上がり、益々フリーランスの方が案件に入りやすい環境ができていくと予想されます。
また以前は、個人的なつながりで案件を探すしかありませんでしたが、WEBの活用により案件がみつかる割合が増えています。
※上記、”フリーランス実態調査2018年版”ではオンライン活用割合が毎年1%ずつ増加

(3)起業の一般傾向
中小企業庁の”2017年版中小企業白書 概要”によると、2009年から2014年にかけて中小企業+個人事業主は39万者減少(P.7)している中で、情報通信業は、廃業率が約5%に対して開業率が約6.5%(P.9)であり、開業率―廃業率がプラスでした。このため、情報通信業の市場は拡大傾向にあり、起業も増える傾向にあると推測できます。
この理由として、東京オリンピック・パラリンピック関連の需要や、AI、IoTにより、企業のIT投資が積極的に行われていることが考えられます。(一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会の「企業 IT 動向調査 2018」によると、IT予算増減の指数が過去10年での最高値だったそうです)

このため、アプリ事業への参入、ITコンサルタント・エンジニアとしての案件参画、IT導入に伴う業務コンサルティングなど、起業・収益化もしやすい傾向であると考えられます。
また、起業の収入とリスクとしては、市場拡大の中で、従業員雇用や、新規ITサービスへの投資を行うことで、収入の上昇が見込める一方で、万が一、投資リスクに対してリターンがない場合、廃業時の精算リスクがあります。投資を鑑みると、フリーランスよりも収入が見込める一方で、ハイリスクと考えられます。

例えば、新規ITサービスを立ち上げる場合、初期のシステム開発費用やインフラ費用に加え、システム運用費や従業員雇用した場合の給与も支払う必要があるため、一人で活動するフリーランスよりもリスクは高く、社会的責任も大きくなります。

2.働き方選びのポイントは? ~5W1H + How muchで整理~

ここまで正社員・フリーランス・起業についてご紹介しましたが、自分にあった働き方は見つかりましたでしょうか?もしくは情報が多い・世の中の状況が変わっており将来が見えにくくなっている、などでより分からなくなった方もいるのではないでしょうか?

このため、以下の表に、5W1H + How muchの観点で働き方を整理しました。(Whoは働き方を選ぶ方、すなわち我々自身になるので割愛します)
表から働き方を選ぶ方法の一つとして、正社員の自由度・リスクを確認し、より柔軟な働き方が好ましい場合はフリーランス、起業から選択するなどが考えられます。また、正社員の働き方が多様化しているため、「正社員が良いけど、もう少し自由が欲しい」といった方は、属している組織や世の中の動向を確認しながら少し待ってみるのも良いかもしれません。

3.まとめ

最後までご覧頂きありがとうございました。まとめとして、働き方ごとの特徴を再度記載します。

・正社員は、収入は安定するが、働き方は会社規定に従う。(ただし、働き方改革により多様な働き方が可能になっている傾向があるため、確認が必要)
・フリーランスは契約に応じた収入を貰い、案件がある限りは働き方も選択できる。
・起業は、フリーランスよりも税制面で優遇されている。また、信用度も上がり取引可能な企業も増える。また、雇用や新規サービス立上による収入増も見込めるが、廃業リスクも高まる。

働き方は、自分のみならず、従業員のフォローなど経営者としての動き方が必要となるが、基本、自分ですべての要素を決定できる。

執筆者:濃沼 雄太